【留学中止】フライト5日前に渡航制限。女子大生が見つけた心の整え方

留学

先輩大図鑑15本目!今回は津田塾大学国際関係学科4年のさきさんにインタビューしました!

さきさんは自分に合ったプランを見つけるため様々な留学方法を検討し、最終的に理想の留学生活が叶えられると考えたカナダの語学学校へ留学に行く予定でした。しかしコロナウイルスの流行により、留学は中止に。絶望的な状況の中、新しい目標を見つけ、現在はその目標に向かい努力をしています。

自分に合う留学プランの探し方から、留学中止による気持ちの整理の仕方まで、詳しく語っていただきました。

様々な経験が留学を志すきっかけに。

さきさんはカナダに語学留学に行こうとされていたのですよね!どうして留学に、その中でもカナダに行きたいと考えましたか?

高校2年生の夏、1か月間アメリカのニューヨーク州でホームステイをしたことと、修学旅行でマレーシア、シンガポールに行ったことがきっかけだよ。マレーシアでは現地の学校に行き、違う国の同世代の子と仲良くなる楽しさを知ったんだ。色々な国の人と関わることがすごく楽しくて。それで留学に興味を持つようになったよ。

カナダに興味を持ち始めたのは、大学2年生の時に所属していたゼミがきっかけ。難民・移民問題を扱うゼミだったの。そこでカナダのエスニシティや多民族性を知ったことで、カナダに興味を持つようになった。

▲留学を志すきっかけとなった修学旅行を楽しむ、高校生の時のさきさん

ー留学先はどのように探しましたか?

「留学したい!」と思い立って、まずはインターネットで留学のエージェントを調べたんだ。そこで見つけた「留学ジャーナル」と「Wish(ウィッシュ)」を詳しく調べてみた。大学2年生の時に患った病気との兼ね合いを踏まえて、ウィッシュにすることにしたの。現地に日本人スタッフもいるということで、すごく安心感のある環境で留学生活が送れると感じたこともポイントが高かったな。

そしてウィッシュの事務所に行ってカウンセリングを受けたんだ。最初は留学に行きたいという気持ちだけで、詳しいプランなど思いついていなかったから、カウンセリングを受けてエージェントの人と話すことで何がしたいか、どういう留学生活を送りたいか整理したよ。

 

ー事務所に行ってカウンセリングを受けることでご自身の気持ちを再確認することが出来たのですね!行こうとしていた学校の決め手は何ですか?

カウンセリングを受けた時はWebデザインの勉強に興味があったんだ。Webデザインを専攻するために留学しようと思っていたくらい、強く学びたいと考えていた。そこで「WEBデザインが学べる学校はありますか?」ってカウンセラーに聞いてみたの。

そうしたら、専門学校に入る方法や、その専攻できる大学など、いろいろお勧めしてもらって。その中のひとつに語学学校があったの。その語学学校ではWEBデザインはもちろん、広報やカナダの環境問題・文化など、幅広いカリキュラムから授業を選択できる制度で!

WEBデザインの授業を履修しつつ、多様な学問に触れるという留学生活が自分の中でしっくりきたんだ。多様な学問に触れれば、自分に何が向いているか見つけられると思ったから。

さらに、授業だけでなくボランティアのプログラムがあったこともすごく魅力的だった。それは現地のNPOと繋げてもらえて、そこでボランティアするプログラムで。ボランティアを通して現地の人と関わることで、より深く現地のことを知ることができると思ったし、自分が社会に出て何がしたいのかを知る手立てになると考えたんだ。それで、この学校がいいなと思ったの。

 

ー留学の種類はいろいろあって、例えば大学同士が連携している協定校留学などがありますが、私費留学にしようと考えたのはどうしてですか?

▲長期留学の一般的な流れ(例)

大学の協定校留学を検討したこともあったよ。バックに大学がついている安心感もあるなと思ったから。けれど枠(行ける人数)が少なかったり、協定校留学の体験談を聞いて、自分には合わないと思ったんだ。

私の場合、課題に追われていっぱいいっぱいになってしまって、それだけの留学生活になってしまう気がして…。ボランティアなど学問以外のことも経験しつつ、様々な国の人と交流するコミュニケーションを重視した生活がしたかったんだ。語学学校なら、自分のペースで理想的な留学生活が送れると考えたの。あとサポートが手厚くて安心感もあった。

 

海外インターンも検討したこともあったよ!インターン一例のようなものの中に、ニューヨークで着物を貸し出しするお店のインターンがあってそれがすごくいいなと思ってた。

けれどちょうどその時期に体調を崩してしまっていて…。どこまで人と関わりを持つことができるか明確ではなかったことと、インターンに申し込んでから企業とのマッチングをするから、行きたい企業に確実に行けるわけではないことも考慮したら、これは自分にあってないなと思ったんだ。

▲弓道部に所属しているさきさん。日本文化に触れていたことも留学を志した理由の一つであったそうです。

突然の渡航中止と心境の変化

ー協定校留学、海外インターン、複数ある選択肢の中から自分に合っている留学の仕方を見つけたさきさん。留学生活に対する期待も大きかったと思います。そのような中での渡航中止…。どのように考えて過ごしていましたか?

私の場合、出国の5日前くらいにカナダが入国制限をしたの。制限が出る前は行く気満々だったから、どうしようってすごく焦った。現地に持って行くお土産や自己紹介用の手作りアルバムを用意したり、バタバタとパッキングを進めていたのに突然行けなくなってしまって。

日本も外出自粛が呼びかけられ始めて、どこにも行けない、何もすることがない、どうしようって思ってた。そんな時に、似た状況の友人たちから連絡が来て今後どうするか話したんだ。

 

そこで、復学することを決めた(2020年度は留学に行くため休学をしていた)。その時は夏出発に延期になっていたから、前期は日本にいることが確定していたし、何もすることがないなら、ゼミなどに参加して大学の勉強を進めたいなと思ったんだ。

そうなるとオンライン授業に参加するわけで、パソコンの画面に部屋が映る!やばい!ってなって断捨離をしたりしたよ(笑)授業を受け、卒論を進めて、掃除をして、友人と電話して悩み相談して…って過ごしていたなぁ。

 

ー突然の渡航延期に戸惑いながらも、その時の自分がやるべきことをしっかり見つけて過ごしていたんですね。その後夏出発もできない状況になりましたが、どう気持ちを切り替えましたか。

同じ大学で同じ学年、同じ状況の人たちで集まってzoomで話す会があったの。その時に「もう留学は中止にして大学院に進学することに決めました」とか、吹っ切れてしっかり次に進んでいる同期の姿を見て自分もしっかりしようと思ったんだ。それまでは何も考えられないし考えたくない…という状況だった。

それから友人やゼミ生、就活支援団体の人と話していくうちに、新たな目標も見えてきたの。それに向かって日本で頑張ろう、自分も前を向こうという気持ちになった。

あとコロナの状況がすぐにはよくなると思えなかったのもある。いつまで続くかわからない、そんな状況の中で留学に行っても、「多くの人とコミュニケーションを取る」という理想的な留学生活は送れない。そう冷静に考えられたことも気持ちを整頓できた理由のひとつだよ。

 

もちろん前を向けない時期もあったよ。夜になって「本来なら今頃留学にいけていたのにな」と突然悲しみに襲われて泣くこともあった。けれど、日中は活動できていて。私は過去に体調を崩して大学にいけなくなって、日中も活動できないという時期もあったから、その時に比べれば、今はショックを受けつつも活動できてる、と良い側面で物事を捉えるようにした。

あとは似た状況の友人や、その他の友人、家族、他にもこの半年間で相談し助けてもらった人たちなど、とにかく人と話すことでメンタルを保っていたよ。

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▲後ろを向いていた気持ちを整え、今では元気に過ごされています!

大切なのは、心が折れる前に助けを求めること

ー最後に、留学が行けなくなってしまった同士や、留学に興味がある後輩たちへメッセージをお願いします!

「レジリエンス」が重要だと思っています。「レジリエンス」とは、困難が来た時に一旦落ち込んでもちゃんと回復すること。心がポキっと折れて「もうダメだ」となってしまうことなく、復活することが大切だと思います。

そして、折れないためには周りの友人に話したり、ひとりで抱え込まないことが必要だと思っていて。この状況だと折れそうになることも多いと思うけれど、折れそうになる前に人に話したり、愚痴を聞いてもらう、そういう風にあって欲しいです。

 

それに付随して私は「相談すること」ができるのも一つの能力だと思っています。私は過去に体調を崩して大学に行けなくなってしまったことがあって、その時に周りに助けを求めることができなくて。気付いたら学校に来なくなっていた、そんな状況になっていました。

こういうことに困ってるということは恥ずかしいことだと思っていて…。けれどそれができなくてポキっと折れてしまい周りに迷惑をかけたり、自分の人生を無駄にしてしまうのは違うなと思いました。自分が辛いときに周りに「助けて!」って言えることは本当に大切なことです。

 

ーゆっくりと丁寧に、優しい口調で語ってくださったさきさん。留学に関してしっかり考え、自分に合うプランを見つけ出した方法はこれから留学を検討する人の参考になったのではないでしょうか。また、コロナ禍で留学が中止になってしまった人は少なくないと思います。苦しい思い出をシェアするという勇気ある行動をしてくれたさきさんの話は、多くの同士の心に響き、痛みを和らげるものだったのではないでしょうか。辛いことを乗り越え、新しい目標に向かって努力しているさきさんの今後が楽しみです!

「人に相談できること・助けを求めることができることもひとつの能力」

読者のみなさんの中にも、人に相談することが苦手でひとりで抱え込んでしまうくせがある方もいるのではないでしょうか。そんな時はさきさんのこの言葉を思い出し、自分で自分を勇気付けて欲しいです。

そして、この記事を読んでくれているみなさんにはクルーズがついています。私たちはみなさんの想いにとことん寄り添い続けます。

もし悩んだりしたら、いつでもクルーズに戻ってきてくださいね。みなさんの声が次の「先輩大図鑑」に繋がり、新たな一歩の手助けになります。

この記事がみなさんが一歩を踏み出す「きっかけ」になると幸いです。

コメント

  1. […] ※コロナの影響で留学中止になった他の先輩の記事 […]

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