【IBP留学】勉強も遊びも充実した留学生活—コロナ禍のイギリス留学—

留学

今回の先輩大図鑑では、梨奈さん(以下、りな)のイギリス留学生活について紹介します。梨奈さんは、現在津田塾大学国際関係学科に所属し、国際協力ゼミと朝鮮半島研究ゼミに所属しています。研究分野は在日コリアンの権利について。

卒業後の進路決定や、現在の研究テーマに至るまで紆余曲折があったようですが、なかでも留学生活は欠かせない経験だと語ります。

留学時期は2019年9月から2020年7月。場所はイギリス・ロンドンのウエストミンスター大学。IBP留学という特殊な留学形態なんだとか!?

留学を終えた梨奈さんの経験について、長く交友関係がある筆者がインタビュアーとなり聞いてみました。

留学のきっかけ

留学へのモチベーション

ーりなは、大学に入ってからずっと留学への思いが強い印象だったんだけど、実際いつから留学したいっていう思いがあったの?

高校1年生のときだね。2週間オーストラリアにホームステイして、机上で勉強してきた英語と、実用的な英語との大きなギャップを感じたんだよね。そのときからもっと実用的に英語を使えるようになりたい、実用的に英語を使える環境に身を置きたいって思うようになった。

それと、割と小さい頃から、海外が実際どのようなものかをこの目でみてみたいっていう好奇心があった。小学1年生のころから英会話を親に始めさせてもらっていて、そこからアメリカの文化に触れるようになって、実際どうなっているか見てみたいって思ってた。幼い頃からずっと、ディズニーチャンネルとかハイスクールミュージカル、ゴシップガールズ、glee(アメリカで製作された連続ドラマ)などでみてきたから、日本との違いをすごく感じていて、いつか生でみたいなって。中学・高校のときは忙しかったから、大学になったら絶対留学してやろうと思ってた。

国・地域選び

ーりなは、パワフルさというか、エネルギッシュさというか、そういう性格からアメリカとかオーストラリアを留学先にするのかな?っていう勝手なイメージがあったんだけど、イギリスに決めたのはどうして?

私をよく知る人からは、「アメリカじゃないの?」とかよく言われたし、今でも言われる(笑)小さい頃から英会話をしたり、アメリカ人をホームステイとして迎えたり、ディズニーチャンネルみたり、実際にアメリカに行ったりした経験から影響を受けて、自分自身も「アメリカみたいにダイナミックに生きよう」って思って生きてきたから、そうやって言ってくる人がいるのかなって思う。

でも大学に入って、そういう考え方に疑問を抱いたんだ。大学に入って、国際政治とかを勉強していると、自分のなかで「アメリカ第一主義」「世界=アメリカ」みたいな感じで、アメリカしかみえてなかったなっていうのに気づいたんだ。それで、このままでは視野が狭すぎるって思った。だから、もっと視野を広げていこうって思ってさまざまな選択肢をみるようになったんだよね。

それと、アメリカでの生活って結構予想ついちゃってたのね。結構アメリカに留学している友達もいたから。その一方で、ヨーロッパに留学している自分って想像つかないなって思って、そっちの方が面白いって思ってヨーロッパ行きを決めた!

あとはヨーロッパ地域の言語は話せないものばかりだったから、言語的な理由でイギリスに決めたよ。

大学選び

ー国は決まっても、イギリスにはたくさんの大学があるよね。どうやってウエストミンスター大学に辿り着いたの?

大学でアメリカだけが世界じゃないって気づいたときに、遠いところだけじゃなくて、近いところをみようと思ったんだよね。それからまずは、以前からニュースでよく話題になっていた韓国をみるようになった。

以前から結構日韓の政治的問題があることを知ってはいたけど、メディア統制とかtwitterの誹謗中傷とか、メディアが草の根で日韓関係を悪化させてるんじゃないかと思ってメディアに興味をもったの。

そのような興味関心と、留学するなら何か新しいことを学びたいっていう気持ちもあったから、マスコミとかジャーナリズムが学べるところに行こうってなって、2年生の夏休みくらいにマンチェスターの大学、オックスフォードの大学、ロンドンの大学っていう選択肢を留学エージェントから教えてもらったんだ。

※同じく、留学エージェントを使ってアメリカに語学留学した経験談はこちら

あとは、イギリスに留学してた友達に、「イギリスは天気が悪いから絶対南の方に行ったほうが良い」って言われて、オックスフォードかロンドンに行こうってなった。最終的には、成績的にもウェストミンスターが一番適切かなって思ってロンドンにあるウエストミンスター大学に決めたよ(結果的に、ロンドンでも天気が悪くて、太陽のありがたさを心底理解して帰ってきました)。

ー国と大学が決まったりなさん、次は奨学金に悩みながら、留学形態を決めていきました!

 

留学の形態

IBP留学?

ー留学の形態って色々あると思うんだけど、そのなかでもりながIBP留学(?)を選んだのはどうして?

はじめは、先輩たちが挑戦してたトビタテ留学JAPANに自分も挑戦したいと思って、挑戦することにした。過信してたけど、自分の留学プランは明確だし、通ると思ってた。でも、結果的には2次面接でめっためたにやられて、落ちたの。で、完全に奨学金がない状態で留学するしかないかもしれないっていう状況に追い込まれて、留学を1年延期することまで考えた。

でも、4年生の留学は就職活動への負担が大きいと考えて、再検討しはじめたの。そしたら、IBP留学とその奨学金制度を見つけて、これしかない、挑戦してみようって思った。それで通って、少額だけど奨学金をいただけることになった。IBPは、大学やインターンの企業を固定しているんだけど、そのなかにウエストミンスター大学も含まれていたんだ。留学と海外インターンがパッケージになっている感じ。授業は好きなようにとって大丈夫。

海外インターン

ーりなってガツガツ勉強して、あまりビジネスって感じはしていなかったけど、インターンではどんなことをしたの?

学術的なこととして国際政治を学ぶことには本当に関心があって、今までやってきて良かったと思う。一方で、海外で働くっていう憧れもあった。けれど、それらを社会人としてどのように結びつけて実践に活かしていけばいいかわからなかったから、ビジネスにも触れられるし、インターンもできるIBPは自分にとって好条件だった。

実際、ヨーロッパで活躍しているリスクマネジメント系の日系コンサルティング会社に入ってオンラインだけど、ちょっと作業をさせてもらいました。具体的には、自分で関心のあるリスクについてリサーチさせていただいたよ。テーマは「日本のグローバル人材育成について」。実際にドイツ駐在日系企業にアンケート調査を行って、プレゼンテーションさせてもらった。

現地に行く前には、インターンをすることだけが決められていて、行った先で現地のエージェントと相談して決まったの。留学後期からインターンシップの選考が始まっていったんだよね。授業と並行して。今回はコロナが直撃したときだったから予定どおりには決まらなかったんだけど。

 

ー授業を受けながらのインターンは大変じゃなかった?

インターンは、大学の後期(1月~5月)が終わった後にスタートだから、同時進行ではなかったんだよね。毎週1回タスクを確認される状態で、タイムマネジメントが自由にできたし、インターンの時期までは週1でビジネスセミナーがIBPのカリキュラムとしてあったから、人脈広げたり、業界研究したり、企業訪問もさせてもらってとても良い経験になった。就活と留学が一緒になった感じ。さらに、IBP生として、就活相談とかOBOGとつながることもできるから、個人的にはとても心強くて感謝してる。

 

大変だったこと

留学準備

ーよく留学準備は大変って聞くけど、具体的にどんなことが大変なの?

私の場合は、大きく2つあって、1つはビザの取得、もう1つはIELTSのスコア取得だった。ビザに関しては、IBPに決まったのが5月とかだったから、そこからいろんな準備をしてたんだけど、イギリス側からなかなか通知がこないとか、6月末までやることが進まないとかあって。

IELTSに関しては、勉強してたけど、ライティングのスコアがどうしても上がらなくて。学校の授業・課題をやりながら、先生にみてもらったりもしてたんだけど、半分埒があかないって思ってた。他のこともやりたくて、たくさんは勉強する時間が取れなかったし(反省)。結局合計3回くらい受けたのかな。他のリスニングとかリーディングとかで引っ張ったけど、オーバーオール6.0しかいかなかった。大学1,2年生で勉強してたけど自分の身の丈を思い知らされたな。

留学中

ー留学中はどんなことが大変だった?

日本人同士の人間関係で結構悩んだかな。IBP生は14人いたんだけど、仲を保つのが難しかった。後期になってインターンシップ準備をしだすと、人気企業の受け入れ枠を争うとかで多少ギスギスもあったみたいだし。あの子どこいくんだろうとかから始まって、受験とかでおきそうなせめぎ合いみたいになっちゃって。

あとは就活と留学が密接に関連してるから、IBPのカリキュラム以外の留学生同士の取り組みに関して良い意味でも、悪い意味でもお互いがアンテナを張っていて、自分は息苦しさを感じることもあったかな。これは本当に派遣される年によって違うみたいだし、そんなことあるなんて思ってなかったし、一概には言えないけどね(笑)

 

素晴らしい経験

ー色々あったみたいだけど、全体としてはすごく充実した留学生活を送っているように感じていたよ。印象的な思い出はある?

1月から日本人以外の人とかなり仲が深まったっていうのもあって、2月の末、イタリアの人とスペインの人とイタリア旅行に行ったのね。イタリアでの滞在中にコロナが国内で広まり始めた時期だったんだけど・・・(旅行中に雰囲気が激変したのを実感)。3泊4日で旅行できたのは本当に楽しかったね。イタリアの子の実家に寄らせてもらってお母さんの手料理をご馳走してもらったり、同級生と会って友だちになったり、現地民のおすすめを聞いたりして。イタリア人にイタリアの案内をしてもらうのは本当に贅沢な経験だった。

 ▲フィレンツェにて。イタリア人、スペイン人のフラットメイトと共に旅行

あと、イギリスはパブだし、安いし、かなりお酒は飲んだね。アジア人と西洋人は本当に飲むスピードがちがって驚いた。

勉強も、遊びもちゃんとした1年だったよ。もちろん留学に行く前は、行くからにはしっかり勉強しようっていうのはあったよ。でも、他の留学生とかと一緒に馬鹿騒ぎするっていうのは二度と戻ってこないから楽しもうっていう思いも念頭にあって、最高に楽しめた。

▲日本ラグビーW杯をパブにて鑑賞

 

不安との闘い

コロナウイルスの感染拡大

ー留学中にコロナが襲ってきたよね。相当大変そうだったの覚えてる。

うん、ほんと。2月末に大学から日本に帰ってこいって言われたり、とても仲良くしていたイタリア人が帰らなきゃいけなくなって、そのイタリア人がいなくなることへの不安があったりした。

日本政府や大使館からも警戒レベルが上がっていく通知が毎日来て、アジア人差別とかも若干あったからその不安もあった。あと、IBP以外の奨学金も2つもらってたから、奨学金需給先とのやりとりが大変だった。

イギリスのニュースも日本のニュースも同時にいろんなことを追わなきゃいけないし、書類を提出しなさいとか誓約書を書きなさいとか、もうずっと追っかけなきゃいけなくて。

それでこういう不安をしゃべれる友達もあまりいなかったし、辛かった。吐き出したいことが吐き出せないまま日々情報を追っかけてるみたいな感じで。かなり精神的な負担が大きかった。

アドバイス

ー2020年夏、無事に帰国したりなさん、これから留学したいと考える人にアドバイスはある?特にコロナが流行している時代の留学についてどう思う?

私はあまり上手くできる人間ではなかったけど、語学だったらいくらでも日本で鍛えられる時代、それでも留学は学生のうちにしかできない貴重な経験として見られているよね。留学において、これまでも留学保険選びや経済的な負担は検討必須項目だったけど、それに加えて、今は感染対策、医療制度まで考慮する必要が出てきてる。ワクチンが開発されたとはいえ、現地への渡航が大きな危険を伴うことは自明。こんな状況だから、奨学金という制度を使うチャンスはほぼ皆無になってしまったよね。

これらのさまざまな障壁をクリアして、それでも留学への熱意が冷めないなら行く価値はあると思う。私はロックダウン中のロンドンにいたけど、現地に滞在する多国籍の人々の振る舞い、彼らのマスクに対する価値観(マスクに対する抵抗感の根深さ)、英国政府が検討している事柄、それらの日本との違いを身をもって感じることができた。コロナ禍で渡航することで、学生であるうちに渡航することで、もし、自分の将来のビジョンに関する何かヒントを得られるなら、あるいは、自分の将来のために必要な手段であるなら、留学する価値はまだ残っていると思うよ

そんな人には是非諦めないで欲しい。

 

まだまだ新型コロナウイルスに翻弄される時代を生きる私たちですが、自分のやりたいことは何か、じっくり自分を見つめるための大事な時間になると思います。

りなさんも言うように、コロナ禍でたくさんの制約があり、危険が伴う中、自分のやりたいことを貫き通すのは難しいことです。自分の将来に何が必要なのか、考える時間をつくってみると良いかもしれません!

ただ、誰にも先がわからない時代。諦めない気持ちも大事ですが、コロナ禍の留学には精神的負担、予期できない危機などさまざまな困難が伴います。周りの人などと相談しながら、冷静に状況を見極めましょう。

留学を志すみなさんが、安全に渡航し、かけがえのない経験ができることを願っています。

writer:おなべ

 

 

 

 

 

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