【協定校留学】留学中断からの急遽就活。一度に多くの困難を乗り越えた彼女が得た学びとは

留学

今回の先輩大図鑑は、津田塾大学国際関係学科4年のコアラさん。大学の協定校選抜を勝ち抜き、オーストラリアにて念願の留学を7か月間経験した彼女に、協定校留学ならではの利点や苦労、さらに留学を通しての気づきについて多く語ってもらいました。

また、コロナの影響で急遽留学中断を余儀なくされたコアラさん。帰国後どのように気持ちを切り替え、就職活動に注力してきたのでしょうか。

協定校留学制度に興味を持っている学生の皆さん、特に必見です。

協定校留学までの流れ

協定校留学を選択した理由

―まず、どうして協定校制度を使った留学を考えるようになったのですか?

▲協定校留学の流れ一例

まず留学したいっていう思いは大学入る前からすごくあったの。これはお姉ちゃんの影響なんだけど、お姉ちゃんも大学で同じように協定校留学を経験していて。

その楽しそうな様子を写真で見たり、実際どうだったかとかいろいろ話を聞いていくうちに自分もいつか!っていう思いが強まって、留学に興味を持ったかな

お姉ちゃんって私にとっていつも憧れの存在で、留学に限らず私もお姉ちゃんみたいになりたい!って小さいころからずっと思ってたなぁ。

私が協定校にこだわったのは、就活のことを意識した部分が大きい。っていうのも協定校留学は大学の代表として、他国へ勉強しに行くわけだから学校ごとに行ける学生の枠数も1~3人と本当に限られているのね。だからこそ協定校留学を経験したっていうのは、言わば「大学のお墨付き」をもらえている証明になるというか。その点で就活の際に私費留学と差をつけることができるのかなって考えてたかな。あとはやっぱり大学からのサポートをいろいろ受けられるっていう安心感もあったよ。

留学先大学の志望理由

ー協定校留学実現に向け、1年生の頃から成績を高く保つことを意識していたコアラさん。実際に多くある協定大学の中でなぜ、オーストラリアのディーキン大学を志願されたのでしょうか。

環境学にすごく興味があったから、環境学が履修できる大学を志望していたの。はじめは国全体で環境問題に取り組んでいるイメージから北欧にある大学を第一に志望していたのだけど、そこは理系の大学だったんだよね。

だから文系の私が履修できる授業があんまりなくて断念した。それで自然が多いオーストラリアなら環境問題についてより実践的にも学べるかなって考えたよ。その中でも、ディーキン大学は、大学の授業と同時にインターンにも参加できる制度があるの。私は留学中いろいろなことに挑戦したい!って思ってたから、その部分に惹かれてディーキンに決めたかな。

 

ー私費留学と比べて、どうしても選択肢が狭まってしまう協定校留学。しかし限られた選択肢の中でも自分の学びたいこと、やりたいことが達成できる大学を見つけたことで、コアラさん自身の留学モチベーションにもつながっていたようです。

留学準備期間の苦労

留学準備の段階で苦労したことはありましたか?

そうだね、やっぱり現地大学とのやり取りが大変だったかな。寮の申請だったり、ビザや保険、その他現地の大学に提出する様々な書類とか複雑な手続きを、当たり前だけど全部一人でしかも英語でやらなきゃだったからはじめはすごく戸惑った。

しかも留学って多額な費用が掛かるわけじゃない?だからこそ余計に一つ一つの作業に責任を感じたりもして。でも大変だったからこそ留学前の準備を全部一人でできたんだっていう達成感もあったかな。

留学することが決まってすぐは漠然と留学に対して不安を抱えていたけど、そういう手続きを全部こなしていくうちに、だんだん留学することを実感してきたというか、心の準備をすることができたのかなって思う。

オーストラリアでの生活

ー物理的にも精神的にも留学へ向けた準備を着実に進めていったコアラさん。今度は実際の留学中の話を伺ってみました。

現地学生との交流の様子

留学先の大学での学び

ー留学中、どのような授業をとっていましたか?

初めの2か月間は語学学校に通っていたよ。そこでは学部授業に参加するために必要なレポートの書き方や、語学を中心に学んでいたな。

▲長期留学における一般的な流れの一例

あとは留学生がたくさんいるクラスだったから、留学生同士で仲良くなれて留学生活初めての友達を見つけられたよ。

2か月後からは現地生に混ざって学部授業を受けていたの。具体的には犯罪学、経営学、マーケティングとか学んでいたかな。環境学は次のセメスターでとろうって決めていたんだけど、結局コロナで緊急帰国してしまったから取れなかったの(泣)

休日の様子

学業以外の面で意識していたこと

ー留学生活の中で、学業以外で意識していたことはありますか?

まず、他の日本人学生とのかかわり方かな。留学初期の頃、短期留学という形で、他の日本の大学からたくさん日本人学生が来ていたの。その人たちが、ずっと日本人同士でかたまっているのを見て、せっかくオーストラリアにいるのにもったいないことしているなぁってすごい思ってた。だからこそ自分はもっとほかの国から来た留学生と交流を持つようにして、なるべく彼らとは関わらないようにしていたかな。

あとはフットワークを軽くすること(以下フッ軽)を意識してた!とにかく留学中は“英語を話さなきゃ”とか“英語力をもっと伸ばさなきゃ”とかそういう焦りが常にあって、他の留学生や友達から遊びに誘ってもらった時はあまり乗り気がしないようなものであっても、なるべく行くようにはしていたかな。

日本ではあんまりフッ軽キャラではなかったから自分でも自分の変化に驚いたけど、学校外でもいろんな人と交流する機会をたくさん持てて充実した留学生活をおくれていたと思う!

▲休日の様子

ー語学力の伸びに対する焦りはやはり多くの留学生が一度は体験する感情ではないのでしょうか。コアラさんは積極的に英語を使う場に飛び込むことで徐々にその焦りを乗り越え、逆に自分自身の自信につなげたようです。

留学後の自分の変化

ー留学を通して、語学以外に学んだことや、自分自身が変わったなと感じたことなどあれば教えてください。

一番変わったことは、以前より自分らしくいることをもっと意識するようになったことかな。留学前の私は、周りから見た自分の評価をすごく気にしていて、だから「普通」の女子学生として過ごすことを意識していたの。言い換えると、日本社会が女子学生に対してもつ一般的なステレオタイプから外れないように生きてきたというか。

でも、留学先で本当にいろんな考え方を持つ人々にたくさん出会って、自分らしくいること、自分らしさを見つけることの大切さを身をもって学んだよ。それで、「普通」である必要もないし、そもそも今まで自分を縛り付けてきた「普通」って基準は一体何だったんだろう、って考えるようになったかな。

だからこそ今は、何かを選択する際、“周りがどう思うか”じゃなくて、“自分がどうしたいか”っていう判断軸を新たに持つようになった!

休日の様子

ーコアラさんのお話を聞いて、留学は個人の過ごし方次第で語学以上に学ぶことが多いと改めて実感しました。

帰国と就活

ー留学開始から瞬く間に7か月が経過したころ、急遽帰国することになったコアラさん。帰国を決意した時の心境や就活への気持ちの切り替えについても語ってもらいました!

思いもよらぬ緊急帰国

ー大学から帰国を促すメールが届いたときどのような心境でしたか?

やっぱりはじめはすごく悔しい気持ちがあった。え、もう終わっちゃうの?って悲しくもあったかな。でもメールを受け取ったその日に家族と電話をして、今後の動向についてたくさん話し合っていくうちに「この状況は誰のせいでもない」ってことに改めて気づかさた。

だからこそ今自分がやるべきことをやるしかないなって考えるようになったの。

私は金銭的な負担を減らすためにも、絶対4年で卒業したいって強く考えていたから、正直帰国を決断するのは早かったかな。そのままもう少しだけオーストラリアに残るっていう選択肢もあったけど、やっぱり4年で卒業するって決めたのなら早く帰国して就職活動始めなきゃって思った。

就職活動への切り替え

帰国してからは、就職活動をすでに経験してきたお姉ちゃんにいろいろ助けてもらいながら、必死に就活してたかな。時期としてはだいたい4月頭くらいからスタートさせた。周りの4年生に後れを取っているっていう自覚もあったから、とにかく一生懸命だった。

だけど、はじめはやっぱり何から手を付ければいいのか何も分からなくって、ESってどうやって書くの?とか企業研究って何?って感じだった。当時はまだ志望する業界も特に決まってなかったしね。

お姉ちゃんとか就活専門のエージェントの人に助けてもらいながら、ひとつずつそういった不安やタスクを乗り越えていったな。だから気持ちの切り替えというより、目の前にある、やるべきことに集中していたって感覚だったかなぁ。

 

留学終了と同時に就職活動にすぐさま取り組んだコアラさん。やるべきことに優先順位をつけ集中して取り組んだ彼女だからこそ見事内定を獲得できたのだと感じます。本当にお疲れ様でした。

おわりに

ー最後に、読者に向けて一言メッセージをお願いします!

私は自分がずっと留学を目指してきたということもあって、「留学」っていう経験がすごく意味のあるものになった。でも、だからと言って一概に「留学はいいですよ、皆さんぜひ挑戦してみてください」って言うのは違うなって思う。

大切なのは自分がやりたいことを自分で見つけること。

コロナの影響で留学が中止、延期になってしまった学生もたくさんいると思う。悔しい気持ち、やるせない気持ちを考えたら本当、胸が苦しくなるけど、本当にやりたいって考えていることなら今後絶対またチャンスが来ると思う。今の状況だからこそできることを1つずつこなしていくうちに、新たな目標を見つけてほしいな。

あと、やりたいことを探している学生さんへ。

できるだけ今持っているコミュニティ以外の環境に身を置いたりして、とにかくいろんな刺激を得てほしい。少しでもいいかもって思ったことにチャレンジしてみると違った世界が見えてくるはずです。

インタビューの中で、彼女の「“周りがどう思うか”じゃなくて、“自分がどうしたいか”っていう判断軸を新たに持つようになった」という言葉が印象的でした。

自分の意志で選択していくことの大切さを彼女の言葉を通し、改めて実感した学生も多いのではないでしょうか。

不安定な社会だからこそ、やるべきこととやりたいことをより明確にして日々を過ごすことが大切ですね。

この記事がより多くの学生の挑戦を後押しできますように。応援しています。

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