【部活】16年間の人生をかけてやり遂げたバスケ。「継続すること」から得た強さと学び

部活

今回の先輩大図鑑では、理工学部4年生のAさんにインタビューしました!Aさんは小学1年生の頃から大学4年生までバスケットボールを続けており、2020年11月22日にそのバスケ人生の集大成を飾りました。

筆者は、Aさんと同じミニバスケットボールチーム(※小学生のバスケットボールチームのこと)に所属しており、別々の中学・高校に進学したものの、様々な試合や大会でAさんの活躍を8年間かけて見続けてきました。

Aさんは小・中・高でバスケットボール部のキャプテンを努め、高校ではインターハイ出場(全国高等学校総合体育大会のこと。県内1位のチームのみ出場可能 ※県によっては上位複数チーム出場する場合もある)を果たしています。

筆者にとっての永遠の憧れの存在である、Aさんの「継続力」、そしてどんなチームでも活躍し、努力し続けることができる彼女の強さに迫ります。

16年間のバスケ人生を振り返って。

継続することができたわけとは

ー部活って楽しいこと以上に辛いことがたくさんあるよね。ときにはくじけそうになることもあったかと思う。16年間ずっとバスケットボールを続けてこれたのは何でなんだろう?

正直、辞めたいと思ったことはたくさんあったよ。大学生活に限らず、中学生の頃も、高校生の頃も辛いと思うときはもちろんあった。でも、自分は、自分の生活にバスケがないことが考えられなかったの。

ただ「続ける」のでは、なかなか成果は出ないと思う。

やると決めたことに対してちゃんと取り組むこと、そうすることで、やればやるほどしっかりと成果に繋がるし、だからこそ辛いなって思ったときも頑張り続けることができると思う。

 

ーバスケに没頭していて、逆に楽しいと思える瞬間はどういうときだった?

やっぱり一番自分の感情が揺さぶられて、心からバスケを楽しいと思える瞬間は、仲間と一緒に雰囲気を創り上げて、嬉しい時にみんな一丸となって本気で喜べる瞬間かな。

もちろん、自分が努力して改善しようとしたところが発揮されて、成果に直結したときも嬉しいけれど、本気で取り組んでいる仲間と、チーム全体で喜び合える瞬間は本当にバスケが楽しいと思うよ。

特に、高校の時のとても大きな大会で、チーム全体でチームの雰囲気が作れた試合はとても印象的だな。

ミニバスケットボール時代のAさんのお姉さん(左)とAさん(右

「辛い」経験と向き合う経験

ー16年間を振り返って、一番辛かった経験はどんなものがあるかな?

やっぱり一番辛かったのは、試合に出場できるメンバーから外されてしまったときかな…。その時、「何をしたら自分が求められるのか」を考えることが一番精神的にきつかった自分の意思とは無関係に、頑張りたいっていう思いだけでは試合に出場できる選手として選んでもらうことはできないから。

 

ーどんなに努力しても、相手に認めてもらえなかったり、自分の思いが成果に直結しないという辛さ、バスケ以外の環境でも同じことが言えるよね。

私は、自分に後輩も先輩もいる状態で、板挟みになっているときが特に辛いと感じてたな…。後輩にも追い抜かれてしまう恐怖もあるし、だからといって先輩を追い抜くこともできない。自分の実力があからさまに足りないことがわかっていたから。大学生までずっとバスケを続けてきて、年齢を重ねるにつれて自分の限界値が分かってくるの。

なんでもかんでも頑張れば自分の限界を突破できるっていうわけでもなかった。

 

ーそうだよね。気づきたくなくても、「自分の限界値」が見えてしまうことってあるよね。あの人は超えられないと思うこともある中で、気持ちのコントロールって本当に大切だと思う。

▲ミニバスケットボールチームに遊びに行った時の写真

(左:筆者、右:Aさん)

実践的に体得した気持ちのコントロール術

ーそういった辛さと向き合う中で、どうやって自分の気持ちをプラスにもっていっていたのかな?

私の場合、とにかく自分の良いポイントを伸ばすことに専念していたよ。バスケだと得意分野のシュートを強化して、自分に自信がもてるくらいとことん練習していた。

あと誰にでもできることを徹底してやるっていうことかな。自分はできるから、とか、自分は苦手だからとかではなく、誰でもできる基本的な事を徹底することで、常に基本に忠実になれるように心がけていたよ。

 

ーなるほど。辛いから目をそらすのではなくて、うまくいかない時こそ、自分の良いところに目を向けて基本に立ち返るという気持ちの切り替え方、とても大切だね!

 

Aさんは自分自身のモチベーションをどうやってコントロールしていたの?

私は、結構周りの仲間を頼ったり、仲間同士で声をかけ合うことで自分のモチベーションをコントロールしていたよ!特に、仲間と一緒に目標を決めたり、一緒に練習したり、友達と関り合いながら行動することを意識していたかな!

 

ー自分一人でモチベーションを保つことが難しいときは、友達や周りの人と関り合いうことで、自分もがんばらなくちゃ!と思えることってあるよね!

部活・授業・アルバイト。超多忙な生活の乗り越え方

バスケの試合での様子

部活・授業・アルバイト3つの両立

ー大学での部活とアルバイト、学校の勉強との両立はどのようにしていたのかな?

まずは学校の勉強を第一にして予定を立てるようにしていたよ!授業には絶対に出席して、わからないところは先生や友達に聞きながら、部活と大学の勉強を両立できるようにしていた!

大学1,2年の一番部活も授業も忙しかった時のスケジュールを話すと、部活は平日週4回、平均して1回の練習時間は2~3時間程度。アルバイトは土日の時間を使って約4~5時間入れていたよ。1.2年の頃は、練習日程と履修がなるべく被らないように調整していたかな。このころは本当に忙しかったから、友達と遊ぶ時間はほとんどなくて、少し一緒にご飯に行くくらいだった。

12月~3月はオフシーズンだったんだけど、結局テスト期間と被っていたこともあって、ほとんどの時間を部活とアルバイトと学校の授業や勉強に使っていたよ。

 

ーとても忙しい生活をおくっていたAさん。率直に大学生活への満足度ってどのくらいなの?

個人的に、大学の授業や勉強は目標通り頑張れたのかなって思う(笑)

バスケに関しては、もちろん叶えたい目標はあったけれど、大学1~3年の間では叶えられなかったの。

だから、大学4年になって叶えたい!って思っていたら、コロナが流行ってしまった関係で、部活自体ができなくなってしまった。しかも、就職活動は突然選考のやり方が変わって全部オンラインでの就活になってしまったから、自分の思い描いていた大学4年生の生活ではなくなってしまったことにかなり困惑してしまったこともあったかな。

コロナで部活中止。同時に就職活動という困難。

就職活動で活かされた部活動の経験

ー部活も突然できなくなってしまった中で、急遽就活は全てオンライン…。そのような様変わりした生活の中、Aさんはどのようにして就職活動を乗り越えたの?

自粛期間でもできることはある!って思って、自宅でトレーニングを続けながら、就職活動をしていたよ。就職活動は、突然オンラインでの面接や選考になってしまったから、正直何もわからない中で黙々とやり続けるしかなかったことは大変だった。

でも、私は面接ではいつも「なんでもやります!」っていう姿勢を見せ続けたよ!今までのバスケ人生でも嫌なことはたくさんあったけど、一度も辞めずにここまで続けてこれたから、これから先も絶対に投げ出さずに頑張れるって思っていた!そこには自信があったんだ。

でも面接でもちろんバスケのことを聞かれるんだけど、もう16年も続けているから,エピソードをまとめて伝えるのが難しかった(笑)

就職活動を通して気づいた自分の変化

ー就職活動を通して、自分の中に何か変化はあった?

そうだな…いい意味で自分に対して疑問を持つようになれたのかも。今までの自分をじっくりと振り返って、初対面の人に自分をしっかり理解してもらうにはどうしたらいいのかということを考えることができたよ!どうしても、部活の仲間ってずっと一緒にいる存在だから、自分を客観視して相手に自分を理解してもらうためにはどうしたらいいかと考える機会ってなかなか得られないからね。

「継続する」ことの意義とは

ー16年のバスケ人生で身に付けた「継続する」という力。Aさんにとって、「続ける」ということはどのような意義があると思う?

まだ自分もわからないけれど、社会人はきっと甘いものではない。自分が関わる人はみんな良い人とは限らないと思うし。

私は「継続する」って、「嫌なことに向き合う経験」の連続だと思うの。

いつも楽しい事ばかりじゃないからね。だから、私は、嫌なことに向き合った数だけ、乗り越え方を学んだし、その経験は社会人になっても活かされるんじゃないかなって思っている!

チームの仲間との円陣の様子

おわりに

ー最後に、読者に向けて、一言お願いします!

何かしら自分が熱中できるものを見つけてほしいなって思うかな!その「熱中する」という経験が、きっと就職活動においても活かされると思う。就活のために何かをするのではなくて、どんなものでも熱中して頑張ることが、自ずと自分の自信になったり、将来に活かすことができる力を身に付けられるんじゃないかな。

「継続することは、嫌なことと向き合う経験の連続」。今までの人生の多くの時間をかけて積み上げてきたAさんの経験が、この言葉に凝縮されているように思います。

続けることは常に大切なことだとは限りません。時には勇気を持って辞めるという選択をすることも、自分自身を成長させるために必要な決断であると思います。

しかし、本気で向き合い、本気で取り組んだからこそ得られる濃密な学びがあるということを、Aさんは自身の経験を持って語ってくれました。

Aさんの言葉が、みなさんの背中を押してくれることを願っています。

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