今回の先輩大図鑑は、中央大学に通う鈴木美緒奈さん。大学4年次を休学し、9カ月間アメリカインディアナ州にて語学留学を経験した彼女に、留学前後と留学中の心境の変化について赤裸々に語ってもらいました。
また、バスケが大好きで留学前は中高でバスケを教えていた彼女。語学力向上に加え、留学を通して新たな視点からスポーツの面白さを発見されたようです!
語学留学を考えている学生さん、また将来に対して漠然とした不安を抱えている学生の皆さんにとって多くのヒントが隠されている記事になっています!要必見。
留学前
変化を求めて
―何がきっかけで留学に興味を持ったのですか?
ざっくりいうと自分の今までの生活に変化を求めて留学したいなって考えるようになった。3年生の後半ごろから少しずつ就職活動を意識するようになって、「特にしたいことも見つけられないまま何となく周りと同じように就活して働き始める」ことになんか納得いかない自分がいたの。このまま特に刺激や大きな挑戦をすることもなく大学生活終えるのか、って考えたときに何かその流れに変化をもたらすことがしたいなって思った。それで考えたのが留学だったかな。
短期で高校時代に留学したことがある、とかそういうわけじゃないけど、もともと英語を勉強するのが好きだったし、英語話せるようになったらかっこいいなって。今まで「英語が好き」っていう感情に対して特にアクションを起こせていなかったから、これを機に留学に挑戦してみようって決めたんだ。母親に相談した時に母親がすごく応援してくれて、だからこそ留学を決意してからは、とんとん拍子で話を進められて準備に移行できたよ。
留学準備
―どういう基準で留学先の大学を選んだのですか?
留学先を選ぶ前にまずは、どの留学エージェントを介して留学するか選択したよ。結果として私はJSAFというエージェントを選んだのだけど、選んだ基準としては安心感っていうところかな。言い換えると、JSAFは私が通っている大学で定期的に留学希望者向けに相談会を開催していて、大学が認めている会社なら信頼できるなって考えたんだ。あとは留学先を選ぶとき、
・日本人学生が少ないところ
・バスケットボールが有名なところ
という二つの条件を出して、エージェントの人にそれに当てはまる学校を2校提示してもらったよ。語学を学ぶ際は日本人が少ないほうが、英語で話すことにより集中できると思ったのと、もともとバスケだ大好きで、留学先でも何らかの形でバスケができたらいいなって考えてたからかな。それでその2校のうち最終的には、立地の良さでIUPUI(Indiana University Purdue University Indianapolis)に付属する語学学校(以下PIE)に決めたんだ。
▲現地でバスケを楽しむ様子
留学を3年生の10月ごろに決意し、着実に準備を進めたみおなさん。続いては、渡米前の心境について伺ってみました。
―留学するにあたって何か不安要素はありましたか?
不安かあ、、、渡米に向けてってことなら正直あんまりなかったかも。現地に行っても、はじめは言語の壁で苦労するだろうなっても分かっていたけど、だからこそめげずに頑張ろうって前向きな気持ちだったかな。9カ月って限られた時間を目一杯楽しむぞってワクワクしてた。単語帳や英語教材の本を買ったりもして、少し勉強面も準備してたかな。あとは、不安に入るか分からないけど、留学は多額の費用がかかるわけじゃん?だからその金額に見合う経験とか成果を身につけなきゃなっていうプレッシャーは感じていたかな。
留学中
悔しさをばねに
2019年6月、いざ渡米。続いては、実際に留学してみてどのような苦労があり、それをどう乗り越えてきたのか、そして彼女を支えた人々との心温まるエピソードについて伺ってみました。
―6月から翌年3月まで留学していたと思いますが、気持ちやモチベーションはどのように変化していきましたか?
一番落ち込んだのも、一番大変だったのも両方留学を始めたばかりの6月かな。留学前から分かってはいたけど、自分の語学力がまだまだ不十分で、授業を受けていてもクラスで一人、何も分からない状況だったんだよね。みんなバンバン発言していく中で、自分は何もできなくて、孤独感や疎外感というよりかは、とにかく悔しいって思いをした。
そんな時に、9カ月っていう短い時間を帰国後に振り返った時のことをたくさん想像した。帰国後の自分の理想像を改めて考えたときに、悔しんだり悩んでる時間がもったいないって思って、無理にでも気持ちを切り替えてまた頑張ろうって思うようにしてたよ。そうやって月日が経つうちに授業にも慣れて、どんどん友達も増えていって自然に英語力も伸びていったの。長く過ごすとみんなとの距離も縮まったし、プライベートが充実したからこそ、英語にも身が入ったんだと思う。
時間はかかったかもしれないけど、最後の3月には6月の自分では想像がつかないくらい発言も積極的にしていて、放課後も英語で友達とおしゃべりをすることを楽しめていたよ。だから、気持ちやモチベーションをあえてグラフで示すなら、ずっと右肩上がりになるな。
▲愛に溢れるホストファミリー
留学中の悔しかったことについて、その乗り越え方も含めもう少し掘り下げて話を伺ってみました。
ー留学中、何が一番悔しいと感じましたか?
悔しかったことは本当にめちゃめちゃあるから、一番を決めるのは難しい。英語は話さなきゃ上達しない、授業で分かんない箇所は質問しなくちゃ次に進めない、ってずっと頭では分かっているし次こそは行動しよう、発言しようって考えているにも関わらず、なかなか実行に移せない自分がいてそれがもどかしく悔しかった。なんでうまくいかないんだろう、とか考えて自分を責める日もあった。
ー何か自分の気持ちを整理するために工夫していたことはありましたか?
私は留学中日記をつけていたのね。その日あったこととか、反省点とかその時の感情とか色々自由にを記録してた。それで、日記を書いていてもはじめはネガティブなことばっかり書いてしまっていたのだけど、マイナスなことばっかり書いてても悲しくなるだけじゃん!って気づいてからは、ポジティブな言葉をもっと書くようにした。日記を通して自分を鼓舞していたというか。次はもっとこうしてみよう!とか、自分の課題点と向き合いながらも、あくまでポジティブに次の日からの自分に自分でエールを送っていた感じかな。
日記ってその時の感情をいつでも振り替えられるからすごくいい記録方法だと思う。留学中も日記を見返しながら、留学初期の気持ちを思い出して、わたし数ヶ月でこんなに成長できたんじゃんって自己肯定感を高めることにもつながったかな。
周りのサポート
ーどのようにその悔しさや落ち込みを乗り越えてきましたか?
~PIEの先生の存在~
悔しさや落ち込みを乗り越えた方法としては、PIEの先生やホストファミリーの支えが大分大きいかな。PIEの先生は自分のことを本当によく理解してくれていて、授業外でも勉強面やその他の生活面のことも親身になって話を聞いてくれたの。ある時、授業についていくのがしんどいなって感じていた時に、下のレベルのクラスに入れてほしいと頼んだことがあった。そしたらPIEの先生が「みおなならこのレベルで十分やっていけるから、自信もっていいよ!」って背中を押してくれたことがあったんだ。そのあとも気にかけてくれて、その時々の状況とか悩みとか気兼ねなく話せる環境を提供してくれたんだよ。大変な時期も楽しい時期もPIEの先生方と過ごすことで、精神的にとても支えられた。だからこそ、私の留学生活はPIEの先生抜きでは語れないなっていま改めて思うよ。
▲PIEハロウィンパーティの様子
~ホストファミリーの支え~
次はホストファミリーについて。私のホストファミリーは大家族で、子供が10人もいる大家族の家庭だったんだよ。実際ステイ中に一緒に生活していたのは5人の子供たちとその両親の7人だったんだけど、みんな仲が良くてすごく暖かい家庭だった。私もそんな家族の一員としてみんなが接してくれて、落ち込んで帰った日も口数の少ない私に「今日はどうだった?」っていつでも話しかけてくれたの。どんなにネガティブな感情を話しても、返ってくる言葉はいつだってポジティブなものばかりで、それがすごく支えになっていたな。クラスではなかなか話す気になれなかった日でも、おうちに帰るともっと自然体になって話す気になれたりしたよ。
とにかく暖かくて愛があふれた家族の一員として過ごすうちに、精神的に支えられただけじゃなくて、家族っていいなって心の底から感じられた。だから私も、帰国したらちゃんと感謝の気持ちを家族に伝えたいって思えるようになったよ。
▲PIEの先生が開いてくれた送別会の様子
バスケ×リフレッシュ
ー留学中の息抜きはどのようにしていましたか?
息抜きや気持ちの切り替えのために、私はアメリカでもたくさんバスケをプレーした。もともとバスケが大好きで留学前もプレーしたり、中学生や高校生のバスケコーチを務めたりしていたんだけど、留学してスポーツっていいなって改めて考えるようになった。
アメリカに到着して数日後にホストファミリーに無料で通えるジムを紹介してもらったの。それで、留学中は週三回くらいそこに通ってバスケやトレーニングを一人でしてたのね。そしたらある日突然ジムで、一緒にバスケをしない?って知らない人に誘われたんだ。いきなりではあったんだけど、それがすごく嬉しくてその日から毎週日曜日に決まって彼らのチームに参加させてもらって、バスケを楽しんでいたかな。プレー中、相手の言ってることがよく分からないときも、きっとこういうことを伝えたいんだろうな、とかこう動いてほしいんだな、とか感覚で彼らの考えが読み取れてスポーツの言語の壁を超えた楽しさを感じることができた。新たな視点からバスケを楽しむことで、スポーツって無限に面白いなと感じたよ。
▲ジムでバスケを楽しんでいるときの様子
留学後
新たな学びに貪欲に
様々な悔しさを乗り越え、異文化交流という言葉には収まりきらない経験を堪能したみおなさん。続いて留学後の心境の変化について伺ってみました。
―自身の中での“変化”を求めて留学されましたが、留学後と留学前を比べこれは自分変わったなぁと感じることはありましたか?
考え方の変化が一番大きいかな。私は今までバスケのほかに、特に何にも関心を持たないタイプの人間だったと思うの。正直大学も単位のために、楽単(単位が比較的取りやすいとされている科目)ばかりを探して授業を取っていたし、将来こういうことがやりたいってビジョンもなかった。
だけど、留学先の同じ年頃で身近な存在だったPIEの先生が、英語を教えながらも大学院や学部の授業も熱心に勉強していてすごく刺激を受けた。せっかくもう一年、大学で勉強するなら私も自分の興味のある分野をとことん学びたいって考えるようになってシラバスをしっかり読むようになったかな。
あとは、いろんなことに興味を持つようになった。これもPIEの先生の影響が大きいのだけれども、みんな自分の引き出しが多くて物知りだし、その姿が魅力的だなって感じたの。だからこそ自分も、もっと政治とか、経済とか、国際情勢とか今まで全く気にしてなかった分野にも興味を持って自分の引き出しを豊かにしようって思うようになったかな。就活の影響もあるけど、あとは自分についてもっと考えるようにもなった。自分がどういう人間なのか、改めて考えることで自分の良さにも弱点にも気づけて新しい一歩を踏み出すきっかけになった。
▲留学中たくさん支えてくれた友達との写真
最後に
―最後に学生に向けて一言メッセージをお願いします!
今やりたいことがないってぼんやりとと考えている学生って割とたくさんいると思う。私もその一人だったしね。だけど、卒業後の進路や学生生活に漠然とした不安を抱えている人は、まず色々なものに触れてみて、どんなことに興味を持っていて、どんなことには興味がないのか、なんとなく自分の中で感じ取ってほしい。その「なんとなく」の感覚を少しずつ言語化していくこと、自己理解が深まって何かしらの自身の発見があると思うんだ。自己理解を深めるのって簡単な事ではないけど、漠然とした将来への不安を少しでも解消するために必要な過程だと思う。何かしなきゃって思ってもすぐに行動できない事の方が多いと思うんだけど、やらないで後悔するより、やって後悔する方が断然いいじゃない?だから、まずは一歩踏み出すことが一番だと思う。自分を知っていくうちに、その自分をもっと受け入れられるようになると思う。何かピカピカした経験がなくたって全然大丈夫だし、今後自分はこういう生き方がしてみたい、とかこういうことに挑戦してみたいんだとか、もっと素直に考えられるようになるといいと思うな。ビジョンが見えて思い立ったら、後は行動に移すのみ!
インタビューの中で彼女は、留学中の困難を乗り越えられたのは周りのサポートのおかげが大きい、と話してくれましたが、毎日熱心に勉強し誰にでもフランクに接することができる彼女だからこそ、多くの人が彼女を支えたい、と自然と周りに集まってきたのだと思います。
また、彼女が語る留学後の気づきの中で、「自分の中の何となくを言語化することで自己理解が深まる」という言葉、就活真っただ中の私にとってまさに今必要なことだと感じました。
この記事が、留学を目指す人に限らず、何か自分自身を変えたい!と漠然と考えている人の一歩を後押しするきっかけとなれば幸いです。
writer:moo
同じくアメリカのインディアナ州に留学した先輩の経験談はこちら
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