【ブランド設立】イラストレーターとして伝えたい思い。彼女を突き動かす原動力。

学生起業

今回の先輩大図鑑では1年次からイラストレーターとして活動し始め、2年次では自身のブランド「Festher」を立ち上げたirukaさんにインタビューしました。

irukaさんは筆者の高校の同級生で、早稲田大学政治経済学部に通いながらイラストレーターとして活躍する姿は同級生の間でもかなり有名です。

彼女の世界観を作り上げてきた環境と、イラストレーターとして歩み始めたきっかけについて迫りました。

不特定多数の人に自分の考えを表現したい

ーイラストレーターとして活動し始めようって思ったきっかけは?

始めたきっかけは自分の考えてることを表現して、不特定多数の人に発言したかったからその手段が私にとってはツイートとかの“文字”だけじゃなくて、アートだった。最初はそれが写真に手書きで文字や歌詞を書いたり、写真を加工したりしてたのね。だけど、だんだんそれだけじゃ表現しきれなくなって、イラストを書くようになっていった。

写真だと「こういうのが撮りたい」って思っても、それを再現するには限界があるじゃん。イラストだと、再現度が高いからそっちに移行していった。

 

ーイラストレーターとしての主な活動内容っていうのはどんなものがあるの?

個人でやっている仕事はグッズを販売するショップブランドの運営。

企業からの依頼であればイラスト込みのデザイン名刺やショップカードの作成。インスタグラマーとして商品にまつわる絵を描いてPRする。あとは恋愛メディアの記事のアイキャッチ画像作成とかかな。

企業と関わることで得られた気づき

ー個人としての活動とビジネスの違いは?

私は鬱々とした感じのイメージの世界観でやって行きたいと思ってるんだけど、企業が求めるのって結構かわいいものが多いの。

▲20歳まで残り1ヶ月の時に大人になることへの葛藤から生まれた作品。「若いねって言われるのは君がいつか若く無くなるからで、若さという武器を使うと大抵うまくいってしまうことを知った君は今から苦しむことになる。若さとは凶器であると知ってしまったあの日から僕は早く皺だらけになりたいんだと思う。」

 

最初に、簡単に構図を書いたラフっていうのを出すんだけど、「もうちょっと幸せそうな感じにしてください」って言われることとかがあって。もちろんその通りにするけど、自由度が高いのは個人的な活動の方になるかな。

企業には企業の伝えたいことがあって、私の言葉と絵が広告塔になる。広告の役割の一つに、商品を売るためとか、企業のブランディングをするっていうのがあると思う。だから自分がその商品を実際に使ったり、サイトで商品のページ詳細を見たりしてどんなことを伝えるべきだろうっていうのをちゃんと考えることが私の責任だと思う。ただ絵を描けばいいわけではないんだなと思った。

 

ー卒業後もイラストレーターとして活動していく?

就職先が副業がOKなところだったら続けると思うけど、ダメなとこならやめちゃうと思う。選ぶときに、副業OKなところかどうかっていうところは気にしないで就活していく。でも、私が仕事を通じて成し遂げたいことの軸はずっと変わらないと思う。

根底にあったのは「人の心を動かしたい」という気持ち

ー作品を通して伝えたいメッセージはどういう風に生まれたの?

元々相談されやすい性格で、いろんな人の悩みを聞いてたのね。それで人の心を動かしたいっていう思いが生まれた。この思いが生まれてイラストレーターの活動を始めた。自分が「何者か」だと無根拠に信じられてた頃や、楽しいことだけをしていればいい日々から抜け出して葛藤する瞬間が、大学生にはあると思う。悩みとか矛盾した感情に苦しんでいる人たちに、作品を通して自分のメッセージを伝えたい。インスタグラムのダイレクトメッセージで「救われました」とか、「頑張ろうと思いました」って来た時が1番嬉しいなあと思う。

伝えたいメッセージを形にした「ブランド」

ーブランド設立のきっかけは何?

私の考え方の1つに「自死する人を責めたくない」っていうのがあるの。斜に構えてるみたいだけど、「いつか生きててよかったって思える日が来るから生きて」っていう考えの人とは合わないと思ってて。絶望してるときにそんなこと言われても信じられないし、生きててよかったって絶対思えるとも限らないと思うから。でもだからといって「死にたかったら死んでいいよ」って言いたいわけではないのね。そういった考えを持つ人もそうでない人も、生きてる意味も死ぬ意味も分からない人もみんな包みこんであげたいし、偉いと思う。自分の作ったものがその人の生きる活力になればいいと思う。それが実現できるのは画面上のイラストよりも実体のあるものだと思ったからブランドを設立したの。

 

ー作品の案はどんなふうに作られていくの?

生活しているときに、思ったことをとりあえず全部携帯のメモに入れる。ストックしてる文章をイラストと合わせて出すっていう流れになっている。だから、考えていることが先行して存在してそれに付随してイラストが生まれる感じ。絵と言葉は他人から見るとあまり関連していないように見えるかもしれないけれど、自分の中ではちゃんと関連してる。


▲20歳になって初めて書いた絵。
19歳が今まで生きてきて一番いろんなことを経験した1年で、でも今の自分を構成するこの出来事は1個でもかけてたら今の私は居なかっただろうから全部背負っていく覚悟を決めた、という作品。

たくさんの人と話してみることが大切

大学の仲間との出会い

ーirukaさんの世界観はどのようにして作られたの?

大学に入ってから言語化や論理思考がすごく上手な先輩がたくさんいて、私が話してても「え、それってどういうこと?」「どうしてそう思ったの?」って聞いてくるの。そこで私全然物事を深く考えられてなかったなって気づかされて。そこから意識して色々考えるようになったな。あと、宮崎夏次系さんとか星新一さんとかの独特な世界観に引き込まれた。昔から本が好きで結構本からも影響は受けてる。

▲「私たち可愛いから仲良くしようね」|色んなその人の「タグ」で関わり合う関係への違和感を皮肉った作品。

ー大学で出会った人たちの影響はやっぱり大きい?

とても大きいと思う。特に大学1年の11月が1番ターニングポイントだった。11月まではチャランポランなキャラだった。私には、おふざけが好きな面と、哲学的に考える面の両面があると思うんだけど、後者はウケが悪いかなって思って隠してた。でも11月に周りの人に後者の面がばれる機会があった。そしたら意外とウケが良くて、隠さなくてもいいんだって思えた。結局、今は両方の面を見せている。自分の色々な側面を受け入れてくれた周りの環境がよかった。振り返るとあの頃に自己アイデンティティがぐっと形成されたなって思う。

 

ー大学生になって生活する中で、イラストレーターとして影響を受けたものってある?

早稲田祭で「男祭り」っていう夢を叫ぶステージがあるんだけどそれのスタッフをやったことかな。男祭りの演者さんはみんな「人の心を動かしたい」って想いを持っているんだけど、それが自分の考えとリンクしてた。影響を受けたっていうよりかは自分の考えの軸をブラッシュアップできたって感じかな。

良い環境は作れる

ー早稲田大学で出会った人たちがirukaさんにとって刺激が多くて良い環境だったんだね。

早稲田は個性が豊かな人が多いと言われているから、私は刺激的な人たちに出会う機会が他の人より多かったんじゃないかなと当時は思ってた。けど、今はそんなことないと思う。どこの大学でも団体でも刺激を与えてくれる人で溢れていると思う。だから結局は自分がそれを吸収できるかどうか。大学とか関係なく、孤独でいることって大事なんだなって思った。「一人になるのが嫌だからとりあえずどこかに属する」じゃなくて、団体とかコミュニティとか関係なくそこら辺の人といっぱい話す方がたくさんの人からたくさんの刺激をもらえると思う。

ー周りの環境は受け身であるだけではなくて、自分で探していくことも大切なんだね。

肝心なのは行動力と継続力

ー最後に発信することに興味がある方に対してアドバイスをお願いします。

これは長所でも短所でもあると思うんだけど、私はどんな小さなことでも突発的にやるタイプなの。やりたいと思ったら止められなくて。例えば、小さい頃に家の本棚の色を変えたくて、勝手に絵の具で塗ってみたんだけど絵具だから弾いて失敗しちゃった。こんな風に失敗することもあるけど。だけどその行動力が結構大事だなって思う。

あとは始めたら続けること。やっぱ早稲田って起業家とかユーチューバーとかもたくさんいるんだけど、それを続けられている人って凄い少ない。何かを始めてそれをずっと続けられる人ってなかなかいない。だけど続けなきゃ何も始まらないから、とにかく続けることが一番大事だと思う。

どんな小さなことでもとにかく続けることが1番大事だなって思う。

だから私は、イラストを描いてるときに「今回失敗作だな」って途中で思ってもとりあえずかきあげることにしてる。

 

そうだね。それは他のことでも当てはまったりする時もあるよね。とても大切なことだと思う。イラストレーターを始めてから気づいたことはある?

自分が思っている以上に考え方や常識には多様性があるってことかな。フォロワーが増えれば増えるほどたまにだけどアンチとかも出てくるのね。その他にも無料でイラストを描いてほしいって頼んできて、有料ってわかると態度を変えてくる不躾な人がいたりする。でも私からすると「なんで無料で描かなきゃいけないの」って思うけど、相手からすると「なんでたかが似顔絵にお金払わなきゃいけないの」って思ってるのかも。人それぞれ考え方が違うってことに気づかされたし、相手の立場に立って考えるいい機会になった。それにかなりメンタル強くないとやっていけないと思った。活動していく上である程度の覚悟は必要だと思う。

ちなみに私は人から言われた言葉に感情が揺さぶられるタイプなので、向いてないのかも(笑)

「人の心を動かしたい」という思いが活動することにつながり、実際にそれを実現させている姿に圧倒させられました。

この記事を読んでくださった方にはぜひ、自分の夢や挑戦したいことに向かって一歩踏み出す勇気を持って欲しいです。

自分を取り巻く環境を変えてみるのも一つの手かもしれません。「思い立ったが吉日」皆さんの心に何か一つでも響くものがあれば嬉しく思います。

彼女の世界観のお話など、伝えきれなかった部分やなくなくカットして部分がたくさんあります!

ぜひインスタグラムをチェックしてみてください!

コメント

  1. […] […]

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