今回の先輩大図鑑は、人間文化学部国際コミュニケーション学科を2021年3月に卒業した、しのさんにインタビューさせていただきました。
しのさんは中学・高校の教員免許の取得、体育会系ウィンドサーフィン部への所属、約9か月間の台湾留学、そして日本語教師免許取得の専門学校に通うなど、大学生活を通じて多くの活動に力を入れてきました。
そしてこの春から晴れてオンライン日本語教師として、香港・台湾の会社や学校で仕事を始める予定だそう。
様々な活動に情熱を注ぎ、大学生活の学びのすべてが活かされる職業に巡り合えた軌跡を辿ります。
中学・高校の英語教員免許取得
ーしのちゃんは教育学部ではなく、国際コミュニケーションを学ぶ学科に所属していたよね。なぜ教職過程を履修して、教員免許取得を目指したのかな?
中学・高校の頃は自分は絶対先生とかならん職業やなーと思っとったけど、親の勧めがきっかけで、とりあえず教職課程を履修したの。でも勉強するうちに教育に関してすごい興味が沸いて、英語でも日本語でも教員になりたいな~って思うようになったかな。
ー資格を取ろうと思って勉強したら、自分の興味に繋がったんだね!
ーでも、例えばTOEICや中国語検定みたいな資格とは違って、教員免許を取得するってとても大変なことだと思うの…。実際4年間教職過程を履修することは大変じゃなかった…?
あー、結構周りはやめていった子が多かったなぁ。教員免許は取りたいけど、すぐに教員になるかわからへんし…っていう状況だし、やっぱり勉強は難しかったりする。レポートも実習もすごく時間がかかるし、正直辞めたいなとは何回も思ったよ(笑)
ー教職課程を履修する中で、一番大変だったことはどんなことかな?
まずはレポートに関してとても厳しく評価する先生の授業があったことはしんどかったなぁ。あとは模擬授業も結構あるんだけど、正直模擬授業することがすごい嫌で学校に行きたくなかった(笑)
ーそっかそっか。しのちゃんは教育実習にも行ったのかな?
行ったよ!行く前は本当に教育実習に行きたくなくて(笑)教育実習があるから免許取るのを辞めようと思ったこともあった(笑)でもいかな免許取れんし…って思って勇気出して行ってみたらすごく楽しかったの!そのときに教員っていいなって思うことができたよ。
▲教育実習の時の写真。実習に対して前向きになれなかった自分から、実習後には勇気を出して実習に行ってみてよかったと思える自分になりました!
ー教員免許を取得するって簡単なことではないよね…。辞めたいと思っても最後まで続けられたのはなんでだろう?
周りに頑張っている仲間がいたから、自分だけここで諦めるのも嫌だなって思ったし、勉強を積み重ねていくと、ここでやめるのももったいないな…っていうことを繰り返したら最後までいけた(笑)将来いつか絶対役に立つっていうモチベーションでやっていたかな。
体育会系ウィンドサーフィン部に所属
ーしのちゃんは教員免許取得を目指しながらも、体育会系の部活に所属していたんだね。なぜ「体育会系」でかつ「部活動」を選んだんだろう?
そうなの。滋賀県にある琵琶湖でウィンドサーフィンをやっていたよ。高校時代はテニス部に所属していて、一緒に本気になる仲間がいたことが自分にとってとても良かったの。だから大学に入っても、学部学科に関係なく、本気になれる仲間がいたら大学生活がもっと充実するかなって思ってウィンドサーフィンを始めてみたよ。でももう一回1年生から始められるとしたら、絶対部活入らんと思う(笑)
▲ウィンドサーフィンの様子。超ハードな練習を乗り越え、一生の素晴らしい仲間と出会いました。
ーちなみにどれくらい練習するの?
土日は丸1日絶対に練習いかなあかんくて、平日は自主練習やけど、自分だけがいかんかったらみんなに置いていかれるし上手にもならへんから、週2は絶対練習に行ってた。
やって良かったと思うし、先輩も後輩もいい人やったけど、しんどい思い出もあるかな。正直辞めたいなーって思ったりもしたけど、途中でやめるっていう自分の選択が嫌だった。だから引退まで続けたよ。
ー教員免許を履修したり、体育会系の部活を通して何かしのちゃんの中で変化したモノってあったかな?
人から聞いたイメージで物事を捉えるのではなくて、実際に自分で体験してみなわからんなってことかな。教職過程を履修することもすごく大変って聞いとったけど、一つずつ積み重ねて行けば絶対にゴールは見えるからね。
認定留学で台湾に留学
認定留学で希望の大学で語学の勉強に励む
ーしのちゃんは台湾留学にも挑戦したよね!なぜ台湾に留学をしようと思ったのかな?
私の学科では2年の秋から8割くらいの学生が留学に行くの。私も高校の時から英語圏に留学に行きたいって思っとって。大学に入って第2外国語で中国語を勉強し始めたことで、英語プラスもう1言語話せるようになりたいなって思って台湾にしたよ。中国語圏への留学というと、中国か台湾になると思うんやけど、中国に旅行に行ったときに食べ物が少し合わんかったから長期で住むのは難しいなって思って台湾にしたよ。
▲留学先でしのさんのことを一番理解し、寄り添ってくれた台湾のお友達のAさんとの一枚。台湾のウユニ塩湖と言われる絶景スポットの高美湿地。
ーしのちゃんはどういう形の留学だったのかな?交換留学?
私は「認定留学」という留学方法で台湾に留学したよ!もともと大学が提携している大学以外の大学に留学したいと思って、自分で留学エージェントを探したの。認定留学は、自分が行きたい大学を選んで、自分が所属している大学に提出して、その留学先の大学が認められたら、単位交換ができる留学のことなの。
▲認定留学と交換留学の違い(参考サイト:https://www.ryugaku.co.jp/absence/)
台湾留学期間の苦労と成果
ー留学前の語学レベルはどのくらいだったのかな?
1年半大学で授業は履修していたけれど、本当に簡単な挨拶とか自己紹介とかができるくらいのレベルだったよ。大学で習う中国語は簡体字なんだけど、台湾は繁体字を使うのね。最初の1か月くらいはテキストに書かれている繁体字が全然わからなくて苦労したけれど、3.4カ月くらい経つと、繁体字の方が簡体字よりも日本語の感じに近いから勉強しやすいなって思えるようになったかな。留学後には、難しい討論でなければ、自分の言いたいことは基本的に喋れるくらいの語学力がついたよ!
▲簡体字と繁体字の違い(参考サイト:https://www.ooh.co.jp/inbound/chinese.php)
ー台湾留学で苦労したことはあったかな?
周りの日本人留学生と比べて自分の語学力が劣っているかなって比較してしまっていて…今考えると何でそんなことで悩んでいたのかなって思うけど(笑)悩んだ時は結構人に話して解決していく性格だから、当時は日本人留学生の友達に相談してた。あとは日本との生活のギャップが大きすぎて(笑)留学に行く前までは教職の授業とか部活とかアルバイトとか、毎日毎日時間がない生活をしていたから、台湾に来て逆に時間がありすぎることにびっくりしちゃって「こんなんでいいのか…?!」って思っちゃったりしていた。でも勉強したり、友達とご飯を食べたり、日本語を少し教えたり、ゆっくり過ごすことができてよかったなって思ってる!台湾は気候も日本と似ていて過ごしやすいし、ご飯もおいしいし、人も優しいし、日本人にとっては繁体字の方が学習しやすいのかなって思うから、留学先としてはおすすめするな~!
▲しのさんおすすめの台湾のスイーツ。絶品です!筆者も大好きです✨
日本語教師免許取得
教師×語学力×外国人との関わり=日本語教師
ーしのちゃんは日本語教師免許の取得もしているよね!
私の大学では日本語教師免許の取得はできなかったの。だから台湾留学後は、大学の授業と両立しながら、1年半くらい、日本語教師免許取得の専門学校に通ったよ!
ー中学・高校の教員免許に加えて、なぜ日本語教師免許の取得をしようと思ったのかな?
台湾に留学していた時に、中国語の先生がすごくわかりやすく教えてくださって、語学の先生ってすごいなって思ったことがきっかけかな。あとは留学中に日本語を教える機会があって、日本語を教えることって難しいけどとってもやりがいがあるなって思ったこと、もともと教師に興味があったこと、外国の方と関われる仕事がしたいっていう3つの思いが合わさった時、日本語教師になりたい!っていう考えになったよ。
ー専門学校ではどういう生徒さんが多いのかな?
大学生よりももっと上の年齢の方が多かったよ!大学では出会えなかった仕事を引退した方や、主婦の方とか、幅広い年代の人と関わりながら学べたことが本当に楽しかった!自分は週2回大学の授業がない曜日に、専門学校に通っていたんだけど、前日は学校に行くことが楽しみ過ぎて(笑)専門学校の授業は時間帯や進度をすべて自分で調節できて、平日の夜も授業が取れるから働きながら専門学校に通っている方もいたよ!
▲日本語教師になるための方法(参考サイト:https://www.jpns.kec.ne.jp/kyousi.html#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%9B%B3%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86,%E6%A4%9C%E5%AE%9A%E8%A9%A6%E9%A8%93%E3%81%AB%E5%90%88%E6%A0%BC%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82)
オンライン日本語教師として働く
香港・台湾と繋がりを持つ仕事をする
ーしのちゃんは大学入学当初は教員になることにはあまり興味を持っていなかったところから、将来の夢はどのように変遷していったのかな?
大学での教員免許の取得のために勉強してみたり、台湾に留学してみたりしたことで、教師っていう「人の記憶に一生残る仕事」ってとても素敵だなって思うようになったの。あとはアルバイトをしたことで接客やサービス行はあまり向いていないなっていうことに気づけたことも大きかった(笑)
もうすでに香港の会社でオンライン日本語教師として外国人の生徒さんにプロ講師として日本語を教えたり、台湾の日本語学校のオンライン非常勤教師としても働くことが決まっているよ!時間も場所も拘束されずに働くことができるよ~。今はコロナでオンラインでしか仕事ができないんだけど、コロナが落ち着いたら日本語学校の教師に応募してみたいと思っているよ!あとは、将来的には外国に住みながらオンラインで日本語教師を続けるのも夢かな!台湾にワーキングホリデーに行くことも目標の一つなの!
▲オンライン日本語教師で担当した生徒さんからのメッセージ。しのさんの仕事へのモチベーションに繋がっています。
ー大学での学び、経験を120%以上活かされているお仕事だね!香港の会社の講師として、レッスンはどんな感じでやるのかな?
基本は1on1でレッスンをやるよ!生徒さんの語学レベルに合わせて教科書を使ったりニュース記事を読んだりする。日本語が通じる人には優しい日本語でレッスンするし、もし日本語初心者の場合は、英語や中国語を使ってレッスンをすることもあるね!日本語・英語・中国語の3つの言語を使って仕事をしているよ!
最後に。
ー将来の夢を自分の努力でつかみ取ったしのちゃん。最後に読者のみなさんに向けて一言お願いします!
部活も、台湾留学も、日本語教師の専門学校も、やる前はすごく不安だった。でも「やりたい!」って思ったらとりあえずやってみて、そこで合わんかったら辞めればいいと思う。やらずに後悔するのは絶対いややってずっと思ってきた。興味があるなら周りに伝えてみてほしい!協力してくれたり、助けてくれる友達や家族がいるかもしれないからね。何事も挑戦してみるのが大事かなって思う!
何事にも妥協しないしのさん。不安な気持ちを抱きながらも、目の前にある「やってみたい!」ということに挑戦し続けたことで、見事自分が一番生き生きと仕事ができる日本語教師という夢をつかみ取りました。
与えられた環境をどう生かすか、自分がなりたい自分になるためにどういう努力をする必要があるのか。その果敢な挑戦心と諦めない姿勢に背中を押された方も多いのではないでしょうか。
しのさんの言葉がみなさんの勇気に繋がりますように。
Writer:namin
コメント