【就職活動】現役社長にインタビューして回る女子大生

国内インターン
今回の先輩大図鑑は慶應義塾大学法学部4年生の浅野早音さんにお話を伺いました!コロナ禍の就職活動を終えた彼女は、なんと現役社長にインタビューをして回っていました。その訪問件数はすでに30件を超えているようです(2021年10月 24日時点)。就職活動を通して、そして経営陣へのインタビュー活動を通して、彼女が見る世界とはどのようなものなのでしょうか。就職活動に悩める学生のみなさん、彼女の言葉の中にヒントがあるかもしれません!

現役社長インタビュー企画の立ち上げ

―浅野さんは、現在どのような活動をしているのですか?

いろんな業界の最前線で活躍している経営者、役員の方々にインタビューをして、人生選択やキャリア選択、現在の社会の動向、今後の就活生がどのように業界を見ていくべきなのかという話を聴いています。

 

―何がきっかけでその活動を?

きっかけは、今インターンをしている会社で連載企画の声をかけてもらったことです。「どんな記事を書ける?」って話になった時に、自分の1年間の就職活動をもとに、OB訪問日記とか学生側から見た就職活動について簡単にまとめて提出しました。それに対して社長さんが「浅野さんが女子大生のうちに『女子大生の社長インタビュー』やったらいいよ!」と言ってくれて、それを鵜呑みにした私は本気の企画書を書いたんです。その企画書が承諾されて、『女子大生の社長訪問日記』の連載が始まりました。

私は就職活動がめちゃめちゃ大変で、今までの人生で一番最悪な1年間だと思っているくらい。周りのみんなも苦労して、結構病んでいたのを知っていたから、その経験も活かして今就職活動頑張っている人、これから頑張る人の何か支えになることをしたいという想いもありました。

人生で一番最悪な1年間

小顔整体に通いたくなるほど

―最悪な1年間、、振り返ってみると何が特に大変でしたか?

インターンにしても本選考にしても、全編リモートになったのが大変でした。就活って、もともと何が評価されているのか学生からわからないものだと思いますが、リモートだと余計にそうな気がします。画面越しに相手に何が伝わって、何が評価されているのか、こちらからわからないんです。

割とみんな言っていることですが、就活を始める前は、私自分の大学だったらもうちょっと楽だと思っていました。でも実際は大学名じゃ勝負なんてできなくて、思っていたより全然大変で…。

顔しか見えないリモート面接・録画面接で落ちると、自分の顔面否定されたのかなって気がしてしまって…。今となっては笑い話ですが、私小顔整体通い始めちゃったくらいです(笑)

―小顔整体!?

はい(笑)本当にそのレベルで病んでました(笑)

 

―そうなんですね、でも確かに一人で長時間パソコンの前に座ってると気が滅入りますよね。

 

常に肯定してくれた周りの人

―浅野さんはどのようにして就職活動を乗り越えられたのですか?

私の場合は周りの人のおかげで乗り越えられました。私の親は基本的に全肯定主義で、私が本当に病んでるってわかったとき、何十回って電話してきてくれたんです。私その日、携帯が見れないバイトに1日中入っていて出られなかったのですが(笑)

 

―なんて言われたんですか?

今年ダメだったからって一生がダメになったと思う必要ないよ、そこまでこっちは重く受け止めてないから。うまくいかなかったら就浪(就活浪人)しても良いし、資格の勉強しても良いし、地元に帰ってきても良いから。」って言われました。心のどこかで、「親に恩返ししなきゃ」って思いつめていたところもあったので、それを聞いて精神的に結構楽になりました。

あとは、今インターンさせてもらっている会社の社長との出会いも大きかったです。初めてお会いした時は就活真っ只中で、「負のオーラがやばいよ」って言われました。うちの社長は「自己肯定感を下げるような発言をしたらだめ」っていつも言っている人で、褒めてくれることが多かった。

 

―周りの人が肯定してくれるって大事なことですね。

そうですね、自己肯定感が下がっていた時も、親と、社長さんを含め会社の人みんなが肯定してくれる人たちだったから。それは本当に大きなことでした。

現役社長インタビュー活動

インターン生として

―それにしても、色々な会社の経営者にインタビューするって緊張しませんか?

しますします。向こうからしたらインターン生に時間を割くのは利益の少ない話だっていうこともわかってます。貴重な時間を割いてもらっているからこそ、準備はしっかりするようにしています。事前にその業界について調べたり、ネット上にある過去の記事はなるべく全部に目を通したり…。

 

―準備も大変そうなのに、結構高頻度で記事を出されてますよね。

多い時では週3本出したこともありました。就活のモチベーションは、毎日マックスではいられないと思うので、私の記事を読んだときにモチベーションの充電になったらいいなと思って書いています。だからこそペースは週1以上を目標にしています。女子大生という肩書を使えるのはあと5か月くらいだけど、50人は突破したい…!

 

―週3はすごい… とても忙しそうですが、楽しさを感じることは?

学びがあるっていうことはもちろんそうですし、自分の記事をインタビュイーの方がシェアしてくれた時、コメントをもらえた時、他の経営者の方を紹介してもらえてつながりが広がっていく時はやりがいに感じます。自分の周りの経営者の方々にも、自分が受けたインタビューを見せてもいい!と認めてもらえたことだと思うから。

あと電車で私の記事を読んでいる人がいた時。私の全く知らない人にもちゃんと届いてたっていうのは本当に嬉しかった。

 

―電車の中に読者がいたっていうのはすごいですね!ちなみに今までどんな業界の人をインタビューしてこられたんですか?

業界はITが多いです。IT・エンジニア系、コンサル系が多くて、あとはマーケティング・広告業界、流通、人材、ゲーム業界、教育業界の方にもインタビューさせてもらいました。それから過去にすごいブラック企業で働いていた人にも話聞かせてもらいました。ブラック企業の現実とか見極め方とか。

『女子大生の社長訪問日記』を読んでみたい方はこちら

▲取材ノートの1ページ

溜まっていく言葉の宝庫

―特に印象に残ってるインタビューはありますか?

たくさんある…心に残っている言葉がたくさんあります…。

「人間性とは他人との差である」っていう言葉にはとても共感しました。何回失敗しても、挑戦しなかった人よりは絶対成長している、ということだと解釈しています。いろいろチャレンジしたこと、努力し続けたことが滲み出て、その人の人間性につながるんじゃないかなって思うんです。

それからまた別に、「人脈は貯金できる」というテーマで、本を書いた経営者の方もいらっしゃいました。損得勘定で動かないで、たくさん動ける時にいろんな人に感謝されるようなことをやっておく。その場では別に何か還ってこなくても、めぐりめぐっていつかは還ってくるから、それが人脈貯金だっておっしゃっていました。

 

―誰か人と一緒に何かしてきた人が多いのですね。

本当にそう、インタビューさせてもらった現役社長の方々って何回か転職している人たちが多いです。そしてその転職活動っていうのは、人を介してであって、エージェント介してではないことが多いんです。「この会社やめます、こういうことを将来やりたいと思っています」ってFacebookで発信したら、過去のクライアントや一緒にお仕事をした人たちから声がかかる。しっかり誰かの役に立ってつながりを築けていれば、引っ張ってくれる人は絶対にいる。だから最初の就職にこだわりすぎる必要はないと、今は思えています。

就活生の時には見えなかった世界、過去の自分に伝えたいこと

―いろんな人のお話を聞いていく中でご自身が変わったなって感じることはありますか?

見えていた世界が全然違うなって感じます。就活の時に自分が見ていた世界はすごく狭かったんだなって。

正直、最初に入った会社でその先の全てが決まってしまうと思っていたし、やっぱり大手に入るのが勝ちだと思っていました。でも就職活動を終えて、インターンとしていろんな業界の企業のトップの方々にお話を聞く中で、就活生が見ている会社のイメージと中身って結構違うと感じました。

有名な大手企業に入っても、希望通りの仕事・働き方ができるとは限らない。厳しいノルマに追われることになって辞めてしまったり、逆にダンボール剥きしか任せてもらえなくて辞めてしまったりということも。

就活エージェントってそこが儲かるようにできていて、そこに出てくる会社が必ずしも全てじゃないですからね。大々的に広告・募集を出していなくても、自分にあったインターンだって絶対ある。ベンチャーだと人のつながりで採用しているところも多くて、そういう意味ではどこで出会えるかわからない。

だからまずは、惑わされずに自分にあった働き方をわかった方が良いと思います。

あるインタビューで聴いたことでもあるのですが、「自分から行動できる人、向上心がある人、いろんなことに挑戦したいって思える人はベンチャーに向いている。一つの道のプロになりたい人は大手に向いている」って。どっちが良い悪いではなくて、どちらにしてもその選択を間違えると早めに辞めてしまうことになるし、ほぼ経験がないままに辞めてしまったら転職先もないってなると思うから。

 

―将来転職を考えている場合でも、1社目で自分にあった働き方ができるかどうかは大きな鍵になるということですね。

もし興味のある業界・企業があるのなら、可能であればインターンに挑戦するのが一番良いと思います。振り返って思うけれど、私も(就活当時)わかっていませんでした、出版業界・広告業界で働きたいって思っていたけど、ドラマの印象しかなかったから。憧れって思っているだけで、どうビジネスとして回っているのか、どうしてその仕事が世の中で必要なのか、これからどうなっていくのかとか、足を踏み入れてみないとわからないことばかりでした。

だからいわゆる「ガクチカ」で一番強いのは、留学したとか、体育会の経験ではなく、その業界のインターン経験だと思っています。業界のことをわかった上でES(エントリーシート)かけると、絶対、周りと差がつくから。

―就職活動を終えたからこその言葉ですね。1、2、3年生に届くといいな。

最後に

―今後こんな人になりたいとか目標とかってありますか?

この「女子大生の社長訪問日記」は私が始めた連載なのですが、私が卒業した後も続いて欲しいなって思っています。そしていつかはインタビューを受ける側になりたいです!

あとはこれからもずっといろんなことに挑戦できる、成長できる環境にいたいって思っています。

私の場合は勉強するのが好きなのですが、大学で勉強している会社法、M&Aとかも楽しそうで…。インターンを通して最近は「ドラマで見ていた憧れの世界」というイメージだけではなく、現実的に広告の魅力が少しわかってきたと思っています!だからこれからの人生は、同じ仕事をずっとやるというより、仕事においてもいろんなことに挑戦し続けていたいです。

 

―卒業後は連載は続けないのですか?

続けたい気持ちはやまやまだけど、女子大生じゃなくなってしまいますからね。学生目線をテーマにやってるので、、続けたらどうなるんですか、企画の名前(笑)社長さんには、私のお眼鏡に叶う人を後任として選んでねと言われているので、継いでくれる後輩募集してます(笑)

 

―最後に、後輩たちにメッセージをお願いします!

新卒で入る会社で人生全てが決まるわけじゃないから安心して欲しいです。

そして一年間就活だけをするんじゃなくて、いろんなところに出て行って、いろんな人に話を聞くと良いと思います。人のつながりででひょんなことから引っ張ってもらうってことも案外あって、私はこの目でそんな場面をたくさん見てきました。あと単純に、いろんな人と話ができる環境にいるのは息抜きにもなるし大切だと思います。

大変な時期だと思うけど、思いつめすぎないで、自分の心に嘘をつかない範囲で頑張ってください!社会人の方々とのつながりは他の学生より持っている方だと思うので、いつでも相談待ってます!

 

就職活動に関する様々な情報に溺れ、得体の知れない「圧」に押しつぶされそうになること、、就活生のみなさんには経験があるのではないでしょうか?筆者は浅野さんへのインタビューを通して、狭まっていた視野が少し広がった気がします。この記事がみなさんにとっても、一息つくきっかけとなりますように。

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