【編入・受験】「人を笑顔にしたい」文系学科から看護の道へ

編入

今回の先輩大図鑑は、津田塾大学4年、ののかさんの経験談をご紹介いたします。

ののかさんは、現在通っている大学で文系学部に所属していますが、編入試験を経て来年度から別の大学の看護学部に編入学することが決まりました!

文系学部から理系学部への編入、まわりの友達が社会人に近づくなか自分だけ大学生の期間が伸びてしまうことなど、たくさんの不安要素がありますが、どのような志で夢を追いかけているのでしょうか。

やりたいことを全部やる

経験の積み重ね

ーののかさん(以下、のんちゃん)が所属している国際系の学科と、これから編入学する看護学部とでは勉強内容がかけ離れていると思うんだけど、看護に興味を持ったきっかけにはどんなものがあるの?

きっかけは、これって言うものがあまりないの(笑)大学生活のなかでやりたいことを全部やってみて、「これ向いてないや」とか「これ好きかも」とか、そういう経験の積み重ねで看護師になりたいなって思うようになったんだ。

ーそうなんだ!そのたくさんの経験をぜひ教えていただきたい(笑)

海外ボランティア

昔から直接人と関わって、人を笑顔にしたいっていうことは、ずっと思ってたんだ。だから最初は、「海外で」人を助けようって思ってた。

だから、もともと今の大学には、国際協力を実践してみたくて入ったんだ。海外ボランティアとか留学とか、そういうのを通して、海外にいる人を助けたいって思って。それで、大学2年生の夏に念願の海外ボランティアをしたの。そのときは、やってみたかったことができたから、行ってよかったなと思った。だけど、そのとき日本にいる大切な人が、体調を崩しちゃったの。でも、私は海外にいてその人のそばにいられなかったから、寂しさとか無力さを強く感じて、帰りたいとも思ったんだよね。

この経験から、私は海外で働くのには向いてないんじゃないかって思った。海外で働きたいっていう思いがあったんだけど、日本にいる家族や友達とか、自分にとって身近で大事な人たち、そして一番助けたい相手と離れなければならない生活は、私には向いてないなっていうことを強く感じた。

アルバイト

バイトの経験からも、どうしても人と直接関わる仕事がしたいっていう思いは強くなっていったよ。パン屋さんでアルバイトをしてたんだけど、そのとき自分が接客したことで、お客さんが笑顔になってくれるのがとても嬉しかったんだ!

だから、日本のなかでも人を助けたり、笑顔にしたりできる仕事は絶対あって、将来何をしようかな、何ができるかなって色々考えていたよ。

授業「国際保健論」

そして、海外に行ったのとちょうど同じ2年生のときに、M先生の「国際保健論」っていう授業を受けてたの。医療とか衛生とか、それらに関する先生の経験を聞ける授業だったんだけど、私にとってその授業は、今まで受けたどの授業よりも楽しかったんだよね。M先生は、研究者っていう立場から医療に関わっている人だけど、授業でお話を聞いていて、医療現場で人と関わることを通して、大きな喜びを感じる瞬間があるということがわかったの。

あとはシンプルに人体について知るのもすごく楽しいなって思って。それで、「医療系良いかもしれない」って思い始めたの。

M先生は、研究者の立場から医療に関わっていたから、最初はそういう研究ができる大学院に行こうかなって思ってたんだけど、卒論を2年生から書き始めて、どう考えても研究向いてないなって思ったんだ(笑)。私は、研究よりは、もっと直接人と会う仕事の方が向いてるだろうなって思った。

そのとき偶然ネットで見つけたのが、編入なんだよね。確かそのときは「文系から医療関係に行くには」って検索してて、そのなかで、編入して看護師になれる大学があるっていうのを知ったの。日本で人を助ける仕事で、医療にも関わってて、かつ、人と直接関われる仕事、看護師って私がやりたいこと全部そろってるって思って、そのときに看護師になりたいって強く思った!

こんな感じで、色々なことを組み合わせた結果、看護師すごく良いなって思うようになったよ。

選んだ進路に向けて

就活?受験?

ー進路が決まってからは、もう編入試験に向けてがっつり勉強!って感じだったの?

いや、そうでもなかった(笑)大学生ってやっぱりみんな就活するし、編入試験に落ちちゃうとニートになるしかないから、最初は就活とどっちも一緒にやろうかなって考えてた。実際、3年生の夏に企業のインターンシップにも行ってみたんだよ。でも、自分が興味ある分野のインターンシップに行ってもあまり強くは惹かれなかった。

1日看護体験

同じ時期に、1日看護体験にも行ってみたの。そしたら、そこにいた看護師さんが本当にかっこよくて、私のなりたい姿はこれだって思って、「もう就活なんて良いや!」みたいな、「私はこっちの道にどう遠回りしても行きたい!」って思うようになって、覚悟が決まった。

この看護体験、存在は知っていたんだけど行くかどうか迷ってたから、看護師を目指すきっかけになったM先生に相談したんだ。そのときは全然覚悟が決まらなかったから、ろくに話もできなかったけど、でも先生は、「興味あれば行ってみても良いんじゃない」って背中を押してくれたんだ。やっぱり悩んでるときに誰かに相談して背中押してもらうのはとてもありがたかった

相談するなかで、苦しくなることもあったな。M先生に「なんでやりたいの」って言われたとき、自分のなかではっきりしてなさすぎて、全然言葉にできなくて泣いちゃったりした。自分は看護師になりたい気がするけど、そうでもないのかなってすごい悩んだりもした。でも、相談することを通して、やっぱり覚悟持ってやらなきゃいけないって強い気持ちを持つことができた。

ー頼れる人に相談したり、実際に看護師体験をしてみたりすることを通して、覚悟ができてきたんだね!

勉強

ー覚悟ができて、実際に編入に向けた勉強を始めたのはいつ頃?

3年生の後半から少しずつはじめてたけど、本格的にやり初めたのは4年生になってからだね。3年生の後半から、受験内容は看護系の面接と小論っていうのは知ってたから、本を買って小論文書いてみたりしてたけど、全然書けなくて、1人でやってたときは進まなかったな。

ゼミの先輩に偶然同じ進路に行った人がいるんだよね。その人とたまたま授業で一緒になって、進路の話もしたことがあったから、その人に話を聞いて、その先輩が通ってた塾に2020年の4月から通いはじめたんだ。そこから受験の9月までの半年くらいはみっちり。それまではあまり勉強してなかったからしんどかった。小論と面接だけだから、ガツガツ勉強って感じじゃなかったけど、受験だってなるとやっぱり心理的には大きな負担だった。

 

ーどんな感じのスケジュールだったの?

週2で小論文と英語の授業があったよ。コロナが流行したから最初の頃はオンラインで授業を受けてたけど、塾に直接足を運ぶと小論文をその場で添削してくれるから、途中からは塾に行くようになった。英語も、医療系の英語とか知らない単語、例えば臓器とか病気の名前とかそういう単語を知らなかったから少し苦労した。あとは、塾では面接対策もしてくれたりして、自分で勉強するのがすごい苦手なタイプの私にとって、塾は勉強のペースを作ってくれて、すごく助かった

ーたしかに、塾はお金もかかるし、きつさもありそうだけど、勉強のペースを作ってくれるって考えたら結構コスパが良いのかもね!

授業、サークルとの両立

ーそういえば、のんちゃんは、受験勉強もしてたけど、同時に今通っている学校の課題とかもあって大変だったんじゃない?

卒論が本当にやばくて(笑)提出は12月だったけど、ちゃんと日々進めなきゃいけないっていう気持ちがずっとあって、でも受験勉強もしなきゃいけない、っていう板挟みみたいな気持ちがすごくストレスで、すごく悲しい気持ちになったりしてた。

本気で卒論始めたのは受験終わってからだったから、本当に大変だった。でも無事に提出できてよかった!(笑)

単位は、3年までにほとんど取り終わってたから、ゼミ以外はもうなかった。日本語教員の課程も最初はやりたくて履修してたんだけど、看護師になりたいって思ってからはすぐにやめた。自分のやりたいことが決まってからは、それに費やす時間を増やさないといけないって思って、すぐやめたあとは、興味ある授業を1、2年生でめちゃめちゃとりまくったから、授業数は少なくてなんとかなったよ。

ーサークルも活発な感じがするけど?(実はこのインタビュー時、ののかさんはスキーの大会に向けた練習のため、スキー場に滞在していました)

サークルは4年で引退なの。毎年冬(12月〜3月)はずっとスキーしてて。もし試験に落ちてたら、また2月の試験を受けないといけないから、そうなると今年スキーできないって思って、それもあって頑張れたかも。

去年も3月までスキーやってた。やりたいことをやり切らないと、もやもやして集中できないから、去年も冬は最後までしっかりスキーしてた(笑)

 

人のことを笑顔にする看護師に

夢への熱い思い

ー今年は、コロナウイルスの感染拡大があって、改めて看護師の多忙さが目に見える時代だったけど、不安になったりしなかった?

今の看護師さんをみていると、毎日休む暇もなくて大変そうだなって思うけど、夢が変わることはなかった。行きたい進路が決まったあとに、看護助手のバイトをしてたの。そのなかで、自分がいることで笑顔になってくれたりとか安心してくれる患者さんを間近でみることができたから、それがすごい嬉しくて、大変な仕事だと思うけど、そういうふうに人と関わっていきたいなっていう気持ちの方が強くて、看護師の夢はぶれなかった。

笑顔なことだけじゃないときもあったし、私がバイトしているときに亡くなっちゃう患者さんもいたけど、生きている間にちょっとでもお話しして笑顔になってくれたら、バイトやっててよかったなって思えたりしたんだ。楽しいことばかりではないけど、頑張りたいなって思った。

▲看護助手のイメージ

ーこれからまた勉強、実習ってきつい日々があると思うけど、これからの抱負を教えてください!

やっぱり看護師は、お仕事を通じて、直接人のことを笑顔にできる仕事だと思うし、そんな看護をするためには気持ちだけでなく、知識や技術もすごく必要だと思う。だから、そういうものをしっかり身につけて、自分のなりたかった看護師になれるように頑張りたいです!

アドバイス

ー最後に、コロナの環境下で思うように大学生活を描けていない人たちへのメッセージやアドバイスをお願いします!

う〜ん、むずかしいよね。「やりたいこと全部やって自分の向き不向きを見つけると良いよ」って言いたいところだけど、今の時代そうも言えないもんね。難しいけど、ちょっとでも興味あるなって思った授業をとってみたりとか、興味のあることをできる範囲でやってみることは絶対に視野が広がるし、自分のやりたいこととか合わないなっていうことが見つかったりすると思うから、興味があることはやってみた方が良いなって思う。

あと、進路を決める上ですごいよかったなっていうのは、周りの人に自分がやりたいこととか興味を持っていることを話すこと私の周りはすごく背中を押してくれる人がいっぱいいて、自分のやりたいことって周りとは違うけど、変なことじゃないんだ、自信持っていいんだってそういうふうに思えることが多かったんだ。だから、周りにやりたいなって思ったことを話してみるのは良いと思う!

人と話すことを通して自分の考えがまとまることもあるし。今の1年生は友達づくりも大変だけど、大学の友達だけじゃなくて良いから、ちょっとでも自分のやりたいことを周りの人に話してみてほしい。

文系学科から看護学科への編入。とても勇気ある決断の裏側には、今までのたくさんの経験や友達・先生の支えが関わっていたのですね。

ののかさんが、病で暗くなった人々の心を灯し笑顔にする、素敵な看護師さんになる日を心待ちにしています。

writer: おなべ

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