【CA就活】航空業界の採用中止。「正解の選択」ではなく「選択を正解」に

留学

今回の先輩大図鑑は、明治大学国際日本学部に通う細田景子さんにインタビューをしました!

客室乗務員(以下、CA)の夢を叶えるため努力を続けてきた景子さん。しかし5月にANAとJALの2大航空会社が採用中止を発表。

悲嘆にくれる中、彼女はどのようにして前を向き、就職活動を終えたのか。話を聞く中で、彼女の前向きさの「キーワード」が見えてきました。

ー明治大学の国際日本学部というグローバルな環境にいたけれど、それはCAになるという夢があったから?

ううん、元々は留学がしたくてこの学部に入ったの。

大学受験の時も、国際系の学部を上から下まで受けたんだ。私は「どの学部でもいいから行きたい大学」を選ぶか、「やりたいことができる学部のある大学」を選ぶかの2種類が大学受験にはあると思っていて、私は後者だったんだよね。

英語が好きだったから、英語が伸ばせる学部がいいなと思ってたんだ。

だから大学選びではCAのことは考えていなかったよ。でもCA自体は中学生のころから憧れていて、なれればいいなあと漠然と思ってた。

CAになりたいと思ったきっかけ

ー中学生の頃にCAになりたいと思うようになったきっかけはある?

親が転勤族で、飛行機が身近な存在だったということかな。

幼少期に6回引っ越しをしたの。父親の都合での引っ越しだけど、新しい環境に飛び込むことが多くて、それが当たり前の環境だったんだ。

その中で、国内だけでなくて海外にも飛び込んでみたいと思うようになって、国際線のCAは海外に飛べるから素敵だなと思ってたよ。

 

ー「憧れ」から「目標」に変わった経緯は何かあるの?

大学生活を通してCAになりたいと思うようになったんだ。

私は1年間アメリカに留学をしていたんだけど、その経験から「日本の魅力を発信する仕事をしたい」と考えるようになったんだ。

それから3年生の時に日本に帰ってきて、就活をする中で色々な業界を見ていたんだけど、やっぱりCAというのはどこか頭の片隅にあって。

だから、留学の経験と就職活動を通して自分と見つめ合ったときにCAというのは具体的な目標になったんだ。

就職活動の流れ

ー留学をしていて、実際に就職活動はいつから始めたの?

アメリカから帰ってきてからだから、3年の6月からインターンを見始めたかな。

最初は本当に色々見てたよ。金融、生命保険、メーカー、旅行、不動産…本当にもう回りつくした。受けられるところは全部見たかな。

そこから1~2月まではSPIの対策と自己分析をやって、3月に人材会社の内定をもらってた。

▲留学中の様子

ー航空業界の就職活動は特殊だと思うけれど、たくさんの業界を受けたんだね。

うん。航空業界だけに絞ると後がなくなってしまうかもしれないから。

証明写真も面接も他の業界とは全然違うし、CAになるためにスクールに通う子だってたくさんいるから。

航空業界は他の業界と全く異なるものだから、「他の業界に視野を広げるため」と「自分の実力を試したい」という思いでたくさんの業界を見ていたの。

 

ー先を見据えた就活だったんだね。3月には内定が出ていたとのことだけど、就活の全体的な流れを教えて!

3年の6月から本格的に始めて、それまでは色々な業界を見てた。

12月にJALのインターンに参加することができて、それからはCAに的を絞り始めたかな。

3月には人材会社の内定をもらって、4月に大手日系日経IT企業(以下、IT企業)の最終面接があったんだけど、その時点ではJALに行きたい旨を伝えて内定は待ってもらってたんだ。

だから5月はJALとANAに向けて頑張ってたけど、結局ANAが5/14、JALが5/28に採用中止を発表して。

6月から始まる日系大手の選考は対策なんか全然してないから当然ダメで。

そこでIT企業にJALの採用中止が発表されたことを伝えて、最終的には7月に内定をもらってそのIT企業に就職することを決めたよ。

 

ー航空業界は何社ぐらい受けたの?

航空業界だけでいうと、ANA・JAL・地方の航空会社も含めて10社くらい受けたよ。

ANAとJALはそれぞれANA WINGSと、ジェイエアという国内線の子会社があって、そこのCAも応募してた。

私の第一志望はJALだったんだけど、国際線国内線に限らずCAになれるところの選考を受けていたよ。

それとグランドスタッフも受けていたよ!

▲JALの工場見学の様子

第一志望はJAL

ーJALが第一志望だったのはどうして?

私は学校のキャリアセンターでOG名簿を見たり、友達の紹介を通してJALとANA合わせて15人くらいにOG訪問をしたの。

もちろん説明会とかも全部行ったんだけど、それらを通してJALのほうが自分に向いているかもと思ったんだ。

一般的に「ANAはホテル、JALは旅館」と例えられているの。

ANAは機材が最新だったり、世界にネットワークを拡大し続けようとしている一方、JALは「日本初の民間航空会社」として伝統とおもてなしを大切にしているの。

テクノロジーでは劣るかもしれないけど、「心で勝負しよう」というところに惹かれたんだ。

最終的には、JALのインターンシップに呼んでもらったことで行きたいという気持ちが大きく芽生えたかな。

 

ーインターンに行けると、夢にも近づくもんね。スクールには通ってなかったとのことだけれど、就活はどのように進めていたの?

先輩や学校のキャリアセンター、OBOG訪問など様々なものを頼ったよ。そこで聞いた話をもとに色々な業界を見ることにしたしね。

JALノート、ANAノートとか、インターンまとめのノートも作ってた。エアラインに関する雑誌があるんだけど、そういうものをノートにまとめたりしてたんだ。

▲航空業界の就活で使っていたもの

自己分析は『絶対内定』という本を読んでやって、他己分析(※友人や先輩など、周りの人から自分を評価してもらい、客観的に自分を捉える方法)をやって…

本当に他の就活生徒と変わらないと思う!結構、自力だったよ。

 

証明写真にもお金をかけたんだ。最初は普通のボックスで撮って、そのあとスタジオで撮ってもらったの。

でもそれが正面を向いた写真だったんだよね。CAは斜めにとるのが主流だから、また別のスタジオで取り直して…。

 

メイクとか髪型、お辞儀の練習とかもしたよ。

これは笑い話なんだけど、インターンの面接で、最後のあいさつの時に私一人で挨拶をしながらお辞儀をしたのね。

でも周りのスクールに通っている子たちはあいさつした後にお辞儀をして綺麗にそろってるの!

私その時は知らなかったからさ、恥ずかしかった~(笑)

▲航空業界用の証明写真

航空業界の採用中止

ーそんな中での相次ぐ航空業界での採用中止。どんな心境だった?

5/14にANAの採用中止の連絡があって、そのときはコロナも拡大していたし、「そうだろうな」と思ったよ。

でも私が行きたいのはJALだったから、さほどダメージは無くて。

インターンにも参加していたし、その時点ではJALに向けて切り替えようという前向きな気持ちだった。

 

大本命のJALがダメになった時はもうなんていうのかな、本当に今までに感じたことのない喪失感。

ANAが中止した時点でJALは「絶対にやる」って言ってたから、JALの希望を持ちつつ就活してたけど結局6月の直前でダメになって。

2週間くらい何もやる気が起きないし、寝込んでずっと泣いてた。

最終的に、出したエントリーシート(ES)の結果が来ないまま終わったんだよね。不完全燃焼だったのが悔しい。

 

ー悔しい気持ちの中、就活は進められた?

「本当は航空に行きたい」という思いのまま金融やメーカー、ホテルなども同時に選考が進んでいたけど、気持ちがあんまり向いてなかったし行きたいとは思えなかった。

最終面接をして待ってもらっていた企業(就職先のIT企業)からもまったく連絡が来なくなってたから「もう無理かな」と思ってた。

そこでリクルーターと連絡を取って、再度選考に進めてもらえて、最終的には内定を頂けたの。

 

私の場合は、航空に絞りすぎていないのが幸いだったけど、周りにはJALの採用中止が出て1から始めている子もいたよ。

だからエントリーシートの準備とか、志望動機を考えたりするのも他の就活生よりも1段階遅れて始めていて大変だったと思う。

結局7月の終わりくらいまで就活をしていたかな。今年は例外的に内定出るのが遅いところが多かったけどね。

スクールに通っていなかったから周りの情報は全然ないのだけれど、インターンで知り合った人たちは、ホテル業界などのそれまで選考を進めていた企業に切り替えたみたい。

 

ーニュースを見ているだけで、同じ就活生としてつらかったよ。そんな喪失感の中、どのようにして切り替えたの?

私は友人や先輩、先生など本当に人に支えられていたの。

就活自体は大変だったし不完全で終わったから本当に悔しかった。

でもあの時は日系大手の面接が始まる6月1日に向けてみんな頑張ってるから周りにも言えなくて。

もし自分が相談したら足引っ張っちゃうなと思ったし、結構一人で抱え込んでた。

でも、「(採用中止の)ニュース見たよ」とか連絡くれる人もいたりして、すごく寄り添って話を聞いてもらってた。

すっごくきつかったけど、この就活を通して人に恵まれていること、人とのつながりの大切さに気づくことができたの。

そうやって寄り添ってくれる人への感謝を忘れないこと、辛かったら人に頼るというのが大切。この就活は私だけの力では乗り越えられなかったと思うから、周囲の人には本当に感謝してる。

 

ー実際に就活を終えて、今はどう考えてる?

最終的には納得いってる。内定先は、一般的にグローバルな企業と言われているし旅行系の事業も持っていて、ゼミ(観光系)の内容も活かせるから。

だから就職浪人も考えなかったんだ。航空業界はこのままの状況で来年も採用するかわからなかったし、内定をいただけたその会社が縁だと思って。

 

将来的には外資の航空業界にも興味があるんだ。例えばシンガポール航空とかエミレーツ航空、韓国のアシアナ航空とかね。

もしご縁と機会に恵まれたら今後外資のCAに転職するというのも選択肢だと思ってる。

もちろんそれをあてにして内定先で頑張らないというのは違うと思うから、内定先の会社でベストを尽くして、その上でCAをやりたいという気持ちがあればまた挑戦したいと思ってるよ。

だから諦めたわけではないの。ただ、まずは内定をいただいた企業で頑張るよ。

前向きでいるために

ー筆者から見て景子さんはいつも笑顔でポジティブな印象。そうあるために意識していることや、今回のような時の切り替え方はある?

もちろんネガティブになることはあるよ!でも私は人の縁を大切にしていて、一期一会がモットーなの。

今回の就活も独りでは絶対に乗り越えられなかったと思う。

JALやANAの採用中止で周囲の人に連絡もらって励ましてもらったりして、そのたびに独りじゃないと思えたから。

 

実はすごく感情が激しい人間なんだけど(笑)気持ちを留めたり自分でコントロールするのが苦手で、だから人に言えば解消したりする。

他のことに没頭したり、思い切り泣いたりして気持ちを外に出すことが切り替えにつながることもあるよ。

あとは、「正解探しじゃなくて正解作り」という言葉を大切にしているの。

選択に迷ってしまうときは、どちらが正しいかを考えるけど、どちらを選んでも自分の行動次第で正解にするというマインドが大切だと思って。

例えば今回でも、就職浪人をするか、内定先に就職をするかを考えたときに、私は後者を選んだけれど、その後の自分の努力次第でどうやって「これが正解だ」と言えるようにするかということを大事にしたいんだ。

▲留学中の様子

ー22卒以降は航空業界の就活も先行きが不透明で留学もできるかわからない状態。何かアドバイスをお願いします!

航空業界に行きたい人へのアドバイスとしては、航空業界は本当に特殊な業界だから、選択肢を絞りすぎないということかな。

一番は色々見て、本当に行きたいのかを確かめるのもそうだし、絞りすぎずに色々な道を作ること。

 

あとはよく言うことかもしれないけれど、色々なことに挑戦してみてほしい。

私は留学以外にもアルバイトやオープンキャンパスのスタッフの経験を通して、人に寄り添う仕事が素敵だなと思ったの。

オープンキャンパスでは、一人ひとりの悩みに対してアプローチを変えるということがCAのおもてなしにもつながると思ったし、アルバイトでは誰にでも同じ接客ではなくて一人ひとりに寄り添うことが得意だった。

だから全部つながっていて、アルバイトやインターンに限らず、英会話をするとか、新しいことを始めてみるというのが大切だなと思うよ。

コロナ禍での就職活動を乗り越えた景子さん。話をする中で彼女が何度も口にしてくれたのは「周囲への感謝」でした。

就職活動という孤独な戦いの中で彼女が結果を残すことができたのは、きっとそういった周囲へのおもいやりの精神があったからだと感じます。

航空業界に限らず、就活をしている人、これからする人にとって何かの「きっかけ」になれば幸いです。

今辛い人も、顔を上げてゆっくり周りを見渡してみれば新しく見えるものがあるかもしれません。

Writer:みやび

コメント

タイトルとURLをコピーしました