今回の先輩大図鑑では、九州大学経済学部経済工学科4年生のジュンさんにインタビューをさせていただきました。
ジュンさんは大学3年時に第2外国語の中国語の習得を目標に、国立台湾大学に留学しました。帰国後はすぐに就職活動に取り組み、総合商社の総合職に就職先を決めます。
留学経験のみならず、学生生活の経験がどのように就職活動に活かされていたのかということまでじっくりとお話ししていただきました!
自分の経験をどのように就職活動に活かすべきか悩んでいる学生さん、就職活動を意識して行動を起こしたい学生さん、必見です!
留学を目指すきっかけはアメリカでのホームステイ
ージュンさんが大学生活の中で自分の考え方や行動が変わった大きなきっかけはあったかな?
僕は大学1年生の5月ごろに、大学の国際交流サークルに参加して、留学生と交流していて。そこで出会ったアメリカ人の友人に、夏休みの1か月間ホームステイをさせてくれないかとお願いしてみたんだ。現地ではホームステイと、その友人のご家族とアメリカ国内を旅行したよ。
▲アメリカ旅行での写真
ーすごく素敵な経験だね!その経験がどのようにジュンさんの考え方を変えていったのだろう?
僕はもともと英語は全然話せなかったし、その1ヶ月間のホームステイで英語が凄く上達した訳でもなかった。ただお世話になったご家族にお礼の言葉も含めて自分の感じたことや思ったことを言葉に出来ないことをすごくもどかしく感じた。日本にいると、「英語が話せない」ということがある種当たり前の環境にいるよね。
でも現地に行ったことで、そのできないことが当たり前という環境に甘えてしまっていた自分に気づいたんだ。この経験から、僕はやっぱり留学に行ってもっと英語を学びたいと思うようになって本格的に英語の勉強を始めた。
台湾留学への挑戦
なぜ中華圏への留学を選択したのか
ージュンさんは英語圏ではなくて、台湾に留学したよね?!英語圏留学ではなく、なぜ中華圏留学を目指した?
もともとは英語圏に留学しようと考えて、留学の英語試験の基準スコアを取得するために勉強していたよ。でも実は、僕第2外国語で中国語を選択していてさ。ある中国語の授業で、「日本の大学生は卒業するときに自分だけの武器を持たずに卒業してしまうことが問題だ」という中国語の先生の言葉がとても印象的だった。
これを聞いたときに、自分が持てる武器は何だろうと考えて。英語ってもはや社会のスタンダードになりつつあるなって思ったから、英語ができることは特殊な武器ではないと感じた。だから僕は、英語だけじゃなくて中国語を習得して自分の武器にしたいと思って中華圏への留学を考えたよ。
▲大好きだったcocoのドリンク
ーなるほどね…。中華圏への留学というと、中国、台湾、香港、シンガポールなどが挙げられると思うのだけれど、台湾にした理由はあったかな?
そうだな…。気候や食文化、生活習慣や日常的に学べる言語について留学経験者に話を聞いて判断したよ。それと他の国に比べて、個人的な印象で台湾はとてもいいイメージがあって。実際に現地の人もとても親しみやすくて、台湾を選んでよかったと思っている。
留学延長という決断
▲台湾でのハロウィン
ー第2外国語での留学だと、留学の初期は言葉が分からなくて壁にぶつかることも沢山あったと思う。
台湾では英語の授業をメインに、留学生向けの中国語の授業をサブ的な感じで履修しようと思っていた。でも実際は、日常生活はぜんぶ中国語だし、授業も中国語の学習が中心的なものだったからおのずと中国語に触れる機会が多くなっていったかな。
自分はもともと1年間の交換留学を予定していたんだけど、半年間留学期間を延長して、合計1年半留学をしていた。
▲台湾での年越し(101花火)
ーなぜ期間を延長したの…?
留学をしていると、当初の自分の目標からだいぶ目標が変化していって、最終的にはレベル別に8つあるクラスの内一番上のクラスに入ることが目標になっていった。
自分は留学当初は中国語はほとんどできなかったから、8つのクラスのうち、1番下のクラスからスタートしたんだよね。
ー1番上のクラスを目指すってとても高い目標設定だったと思う。最終的にその目標は達成できたのかな?!
できたよ!半年間延長して良かったなって思った!
大手商社総合職に内定までの道のり
学習塾運営メンバーとしての経験
▲学習塾運営メンバー集合写真
ージュンさんは台湾の留学を終えてからすぐに就職活動を始めたよね。(帰国は2020年2月)就職活動では、やっぱり台湾留学の経験を「ガクチカ」として話していたの?
いや、台湾留学のことももちろんガクチカとして話していたけれど、それよりも、大学1~3年生のころに九州大学の学生だけで運営する塾を起業した先輩に誘われて、塾の運営メンバーとして仕事をさせてもらった経験を話していたよ!
ーなるほど…具体的にはどんな仕事に携わっていたのかな?
その塾は、「大学生だからこそ伝えられる情報がある」ということをコンセプトにしていて、講師や運営スタッフ全員が九州大の学生なんだ。塾って他にもたくさんあるじゃん?だから、他の塾との差別化は「情報を伝える」というところだった。だから、ただ勉強を教えるだけではなくて、九州大学への進学を目指す学生が、大学とのミスマッチを減らすために、さまざまなイベントを開催して「情報」を届けていたよ。そのイベントの部門長を務めていた。
イベントでは、九州大学の留学生や教授や学生を招いて学部の学びを体験させたり、講演をしていただいたり、たくさんの人に協力を仰ぎながら企画を進めていたよ。
ーイベント部門長としての学びってどういうものだった?
就活風にまとめていうのであれば、イベントを1つ開催するだけでも、他人をうまく巻き込んで協力してもらうことの難しさを知ったかな。どうすれば人は動いてくれるのかということを深く考えるいい経験になったよ。
塾だからもちろん営利団体としての活動になるから、ただお金を稼ぎたいという考えに重きをおいてしまうと絶対に教授や他学部の学生の協力を得ることはできない。だから、イベントへの協力を依頼するときには、自分たちが根本に持っている塾の理念を何度も足を運んで伝えたり、自分たちが本当に望んでいる利益は金銭的なものではなく、中・高生が本当に自分が学びたいと思えるもの見つけて自分の意志でその未来に向かって歩み出してくれることだと伝えていた。
やっぱり人を巻き込むことってすごく難しいけれど、最終的にはお互い人間だからこそ利害関係抜きにして気持ちをしっかりと伝えることが大事なんだなって学んだよ。
ーなるほどね…。こういう交渉力や相手を動かす力って商社においてもきっととても重宝される経験や力だよね。素敵なガクチカ!
商社業界を志望した理由
ー最終的にジュンさんは商社業界を志望して就職活動をしていたよね。なぜ商社を志望していたのだろう?自分は正直「これがやりたい!」ということがなかったんだよね。だから就職活動では、仕事で関わることが出来る分野を絞り過ぎないようにしたいと思ってて。総合商社だと、社内にはたくさんの事業部があること=チャネルの豊富さが魅力的だなと考えて志望していたよ。
自分が塾で運営メンバーとして働いていた時も、イベント部門長として色んな人達と関わり合いながら学生に対してあらゆるソリューションを提供出来ることにやりがいを感じたし、自分も凄く楽しかった。これと同じような経験が商社でなら実現することができるなって思えたことも、志望理由の一つになった。
ーなるほど…大学生活での働くという経験から、自分の働きたいと思える環境を見つけ出したっていう感じだね。一見相関がないように見える経験でも、就職活動のときに役立つ経験になるんだって学べたよ。
大学4年間の変化と成長
▲高雄の美麗島駅(世界で最も美しい駅2位らしい)
ー大学生活を通して、ジュンさんの中で変化したものってあったかな?
一番変化したのは、メンタルの持ち方かな…。
自分は大学入学当初は何か新しいことに挑戦する時にネガティブな面ばかりを考えてしまい、半ば強引に自分を奮い立たせないと行動できなかった。でも台湾留学を通して、自分のコンフォートゾーンが広がって、色んなことに対して自信を持って行動する勇気が持てるようになったなぁ。留学って常に何らかのストレスにさらされている状態だから、そういうストレスがかかる状況でも目標に向かって行動できたことが、自分の自信にも繋がっていったかな。
ージュンさんは4月から社会人だよね!最後に、コロナ禍でも就職活動や、自分の挑戦したいことに対して頑張りたいと思っている学生さんに向けてメッセージをお願いしたいです!
コロナが流行してから約1年が経って、どうしても悲観的な考え方を持ってしまうこともあると思う。でも、そういう状況でコロナなどの外部要因にばかり目を向けて「他責」にしてしまうことはあまりいいことではないと思うんだ。自分にとって苦しい時だからこそ、自分の夢や目標に向かってその時に出来ることを前向きに続けていく。
そして日々の小さな努力を意識的に丁寧に積み重ねていくと、いつか無意識でこれまでは考えられなかった大きな行動が起こせるようになっていくと思う。これは自分も大学生活を通してできるようになったこと。自分も、これからも日々の小さな行動から積み重ねていきたいと思っているよ。
ジュンさんはインタビューを通して、就職活動のためだけに学生生活を送るのではなく、自分の目の前にあることに真摯に取り組んだことが、おのずと将来の選択に繋がってくるということを教えてくれました。
ぜひ読者のみなさんも、「意識的な小さな行動の積み重ね」から自分の行動を変えていってみてはいかがでしょうか?
Crews×Cluesは、みなさんに変化のきっかけとなる言葉を届け続けます。
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