【旅】異国の日常を自分の肌で感じその国を理解していく、私がバックパッカーであり続ける理由…

課外活動

今回インタビューしたのは、今までに23度の渡航歴(留学経験は4度)、14カ国に旅行してきた経験を持つYuhiさん。19歳で初めてバックパッカーとして東南アジアの3カ国をめぐり、更に旅への想いが強くなったと話してくれました。彼女が異国の地で何を感じ、何にときめきいたのか。東南アジアに対する情熱の背景について語っていただきました!

ひとり旅に興味がある方はもちろん、ひとり旅に勇気が出ないという方、新しいことに挑戦してみたいという方には必見です!

初めてのバックパッカー旅、思い立ったのは出発2日前

海外交流プログラムでの出会い

―いつ、どこに旅をしたの?

バックパックをしたのは2020年の3月一杯。最初の2週間はシンガポール、次にマレーシア、最後にミャンマーに行ったよ。予定ではミャンマーに1ヶ月近く居ようと思ったんだけど、コロナウイルスが流行し始めてロックダウンが始まってしまったから、10日間くらいで日本に戻ることになっちゃったんだ。

ーそうだったんだ。なんで旅をしようと思ったの?

2月に参加した海外交流プログラムに参加したのがきっかけだったかな。そこではASEAN諸国から来た(シンガポール、マレーシア、ミャンマー、ブルネイとか)学生と一緒に10日間泊まり込みで、国際的な社会問題を討論したり、それに関連した場所に見学することを主に行ったんだ。

▲プログラムにて

今思うとそこで出会った友達がこの旅を始めた1番の理由だったんだ。実は中学3年生の頃フィリピンボランティアに行ったことがあって、治安が悪かったっていう理由から東南アジアの国に対してマイナスなイメージが強かったんだよね。

でもプログラムの中で出会った友達(東南アジアから来た学生)は自分の想像とは違って、討論するときは一生懸命で、遊ぶときは思いっきり遊ぶような切り替えができる、心の優しい子達っていうのを知ることができたんだ。彼らと話す中で東南アジアに対して興味が出たのと、仲良くなった友達にもう1度会いに行きたいって思ったから、旅をすることを決めたんだ。

その時コロナウイルス拡大が迫っていたけれど、「今逃したら次はないかも!」って、飛行機のチケットは出発の2日前に取ったの。それぐらい決めてから行動に移すまで早かった。父親に相談する間も無かったから、シンガポールからひとり人旅してるよって連絡した。(笑)

初めてのひとり旅

青春を過ごせたかのよう

―実際に旅先ではどんなことをしていたの?

シンガポールにはプログラムで知り合った友達がいて、その子が働いているボランティア団体に参加させてもらってた。その団体は学校や教育施設に訪問してチームワークを教える授業をしていて、最初はその子に付いて行ってたんだ。それから徐々にその団体の同僚もイスラムの中学校やボランティアに一緒に行こうって温かく誘ってくれるようになった。

今思い返せばその団体で新しくできた友達と仕事終わりに一緒にショッピングしたり、アイスを食べながら駅まで帰ったり…っていう、日常的だけど、自分にとっては非日常な一瞬一瞬がとっても幸せだった。日本ではあんまり友達としないことだったから、青春を過ごせた感覚だった。友達の良さを改めて感じた瞬間でもあったな。

ー素敵な思い出だね。

▲シンガポールのボランティア団体の仲間たちとの1枚

旅先でのハプニング

バスが先に行っちゃった!

―やっぱり旅行中のハプニングってあるの?

そりゃもう沢山あるよ〜。その中でもかなり焦ったのがシンガポールからマレーシアにバスで入国する時。コロナウイルスの名前が知られ始めている頃だったから、日本人の私だけ国境で検査を受けなければいけなかったの。他の現地の人が簡単に抜けていく中、30分くらい通過するのに時間がかかった。

病気じゃないって判定されてから、やっと国境を通過できたんだけど。その時にはもう乗ってたバスがいなくなっていたの。もちろんバスに置いてきた小さな荷物はあれ以来戻ってこなかったよ。(苦笑)

高速道路で降ろされて

それから次に来たバスに乗ることにした。でも私が「このバスターミナルに行きたい!」って運転手さんに伝えたら、そのバスの行き先が違かったみたいで「ここで降りろ。あっち方面だ」って言われて高速道路の真ん中で降ろされたんだよね。

ーえ???それ大丈夫だったの?

その時滝みたいな雨(スコール)が降っていて、右も左も分からない状況だったし、車もぶんぶん来るから自分が動いていいタイミングも分からなかった。その上荷物も重いし、下着までびちょびちょ、Wi-Fiも使えなくて友達に状況を伝えることもできなかった。とにかく「あっち」って言われた方向にひたすら歩き続けてなんとかバスターミナルに辿り着くことができたよ

ーすごい。自分だったら落ち込んでしまいそう。

前の自分だったらバスが先に行ってしまった時点できっと落ち込んでたし、パニックになってたと思う。でも今回はクッキー食べながら「次のバスを待とう、きっと大丈夫だろう」って軽い気持ちでいれたな。

ーなんでそう思えたの?

たぶん、外国に何回も留学したり旅をすることで、どんどん自分が変わっていった。自分の価値観は日本人の価値観であって、それを軸に物事を判断すると海外の人の価値観を認めてないよなって考えるようになったんだ。

例えば「5分前行動」とか、「母が家事をするべき」とか、そういう自分にとっての当たり前が旅行先での生活を通して徐々に砕かれて、それ以外の価値観や考え方を受け入れることができるようなった。だからこのハプニングも驚いたけど、「外国だしそんなこともあるか」っておおらかな気持ちで待てた気がするよ。

ハプニングを超えた先に

ーひとり旅の前と後で変わったところってある?

うん。やっぱり、旅行とか留学だと家族とか引率の先生がいて、何かがあったら助けてもらえる環境だったし、誰かに頼ればいいやって思ってたの。でも今回は1人で解決しなきゃいけない状況で自分でハプニングを乗り越えられたっていう自信がついた。

他にはコミュニケーション能力がついたと思う。ホテルにも泊まれない貧乏旅行だったから8人部屋とか16人部屋のゲストハウスに泊まってたの。そこで自分と同じようなバックパッカーに話しかけて友達になったり、情報収集をよくしてたんだ。

例えば、「歯を磨くときは水道水じゃなくて安全な飲料水でするべき」とか「市場でどう値段交渉するか」、「お土産の相場はどれくらいか」など沢山ためになる情報を教えてもらえた。年齢や国籍、行き来のタイミングも全く異なる人と話して意気投合するのは面白かったな。

東南アジアに対する情熱のルーツ

フィリピンでの衝撃

ーなんで東南アジアに興味を持つようになったの?

中学3年生の時にフィリピンボランティアに行くことがあったんだ。そこで初めて実際にスラム街を目にした。自分より年下とか自分と歳が変わらない子が、親の代わりに子守りをしながらゴミを拾って生活したり、捨てられたファストフードを洗って食べていたりとか。映画の世界でしか見たことがなかったから大きな衝撃だった。実在するんだって、信じられなかった。

▲フィリピンでボランティア中の1枚

それと同時にたくさん不満言いながら、日本で当たり前に過ごしてきた自分が恥ずかしくなった。その子たちにとっては私の当たり前が幸せなんだなって。

小学生の頃から国際協力に興味を持ってて、発展途上国に看護師として助けに行けるような人になりたいと思ってたの。だけど実際に行ってみて、医療も大切かも知れないけど、実際彼らは教育を受けてないから病気にもなるし、貧困から抜け出せないと思ったの。だから今は発展途上国の教育に興味があって多文化・国際協力学科で勉強してるんだ。

東南アジアの問題を目の当たりにして

ーこれからの目標ってある?

小学校の頃は途上国や紛争のドキュメンタリーを見ていた影響もあって、看護師として途上国の人々を救いたいっていう夢があった。でもフィリピンでの出来事や大学で途上国の様々な問題を知っていく上で、何が正しいのかが分からなくなってきている自分がいる。問題解決に向けてどれが自分に合っているのか、何が現実的なのか、とか色々考えちゃうんだ。

フィリピンで見たスラム街の人やミャンマーで見た路上で暮らしている沢山の人は、コロナ禍であったとしても貧困のせいでマスクや消毒液が買えないんだよね。毎日暮らすので精一杯だから。国の弱い立場の人たちが病気にかかって亡くなっていくのは可哀想だし、すごく悲しいことだと思う。国のシステムを変えるのは難しいけど、弱い立場の人たちも医療にアクセスできるような仕組みを作りたいなって思う。

他にも東南アジアや、アフリカの国々にもっと旅したいなって思ってる。その地域の人と関わって、国をより知るっていうのを大切にしてね。あとひとり旅って難しい、怖いって思われがちだから、「どうしたら安く、安全な旅ができるのか」とか、「女の子1人でもできるのか」とか含めてこんな私でも行けたんだよ」っていうのをどんな形でもいいから伝えたいなって思ってるよ。

旅を続ける理由

人の温かさを感じて

─3カ国の旅行で1番印象的だったのはどこ?

やっぱりシンガポールかな。コロナとかがあってマレーシア、ミャンマーではあんまり人と関わることができなかった。だけどシンガポールでは友達や家族を通して、愛をすごく感じたんだ。

特に自分は無宗教で遠い国から来た学生で、よそ者なのにも関わらず、みんなが優しくしてくれたことが本当に嬉しかった。訪問先とか一緒に過ごしている時に英語をゆっくり喋ってくれたり、私が怖い思いや、つまらない思いをしないようにって温かく仲間として受け入れてくれた。

自分としてはプレゼントやお金をもらうよりもこうやって仲間として迎えてくれることや、一緒に時間を過ごすことの方が、すごく嬉しくて重みが深いっていうか。だからとっても大切な思い出だな。

観光客としてではなく

─また1人旅したい?するとしたらどんな旅をしたいって思ってる?

うん。すごくしたいって思ってる!自分が旅を通して求めているのは人と関わることなんだ。人と関わることが1番その国を知ることができると思っているから。だから世界遺産を巡るとか、ショッピングするっていうよりかは、その地域の人々の食生活や暮らし、生活スタイルに興味があって、それを知っていくことが私が旅をする1番の理由なんだ。

例えば、シンガポールでイスラム教徒の家に招待された時、彼らがどのように生活しているのかを見ることができたの。祈りをしている所やヒジャブを被っている所とか。彼らの文化を身近で見ていたからこそ、「1日5回の礼拝はめんどくさくないの?」とか「暑い中ヒジャブを被ってモスクに行くことをやめたくないのか」、「肌が出てる服を着たくないのか」とか沢山の疑問が出てきたんだ。

失礼な質問だったかもしれないけど、質問したら友達は優しく答えてくれて。彼女はイスラム教徒であることに対してすごく誇りを持っていて、露出をした服装をしたり礼拝をしないことに対して憧れはないと答えていた。

こうやって実際に質問したり、自分もモスクに入って礼拝を体験してみたり、彼らの文化に直接触れる中で理解を深めることができたんだ。

▲実際にヒジャブをつけている1枚

自分で作る旅のスタイル

もともと海外にはよく小さい頃から旅行で行ってたから旅が好きなのもある。でも、家族や友達に頼らないで旅ができること、計画に縛られないで自由に旅ができることもひとり旅の魅力だと思う。

─何か旅をする上でこだわりとかあるの?

あるとすれば、旅行中はなるべくスマホを使わないで現地の人に質問してリサーチするようにしてる。人と関わりたいというのもあるし、美味しい食べ物やおすすめのスポットは地元の声が確実だと思ってるからね。

あと、ひとり人旅ハウツー本やバックパッカーのやり方とかも、行く前には見ないようにしてるかな。

ーそうなんだね!でも失敗は避けたいって思わないの?

そうだね。既に旅を経験した人の体験談を読むより、見たことのない世界を自分の目で見て肌で感じたいと思ってるの。だから実際に旅をする中で新しい文化や世界を発見していきたいと思ってる。誰も知らないし誰もまだ感じたことのないようなことを自分で見つけていきたい。たとえ失敗したとしてもそれもまた経験だと思うし成長につながると思ってる。

こうやって私はその地域の人に密着した旅の仕方、自分の旅のスタイルを築いていきたいなと思ってるんだ。

Yuhiさんの旅に対する姿勢、考え方、東南アジアへの強い想い、記事を通してお届けできましたでしょうか?幼い頃から持っている貧困や社会問題への問題意識やYuhiさんならではの旅へのこだわりなど、話を聞きながら驚きっぱなしのインタビューでした。ひとり旅ではハプニングや困難にも直面することもあり、勇気が出ない方もいるかと思います。私もその1人でした。でもそれを乗り越えてこそ得られる経験や自信など、自分もコロナが収まったらひとり旅に挑戦してみたいと思いました!Yuhiさんありがとう!

この記事を通してひとり旅の魅力や楽しみ方が伝えられれば幸いです。これからのCrews×Cluesの記事もお楽しみに!!

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