今回の先輩大図鑑は、津田塾大学英文学科3年のコーヒーさん。
日本語教育に高い関心を寄せる彼女に日本国内、そして約8か月間にわたるアメリカでの、日本語教師のインターン経験について深く掘り下げて話を伺ってきました!
特に、留学とは一味違う海外経験に興味がある学生の皆さん、必見です。
日本語教師のアルバイト
ひょんなきっかけ
ーまず、いつごろから「日本語を教える」ということに興味を持つようになったのですか?
実はきっかけは、本当にひょんなことからなの。大学1年生の時に、興味本位で受けていた異文化について学ぶ授業の中で、先生が日本語教員のアルバイト募集の告知をしたの。
特にその告知を聞いた時は、強くこれがやりたいっ!とまでは思わなかったんだけど、何となくこれ面白そうだなと感じて、応募してみたよ。時給もよかったし、本当に軽い気持ちでね。
日本での「日本語教師」のアルバイト経験
ーそのアルバイトでは実際にどのようなことをしていたのでしょうか?
日本語を外国の子供たちに教えるのだと思って教室に行ってみたんだけど、実際にはその教室に日本語学習支援を必要とする外国の子供たちはあんまりいなかったんだよね。
それでそこの教室の紹介で、他の市にある公民館に行くことになったんだ。
その公民館では週に1回ほど、チューターという形でだいたい小学生くらいの、外国のルーツを持つ子供たちに日本語を教えていたよ。
はじめは軽い気持ちで始めたアルバイトだったのに、だんだん楽しくなってきて気がつけば大学でも、日本語教員になるために必要な授業を進んで多く履修していたの。
大学で習ったスキルや知識を、実際の教室で自分なりに応用して使ってみたりもして。
ゼミの研究テーマもその頃から日本語学習に焦点を当て始めていたから、気が付けば学校でも課外活動でも「日本語を教える」という分野に携わっていたという感じかな。
ー国内で「日本語を教える」ことにさまざまな形で携わり、充実した学生生活を送っていたコーヒーさん。続いて、海外インターンへの参加を決めたきっかけや実際のアメリカでの生活について聞いてみました!
海外インターンと留学
海外インターンとの出会い
ーなにがきっかけで海外インターンに参加してみようと思ったのですか?
最初から海外インターンに興味を持っていたわけではないんだよ。
もともと大学生の間に海外に行きたいっていう思いは入学当初からすごくあったの。
それで、はじめは留学っていう道も考えて大学の協定校制度について調べたりもした。
だけど、協定校の大学で学べる分野には、正直自分が学びたい分野がなかったというか、なんかしっくりこなかったんだよね。
それで自分が学びたいことについてじっくり考えたときに、やっぱり自分は、日本語教育についてもっと学びたいって実感したんだよ。
そこからは、留学っていう形にこだわるのはやめて、何かもっと別の方法で、海外で日本語を教えるチャンスないかなって考えるようになった。
それでこれまた偶然、大学の学外学習センターのチラシで日本語教員の海外インターンの募集を見つけたの。それを見つけけた時はもう、「私のやりたいことはこれだー!」って気持ちになったなぁ(笑)
▲生徒と門松作りに挑戦した時の様子
現地での生活ーインターン中ー
ー自分の希望にピッタリ合う海外インターンを見つけられたコーヒーさん。現地ではどのような毎日を送っていたのでしょうか。
私は現地では、小学校に派遣されたよ。その小学校のPTAが現地の暮らしをいろいろサポートしてくれていて、ホームステイ先もPTAの方々が仲介者となって探してくれたの。
大体その小学校では、各学年の1つの授業につき2人で担当するのね。
ベテランの先生1人と、インターン生1人みたいな感じで。私は1年生を担当していて、1クラスの規模は大体25人くらいだったかな。
授業をしていない時間は、他の日本人先生や学生と一緒に、次の日の授業の企画を考えたり、出し物の準備をしたりして過ごしていたよ。1日の流れは大体こんな感じ。
14:00以降は一応自由時間ではあるんだけど、授業準備が大変でみんなで学校に居残りして過ごしていたなぁ。
ー慣れない環境下で日本語を教えるにあたって大変だったことはありましたか?
私の場合、小学1年生を相手にしていたということもあって、授業中に生徒が泣いちゃったり怪我してしまった時の対応が大変だったかな。
小さい子供って文脈で相手の話していることをあんまり理解できなかったりするから、発音が悪いと全然伝わらないの。
しかも相手は泣いて動揺しているから余計に聞くことへの集中力もなくて、うまく意思疎通ができないときが苦労したかな。
だからこそそういう場合には、発音に特に注意するようにしていたし相手の話も注意深く聞くようにしていたよ。
▲休日にハイキングに出かけた時の様子
現地での生活ー学校外での過ごし方ー
ー学校外ではホストファミリーと時間を共にしながら、異文化交流を楽しんだコーヒーさん。学校外での思い出や、苦労についても話していただきました!
ホストファミリーの都合で、途中で家族が変わってしまったのだけれども、どちらもとても素敵な家族だったよ。
共通してどちらもアメリカ以外の国のルーツを持つ家族だったから、食事や行事など普段の生活を通して、アメリカ以外の文化にもたくさん触れられたこともいい思い出かな。
あとは、両方の家族に小さな子供がいたから、その子たちにも日本語や日本文化を教えてたの!
小さい子供ってすごくかわいいし、呑み込みが早いから余計にいとおしく感じた(笑)
▲ホストファミリーとのクリスマスディナーの様子
苦労した点はファミリーとの時間を確保すること。
一日のスケジュールの時にも少し触れたけど、放課後は夜まで学校に残って作業をすることが多かったから、帰宅する時間にはみんな寝てたりしていて、あんまりホストファミリーとの時間が十分に取れなかったんだ。
準備も大切だし、家族との時間も大切だし、その時間の使い方でバランスをとることに初めの方は特に苦労したかな。
あとは、ホストファミリーが食べ物に強いこだわりを持つ人だったからその点はすごく気を遣った、迷惑にならないようにって自分も注意しながら生活していたよ。
やりがいを感じた瞬間
ーアメリカにて様々な思い出を作られたコーヒーさんに、インターンを通して一番やりがいを感じた瞬間について伺いました。
私は、コロナの影響を受けて小学校が閉鎖してしまったから、予定より2週間だけだけど帰国が早まったの。
それで急遽帰国することになって戸惑っていた時に、一通の手紙を生徒からいただいたのね。
本当に一番、手がかかって教えるのに苦労していた生徒からの手紙だったこともあって、しかも日本語で書いてあったから余計に、それを見たときはうれしかった。
自分の帰国を悲しんでくれる生徒がいるってことが、「私は現地でしっかり先生できてたんだな」っていう実感に繋がって達成感を感じたんだよ。
おわりに
ー最後に学生へ向けて一言メッセージをお願いします!
私の場合、大学に入学した頃は自分がこんなにも日本語教育という分野にのめりこむなんて全然想像していなかった。
すべてはたまたま取っていた授業の最後に、先生がちらっと言った告知がきっかけ。
今は目標だったり、やりたいことが特にないって学生もたくさんいると思う。
だけど、「どこに自分の興味が転がっているか」なんて誰にも分からないってことは伝えたい。
はじめから自分の興味が何か、をみつけている学生の方がレアだと思う。
つまり何が言いたいかというと、何事にもとりあえずチャレンジしてみるっていう精神が大事だということ。私のように意外なところにきっかけは転がっているかもしれないからね。
「何気ない一歩が、大学生活をがらりと変えるきっかけにつながるかもしれない」
時間にたっぷりと余裕がある大学生活だからこそ、少しでも興味を持ったことに関して貪欲に行動を起こしていきたいですね。
学生の皆さんの勇気ある一歩を応援しています。
writer: moo
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