【ボランティア活動】岩手県でのボランティア──子どもたちの笑顔を通して学んだこと──

課外活動

今回の先輩大図鑑は、津田塾大学3年の林真裕子さんです。

被災地の子どもたちと交流をするボランティア活動に2年間参加している真裕子さん。実は入った当初は、やりたかったボランティア活動ではないと感じながら、悶々とした日々を送っていたそうです。

そんな彼女を変えたのは、ボランティアで出会った子どもたちでした。彼女は子どもたちとの交流を通してどのようなことを学び、成長してきたのでしょうか?

部活やサークル選びに悩んでいる方、国内ボランティアに興味がある方は必見です。

「僕らの夏休みProject」発足から10年

―真裕子ちゃんは大学1年生から学外での活動に積極的に取り組んでいるよね。具体的にはどんなことをしてきたの?

一般社団法人ことばが運営している「僕らの夏休みProject」という活動と「僕らの夏祭り」っていう活動に学生ボランティアとして参加させてもらっているんだ。このボランティアは、8月上旬の1週間程、岩手県の小学生の元に行って、一緒に夏休みを過ごす活動なの。5ヶ月間かけて準備した、色んな遊びやレクリエーションで子どもたちと交流するんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

▲みんなで作った巨大アート!トイレットペーパーの芯や緩衝材などの様々な画材と子どもたちのアイデアで素敵な作品が完成しました。

東日本大震災で辛い思いをしている子どもたちに何か楽しんでもらえることをしたい!って思いで2011年に始まったものなんだけど、10年目を迎える今では、20校近くの小学校に300人近い大学生で訪問させてもらってるんだ。

参加後の苦悩|「あれ?自分は何をしてるんだろう。

きっかけは姉と祖父。

―真裕子ちゃんは3年前からこの活動に参加し始めた訳だけど、きっかけは何だったの?

実は、私の姉が先にこの活動に参加してたんだ。

「大学のサークル」って形じゃなくて、色んな大学の人と目標に向かって頑張ってる(姉の)姿が凄く生き生きしてて、楽しそうだったんだ。

あと、祖父が地元の町おこしに凄く力を入れて取り組んでいたのを小さい頃から見てきたから、「地方活性化」「地方創生」にも興味があったの。(僕らの夏休みProjectの)Twitterにその単語を何度か見かけていて、それができるなら、なおさらいいな!って思って参加を決めたんだ。

迷走した最初の3ヶ月

―実際、入ってみてどうだった?

う〜ん。正直最初は迷走した(笑)「地方活性化」に凄く惹かれて入ったから、子どものことを全然考えていなかったんだよね。

僕らの夏休みProjectでは、月1で夢会議(全体研修)っていうボランティアの学生が一堂に集まって子どものことを考える時間が用意されているの。私が参加した時は、「子どもたちに届けたいものは?」というテーマで考える時間があって。岩手に出発する直前の会だったんだけど、そこでこれから交流する子どもたちについて、自分は何も考えていなかったことに気づいて…。本当にこの活動がやりたいのかが分からなくなってしまったんだ。

▲月1回の全体研修では「子と個を考える時間」と題して、子どもに関する様々なテーマについて考え、意見を交わし合います。

―所属している意味や意義を見失ってしまったんだね。

そう!「自分は何をしているんだろう。」「これは本当にやりたいことなのかな。」って、何度も思って、すごく悩んだんだ…。

でも、とりあえず行ってみよう!と思って、8月に岩手に行くことにしたの。

大学1年生の夏|「子どもたちが心から喜んでくれる姿をみて…」

―実際に岩手県の小学校に行ってみてどうだった?

実際に子どもたちと交流する中で「子どもたちにとっては遊びが全てなんだな」ってすごく感じた。

▲プールの時間!子どもたちが思いっきりそれぞれの楽しみ方で楽しんでくれて、歓声がずっと響いていました。

そして、私が「何のためにやっていたんだろう。」って悩んでいた答えは、すごくシンプルに、子どもたちが凄く楽しそうにしてくれていたり、本当に心から笑ってくれたりすることなんだなって気付けたの。

悩みながらもとりあえず行動してみた結果、「子どもたちと関わる」こと、それ自体に目的が見出せたんだね。

▲ことばの大学生有志でソーラン隊が結成されます。子どもたちや地域の方々も踊りに参加し、会場が一気に熱と一体感に包まれます。 

大学2年生の夏|参加者2人。オンラインの壁

―去年は新型コロナウイルスが蔓延して大変だったと思うんだけれど、実際どうだった?

去年は移動を自粛して、Zoom上でのオンライン交流をすることになったんだ。

5月ぐらいまでは、岩手県に行く予定で対面の企画が進んでたから、今年は、急転回でオンラインの企画を考えたんだよね。色んなものを参考にして新しく発案したり、対面でやるつもりだったものをオンラインでできるように変えたり…工夫してなんとかレクリエーションを完成させたよ。

だけど、デジタル格差なのかな?例年通り、小学校の先生を通じて各ご家庭に申し込みチラシを配布させてもらったんだけど、機材がないとか、そもそも「Zoom?なにそれ?」みたいな方がおそらく多くて…、去年はガクッと参加者が減ってしまったんだよね。

私のチームの場合でいうと、2人。しかも兄弟だったんだよね…。他のチームも3人ぐらい。例年は1つの小学校あたり40人の小学生が来てくれていたから、今年は全体的に凄く厳しかったみたい。「オンライン」「Zoom」は、これまでの僕らの夏休みProjectとは違ってハードルが高かったんだと思う。

▲絵しりとりの企画を練っている様子です。チーム分けをすると全体の統率が取れないなど、オンライン交流ならではの課題が多く見つかりました。

ー時間をかけて作った企画に全然人が集まらないって悲しいね…まだまだオンラインが普及していないことが浮き彫りになる結果になってしまった訳だけど、オンラインではどんな企画をしたの?

「ジャニーズJr.になろう!」っていうすごろくからヒントを得て作ったものなんだけど、将来のお仕事体験ができる「お仕事すごろく」っていうすごろくをしたよ。

いくつかのお仕事が体験できるすごろくを用意したんだけど、その中でも私は、新聞記者のすごろくを担当したの。新聞記者になるまでの過程やその後のキャリアを調べて、その仕事のことができる限り分かるようなすごろくを作ったよ。

▲「お仕事すごろく(新聞記者版)」の盤面です。画面共有でコマやサイコロを動かし、止まったマスのミッションに応えてもらいます。

あと、普通の説明マスだけだと面白くないから、クイズをつけたり、関連するミニゲームのマスを作ったりもした!

ーなるほど!すごろくを通して1つの仕事のことが深く知ることができるんだね!私もやってみたい(笑)「お仕事すごろく」は、遊びの中にも学びがある内容だなと思ったんだけど、レクリエーションを考える上で何か心掛けていることはある?

僕らの夏休みProjectのレクリエーションは基本的に「ただ楽しい!」で終わるんじゃなくて、その先に何か「あれってこうだったんじゃないかな?」っていう学びを得てもらえるように、遊びを作ってるかな。

「お仕事すごろく」の場合は、すごろくを通して色んな職業を知ってもらって、将来の選択肢を広げて欲しいと思って作ったよ。

ーなるほどね。楽しいの先の「学び」まで考えてレクリエーションを作ってるんだね。

そうだね。今年はオンラインで、方法は違ったけど、やってることは基本変わってないと思うんだ。僕夏のビジョン全ての子どもたちが夢と希望をもち、笑顔で過ごせる社会の実現」を達成するためのプロジェクトっていうのは常に意識してやってるかな。

▲お揃いの冠を作って記念撮影!形が変わっても夏休みの楽しい思い出を作ってもらえていたら嬉しいです。

子どもたちへの恩返し「自分らしく生きてもらえる」

ー最後に今後僕らの夏休みProjectで挑戦したいことを教えてください!

去年はオンライン上でイベントを開催できたけど、子どもたちに直接会えていないし、例年通り参加してもらえていないから、今年は、できたら対面で、大学1年生の時のように子どもたちと交流したい!

私は受験で失敗してから自分に自信が持てなかったんだけど、子どもたちが私を認めてくれたんだよね。だから今は、出会った子どもたちに恩返したいというか、同じように苦しまなくていいし、自分らしく、楽しく、生きてってもらえるような何かきっかけを残せたらなと思ってる。

▲子どもたちからたくさんメッセージを書いてもらいました!このTシャツは私の宝物です。

新たな一歩を踏み出すだけでも勇気がいることですが、続けるのはもっと大変なことだと思います。真裕子さんは、悩みながらも行動し続けた結果生まれた、多くの出会いや学びについて語って下さいました。

今は新入生含め、多くの人が新たな活動への一歩を踏み出そうとしている時期だと思います。この記事が新たな活動に踏み出そうとしている全ての人のきっかけとなり、挫折しそうになってもとりあえず行動してみる勇気を与えることができれば幸いです。

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