【課外活動】英語から広がった自分の世界ー英語スピーチの経験からジェンダー団体設立の挑戦へ

サークル活動

今回の先輩大図鑑は、津田塾大学英語英文学科3年のあこさんにインタビュー。 

あこさんは現在TESS(津田塾大学英語会)のスピーチセクションで活動する傍ら、今後ジェンダーの団体も立ち上げるそう。そして、スピーチとジェンダーには深い関係が…。 

英語が好きな人やジェンダー問題に関心のある人はもちろん、これから新しいことに挑戦したいと思っている人必見です!

自分の思いが言える英語に惹かれた

―そもそも、いつ頃から英語に興味を持ち始めたの?

多分、小学校低学年の頃に”The Sound of Music”っていう洋画を観たの。内容は理解出来なかったけど、とにかく日本語にない英語の音が楽しかったっていうことは覚えてる。

その後に、英語の言いたいことをはっきり言える感じもいいなって思ったの。私、臆病なところがあるから自分の思いを端的に伝えられるってすごいいいなって。

憧れを持ったスピーチ

スピーチを始めたきっかけ

―スピーチはいつ頃から始めたの?

中学までは英語を独学で勉強していたんだけど、中学生の時に英会話塾に通う子たちと出会ったの。その子たちは英語の発音や会話がめっちゃ流暢なのに、一方の私は英語らしい発音じゃなかったんだ。 

中学の音楽祭でスピーチコンテストっていう部門があって、それに誘われたのは英会話塾に通う子たちだったの。私も壇上に上がってみたいって思ったんだけど、スルーされてしまって…。スピーチに憧れを持ったまま高校生になったの。

高校は外国語学科に入学して英語の発音練習とかをし始めたら、英語で色々喋れるようになったんだ。その時に、担任の先生がスピーチをやらないかって誘われたの。

 

―そうだったんだね。当時から大会には出てたの?

大会はあるんだけど、高1の時は操り人形みたいにしか話せなかった。憧れのスピーチ大会に出られたと思ったけど、恥ずかしさから堂々と出来ずに評価されないこともあったから、挫折も味わった。

あと、大会に向けて毎日昼休みと放課後を使って原稿作成やALTと2人きりで練習もしていたから、常に楽しいことがあったかというとそうでもないかな。

▲初めて外部の大会に出場した高一のあこさん

気づいたらスピーチやってた

―TESS(津田塾大学英語会)は即決だったのかな?

いわゆる大学生っぽいサークルに入ろうと思ってバドミントンサークルに一瞬入ったんだけど、雰囲気が合わなくて辞めたんだ。

あと、スピーチは大学生になってまでやらなくてもいいかなって思ってた。でも、TESSの雰囲気がとても良かったから何度も体験入部に行くうちにどんどんワクワクしてきて。だから、入るぞって感じで入ったわけではなく、気づいたら入ってた。

 

―大会はどんなものがあるの?

校内大会や他の大学との練習試合みたいなものもあるし、一番大きいのはオープン大会っていう全国大会みたいなものかな。

▲TESSのメンバー

サークル×ジェンダー

あこさんは、これまでジェンダーに関するスピーチを執筆し、大会にも出場していたそう。なぜ、ジェンダーとスピーチが繋がったのでしょうか?

ジェンダーへの興味

―いつ頃からジェンダーに興味を持ち始めたのかな?

高2のスピーチの校内予選はレシテーション(暗記)だったの。その時の題材がエマ・ワトソンのジェンダーとフェミニズムのスピーチだったんだ。恥ずかしい話で、高2までの私はフェミニズムとかフェミニストっていうものが分からなくて、はっきりとしたイメージも思いつかなかったの。

でも、レシテーションって自分の気持ちも入れながら読まないと朗読するだけになってしまうから、ちゃんと意味を理解して感情移入しながら読もうと思ったんだ。そこから頑張って訳しているうちにフェミニズムがどういうものか分かってきて、自分の身近にも関連することがあるなとか、日本ってジェンダー問題深いよなって考えていたらジェンダー問題に興味を持ったの。

自分の発信したいこと・社会に変わってほしいことをテーマに

―女子大を選んだのはジェンダーへの興味と関連しているのかな?

津田塾を選んだのは英語を一生懸命勉強出来るっていう理由だったんだけど、女子しかいない空間は初めてだったんだ。

どうしても異性の目があると性別の役割みたいなものが出てきてしまうと思う。でも、女子大は役割に囚われることなく、自分らしくやりたいことをできる場所なんじゃないかって気づいて、改めてジェンダー問題って深いなとか自分の身の回りにもあるなって感じたの。その気づきがきっかけで1年生の時に女子力をテーマにスピーチを書いたんだ。

 

―女子力のスピーチを披露して周りはどんな反応だった?

校内試合とか練習試合でたくさん賞をもらうことが出来て、正直調子に乗ってた(笑)周りが女子大の子だと、「あこちゃんのスピーチめっちゃいい」、「ジェンダーってこういうことだよね」って賛同してくれたの。結果も収めているし、まあまあ良いかなって思って2年生になって同じテーマのスピーチで全国大会に応募したんだ。そしたら、挫折を味わうことになって…。

特に男性審査員には内容に対して「そんなの嘘じゃん」、「盛りすぎだよ」、「そうはいっても女子力って君たち楽しんでるでしょ」って感じで言われて。ジェンダー問題とか男女平等って言葉こそ出回っているけど、根本的なアイデアや考えは意外と浸透していない・理解してもらえていないんだなって思って、2年生の頃は悔しい思いをたくさんした。

 

―なかなか響かない人もいるんだね…。

それこそ女の子たちは「本当にそう思う、女子力って面倒くさいよね」って共感してくれたり、「女子力という言葉の見方に気づかせてくれてありがとう」って言ってくれたの。 

スピーチの中に、「こういう行動をしたら女子力がないっていう規範に当てはめられてしまうんだという新たな考えが広まってしまうから、女子力という言葉を使わないでください、他人にあなたの価値観の押し付けをしないでください」というメッセージを入れていたの。 前向きに聞いてくださった審査員の方からは「自分が他人を指摘することによって新たな呪いというか負の連鎖が出来るなんて考えたこともなかったから気づかせてくれてありがとう。」みたいな感じで言われたこともあったかな。 

でも、印象的だったのは男性審査員が多い大会で勝てなかったこと。女性審査員や若い審査員がいる大会では、評価されて賞ももらえたんだけど、男性審査員や社会人が多い大会になった瞬間に全く賞がもらえなくなったんだ。そこで、男女平等って受け入れられないんだなって思った。もちろん結果だけが全てじゃないとは分かっていたけど、男女平等の実現って難しいのかなってショックを受けたな。

 

―ジェンダーのスピーチから学んだことは何かな? 

自分に関しては、男女平等って何だろうって考える機会は多くなったかな。それまでフェミニズムの意味さえ知らなかった・ジェンダーの本も絶対に手に取らなかったであろう私が自ら関連の本を手に取るようになったっていう成長はあるかもしれない。あとは、同じ関心を持っている子とも意見交換をするようになった。

▲六大学英語弁論大会で2位を受賞した時。
スピーチタイトル:「Girl’s Behavior-An Unconscious Vicious Circle
(無意識に呪いをかける「女子力」という言葉)

ジェンダーの団体設立―どっちの性も認め合える社会づくり

ジェンダーに関心のあるあこさんは、なんと今後ジェンダーの団体を立ち上げるそう。その設立のきっかけや構想とは何なのでしょうか?

―設立のきっかけは何だったの?

オリンピックの女性差別発言の問題が起こった時に、Twitterで#GenderEqualityとか#DontBeSilentっていうハッシュタグが流行ってたの。

その時に私もハッシュタグをつけて、「女性の活躍だけを望んでいるんじゃなくて男女のバランスを5:5にするまでは女性を支援している、ただそれだけの話だよ」とか、「みんなで幸せになりたいと願っているならあなたもフェミニストだよ」みたいなことをツイートしていたら、同じようにジェンダー問題に関心のある同級生が声を掛けてくれたの。

 

―なるほど!団体の方向性は決まっているのかな?

私もその子から色々学んでまた考えが変わってきたけど、男性が女性がってどっちかの性別を主語にしていたら状況が変わらないだろうから、自然とどっちの性も認め合えるような社会づくりをしたいねって話してる。

昔の私みたいに、機会がなければジェンダーの本なんて手に取ろうとも思わなかったし、フェミニズム・フェミニストって聞いて自分も関係ないって思う人はいると思う。でも、みんな幸せになろうって言ってるんだからみんなに関係があることなんだよっていうメッセージを伝えたい。

 

―もう動き出してるの?

2月に始動したばかりのまだ小さな団体だけど、メンバーも少しずつ増えてきているよ。私たちの長期目標としては、ジェンダーフリーっていう選択肢を広めていきたい。それで短期目標としては、ジェンダーの話題を気軽に情報として知ってもらう、考えや悩みを共有できる場所を作るっていうことかな。

 

―活動内容の構想はある?

この前はみんなで広告を見ながらここがいいよね、こういう観点があるといいよねってディスカッションしあったり、コラムを読んで意見を出し合ったりしたよ。

あとは、ディズニー映画のプリンセスはジェンダーに囚われているっていうからそれらを観て、近年ではエルサやムーランとか強い女性キャラクターが出てきているからそれはジェンダーの移行だよねとかって分析したり。

これからは、本を読んだり自分が興味あるものをまとめて共有したり、とりあえずは勉強をしてまとまってきたら外部に対してこういう考え方もあるんですよって何か記事として発信出来たらなって思ってる。

押しつけがましいとかじゃなくて、共感しやすいような、みんなが当事者なんだよっていうのを自然と伝えられる団体にしたいっていうのがみんなで持っているビジョンかな。

▲団体のロゴ

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最後に

周りの人に「色々なことやってて凄いね」って言われることがあるんだけど、私的には自分の興味に向かって進んでいたらここまで来たって感じなんだ。やらない後悔よりやって後悔する方がいいって言うよね。本当にその通りだと思うけど、なんで興味があるのにやらないんだろうと思う。煽ってるとかじゃなくて、興味があるんだから絶対楽しいじゃん。

違ったら辞めればいいだけで、私もこれ面白そうと思って飛び込んだサークルが全然想像と違ったらすぐに辞めてきたし、逆にスピーチは案の定ハマりまくったし後先のことをそんな難しく考えすぎずに、やりたいことがあればすぐに始めたらいいんじゃないかな。もう既にその界隈にいる人にとって新しく興味を持ってくれる人はウェルカムだと思うから、思っているよりも参加・挑戦するハードルって高くないと思う。

同じ興味を持っている仲間が増えたら元々いるメンバーも嬉しいし、一緒にやる仲間って大事でモチベーションも保てる。同じ時間を共有できることも楽しいし素敵なことだから、やりたいことがあるならすぐに飛び込んでいいのかなって思う。

いかがだったでしょうか?

インタビューの中であこさんの自身の興味への探求心や熱い思いを感じることが出来ました。

読者のみなさんも、あこさんのように試しに飛び込んでみたら新しい世界に出会えるかもしれません。

このインタビューがみなさんにとって、一歩を踏み出す手がかりとなりますように。

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