今回の先輩大図鑑は、大学4年のゆうかさんにインタビューしました!
彼女は部活動やサークルに所属することなく大学生活を過ごしました。大学生=どこかしらの部活やサークルに所属する、という風潮を感じたことがある人もいると思います(筆者もそのうちの1人です)。
そんな中、彼女はどのような大学生活を送ったのでしょうか。交友関係の広げ方から就職活動(以下就活)、3年次から挑戦したダブルスクールのお話まで、たっぷりと語っていただきました。
どこのコミュニティにも属せず悩んでいる方や人の意見に流されがちな方、就活でモヤモヤしている方にぜひ読んでいただきたい記事です。
ありのままの彼女の語りに耳を傾けるうちに、「自分らしくいよう」と勇気をもらえる記事となっています!
自分の考えを貫いた大学生活
多くのことを経験したいー。サークル無所属の大学生活
ーゆうかはどこのサークルにも属さず大学生活を過ごしたよね!どうしてどこにも入らなかったの?
まず、1年生の時に色々なサークルの新歓に行ってお話を聞いたけれど、ピンと来るものがなかったの。
何か目的があってサークルに入るのではなく、サークルに入ることが目的となっていて、それは違うなと思った。
それから高校生の時までに、生徒会や選挙管理委員、バレーボール部、サッカー部のマネージャーなど様々なことに挑戦してきて。大学では「サークル」という括りに縛られることなく自分の好きなことをたくさんしようと思って入らなかったんだ。
例えば、バレーボールを続けるためにサークルに入ったら、私はひとつのことにすごく集中しちゃう性格だから、それしかできなくなってしまうと思った。ひとつのことをするより多くのことをしたかったの!
ー確かに、多くのことに触れたいって考えたらひとつの団体に縛られない方がやりやすいかもね!どこの団体にも所属していないことに焦りや不安はなかった?
周囲の友人たちもサークルに所属していない人が多かったこともあって、焦りはなかったよ。
実家から片道2時間かけて東京の大学まで通学していて時間がなかったのもある。サークルの飲み会とか、羨ましいと思ったこともあるけれど、私の場合は趣味のおかげで大学生活に満足していたから、特に気にならなかったなぁ。
それから、往復4時間の通学時間は大変そうってよく言われるけれど、そんなに大変ではなかった。
むしろその時間は欠かせなかったよ。電車に揺られている時間って一人で集中できる時間だから、その間に考え事をしたりと有効活用していた。
あと、実家にいることで大学の友人だけでなく地元にいる友人とも遊びやすかったし、東京⇆地元間の定期をフル活用していたからどこに遊びに行くにも気軽に行けたんだ。
おかげでフットワークが軽くなったよ!「お金って紙だから経験に変えていきたい」という言葉を聞いたことがあるけれど、本当にその通りだと思っていて。
一人暮らしをすると多方面でお金がかかるから、実家から通うことで節約できた分のお金を経験に変えたいと考えてた。その分往復4時間の通学時間を有効に使うことは意識したよ。
▲大学生活を充実させてくれた趣味を楽しむ様子
自分を変えるため飛び込んだダブルスクール
学費免除と趣味への投資、そして葛藤
ー「お金を経験に変える」ってとても背中押される言葉…!趣味や通学時間にこだわっていたみたいだけれど、実際どんな大学生活を送っていたの?
1年生の時は勉強を頑張ったんだ!成績が優秀だと学費免除になるという制度があって、それを取りたくて。
両親の金銭的負担を少しでも減らそうと思ったの。結果その制度を利用することができて、1年次は学費が無料になったよ!
そこで、金銭面に余裕ができて、好きなことに思いっきり使おうと思った。アイドルが好きだから、大学時代でライブや舞台に100公演以上足を運んだ!
1年生の時に勉強を頑張ったのもあって、2年生の時からたくさん行っていた気がする。
そんな感じの生活を送っていた2年生の冬くらいに、友人の友人の姿を見て「自分って普通の人間だな」って思ったことがあったの。
その子は、自分のやりたいことのために、インターンに参加したり、積極的にSNSで情報発信したりしていた。普通な自分が嫌、人と違う風にいたいという気持ちから「このままでいいのかな…」と思い始めて、3年生からダブルスクールをはじめたんだ。
▲たくさん足を運んだ舞台のうちのひとつ
通っていたスクールの詳細
ー自分を鼓舞するためにダブルスクールをはじめるなんてすごい。どんなスクールに通っていたの?
大手レコード会社のスクール。芸能人になるというのではなくエンタメ業界で働く人のためのダブルスクールだよ。
面接を受けて、3年生の4月から1年間通っていた。そこでの経験が大学時代で一番大きかったかもしれない。
大物歌手のプロデューサーの講義を受講・インターンに参加・イベント運営の手伝いなどをした。
具体的に私は高校生バンドのフェスの運営、その会社が持つyoutubeチャンネルの動画編集、新人発掘、アーティストのマネージャーさんやA&R(レコード会社における職務のひとつ)に対して売り出し案の提案などをやらせてもらっていたよ。
ここでの経験は、エンタメ業界を志望していたからすごく楽しかったし大きな影響を受けた。
ーそのスクールに通おうと思った理由とエンタメ業界を志望した理由どっちも気になる!
高校生の時からエンタメ業界で就職したいと考えていたから、早めの時期から就活を意識していたんだ。
けれど何から始めたらいいかわからなくて。調べてみたらスクールが出てきたから、通ってみよう!と思った。あと、趣味を通して出会った人の影響を受けたのもあるよ。
その人はデザイナーで、私が好きなアーティストのミュージックビデオの文字のデザインを担当している人だったの。
その人の仕事のお話を聞いて「すごいな」と思ったし、こんな素敵な人に出会えたことに感動した。その影響でスクールに行くことを決断したよ。
もともと憧れていたエンタメ業界を強く意識するようになったのは1年生の頃精神的に参っていた時期を経てから。
その時は食べ物を食べても味が感じられなかったり、人に相談もできなかった。そんな時に救われたのが音楽だったんだ。それで、さらにエンタメ業界に対して憧れを持つようになったよ。
スクールを通し変わった価値観
ー音楽の力って偉大だよね…!スクールで大きな影響を受けたと言っていたけれど具体的にどんな影響を受けたのかな?
スクールの生徒は大学生だけでなく、高校卒業したばかりの人や社会人など、幅広い年代の人たちがいたの。
銀行員の人とかフリーターの方とか、「エンタメ業界に就職をしたい」と共通の気持ちを持っている人がたくさんいた。
そこで、価値観が変わったんだ。大学4年時に行われる「就活」に縛られてたんだなって気付けたんだ。
その時の就活に失敗したら人生終わりだってくらい重く考えていた。
けれど、他業界で働きながらでも、やりたいことのために頑張っている人の姿を目の当たりにしたことで、「何歳からでも挑戦できる」ことを理解したよ。
交友関係の広げ方
ー年齢や立場に関係なく、夢のために頑張る人を見て視野が広がったんだね!大学生はゼミなどの大学内、サークルや部活、アルバイトで交友関係を広げるイメージがあるけれど、ゆうかはダブスクで交友関係を広げたのかな?
私は趣味を本気でやっているから、そこで交友関係が広がったよ!オタク友達に、また別のオタク友達を紹介してもらったりした。
あとライブの後の飲み会で仲良くなったり。もちろんダブスクで出会った人々とも仲良くしているよ!
私の場合、大学外の人たちと深く関わるよう意識していたかな。人に影響されやすいから、「大学」というところだけに縛られていると、そこの価値観でしか物事を考えられなくなると思った。
あとは自分より経験値が高い人と話すのが楽しくて好きだったから、そういう人たちと自然と仲良くなっていたのかもしれない!
▲趣味友達とのプリクラ
就活×オタ活!嫌いなことを好きなことに転換
オタ活を就活に応用!?趣味から学んだ就活スキル
ー趣味を本気でやっていたからこそ交友関係を広げられたんだね!他に趣味をやっていてよかったと思うことはある?
オタ活で得た知識を就活に応用できたこと!私は就活ってライブと一緒だと思ってた(笑)
ジャニーズJr.のオタ活をしているのだけれど、そこで得た知識を就活に応用させたよ!例えば、ライブでファンサービス(以下ファンサ)をもらうには、推しの名前や何かメッセージが書いてあるうちわが必要なのだけれど、うちわを持つだけなら誰でもできる。
そこでファンサをもらうには、他のファンの子たちと差別化しなきゃいけないの。向こうから見やすい配色を考えてうちわの文字を作ったり、みんなが書くような、ありきたりなメッセージではなく面白い言葉を考えて書いたりした。
そうすれば推し(好きな人)の目にも止まってファンサをもらいやすくなるの!
就活も、他の就活生と差別化して自分をアプローチすることが内定をいただくためには重要。
エントリーシートとか、ほとんどの就活生は、インターネットで検索して出てきたテンプレートに従って書くと思う。
例えば「学生時代に頑張ったこと」という質問項目に対して、サークル活動のことを書く人、アルバイトのことを書く人なんて全国に何万人といる。書く内容も似て、みんなが似たテンプレに従って書いたら、差別化はできない。
だから、普通のことを面白く書くよう意識したり、書き方を工夫して人事の目に止まるようにしたよ。
うちわ作りでそうしたように!(笑)そう考えたら、就活とオタ活って同じ理論だ!と思った。ファンサをもらいたいという気持ちから就活に通ずるものを学べたの。
面接官も自分も”楽しませる”就活
あとね、例えば面接で「あなたを動物で表すとなんですか?」という質問に対し「ピエロ」って答えたりしてた(笑)
「何言ってんだこいつ?」と思わせて、面接官を楽しませようと心がけていたよ。
面接官もひとりの人間だし、楽しく面接できた子の方が印象良いと思わない?笑 エンタメ系を受けていたから特に、個性を出すようにしていたかな。
その他に、就活を楽しくしようとして就活のテーマソングを決めていた(笑)
もう本当に嫌!ってなった時はそのテーマソングを聴いて自分を奮い立たせていたよ。
あと、当時韓国のオーディション番組にハマっていたのだけれど、就活とオーディションって形式がほとんど同じだから「私はオーディション生だ!」って思ってみたり。嫌なものを好きなものに転換して乗り越えたよ。
結局第一志望の会社にはいけなくて、フリーターになることも考えた。
けれど、本気で就活したからこそ、本当にエンタメ業界にいきたいんだなって、自分の気持ちを再確認することができたの。
近い業界の会社の内定をいただいたので、そこで正社員としてスキルを積んで、結果を残してから、自分が行きたいレコード会社に転職しようとキャリアを考えているよ。
▲ライブを楽しむ様子。将来はゆうかさんがプロデュースする側に…!?
自分の気持ちに正直な決断を
決断力の秘訣
ーダブルスクールをすること、サークルに入らないということ、完全なる志望業界ではない業界で働くこと、全て大きな決断だと思う。その決断力の秘訣は?
何かに挑戦するときは「やらない後悔よりやる後悔」、辞めるときは時間が無駄だなって思ったら決断しているよ。
短期的にみたら決断できないことでも、5年後10年後とか長期的に見て違うなって思ったら辞める決断をしている。
大学生になって自分で決断ができるようになったの。今までは人に合わせてしまう性格から、自分とは異なる意見にも賛同してしまうことが多くて。スクールに通っていた時に、周囲の人が共感していたけれど、私はできなかったことがあったの。
そのことに不安を感じてスクールのスタッフに相談したら、自分の考えを貫けって言ってくれたんだ。
その時初めて自分のために生きようって思えた。今までは親のためとか友達のためとか、人のためにしか生きられなかったから。
読者へのメッセージ
ー最後に読者に向けてメッセージをお願いします!
大学に行かなきゃいけないとか、サークルに入らなきゃいけないとか、卒業後は就職しなきゃいけないとか、周りの目を気にしたときの正解はあるけれど、実際そういう正解はないと思います。
自分がやりたいと思ったことをやった方がいい。と口で言うのは簡単で、実際それができてたとしても周りの目が気になることも多々あるじゃないですか。
けれど、もし明日死ぬかもしれないって考えたときに今のままの自分でいいのかって考えて行動した方が、若いときは経験になるのではないかと…!
自分が何したいかわからないと悩んでいる人もいるかもしれないけれど、そうしたら人生経験豊富な人に話を聞かせてもらったり、そういう人が周りにいなかったら、自分より経験値が高い人と出会えるコミュニティに飛び込んでみることが大切だと思います!
どんな状況でも「自分らしさ」を貫くゆうかさんの強さを感じたインタビューでした。
嫌いなことを好きなことに転換させる考え方は、「そんな考え方があったのか!」と衝撃を受けましたし、オタクかつ就活生である筆者の心にも強く響きました。そしてこれは、誰でも実践しやすい、前を向く方法ではないでしょうか。
周囲の目を気にしてしまいできなかったこと、踏み出せずにいることがある人もいると思います。この記事が、みなさんが自分らしくいられる「手がかり」となりますように。
Writer:ぱすかる
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