【番外編】卒業論文執筆経験談2020 —コロナ禍でも学び続けるヒント—

受験・勉強

今回は番外編!テーマは、多くの大学4年生が取り組む卒業論文(以下、卒論)です。

今春卒業する大学4年生は、大学最後の年が始まると同時に新型コロナウイルスの感染が拡大し、誰も経験したことがない状況下で卒論に取り組むことになりました。今回は、そんな経験をした3人の大学4年生がコロナ禍の卒論執筆経験を語ります。

まだまだ予断を許さない状況が続く今、卒論執筆やこれからの勉学に不安を抱いている大学生も多いのではないでしょうか。3人のエピソードが、そんな不安を和らげるヒントになるかもしれません。

▲今回の対談メンバーはこの3人!

文献探しの工夫

文献へのアクセス方法

らんぼ:私たちが4年生になった4月は、ちょうど1度目の緊急事態宣言の時だったから、公共の図書館も閉まっているところが多かったし、大学にも入れないし…っていう状況だったよね。「卒論書くのに、文献をどうやって手に入れたらいいんだろう…?」って不安になった覚えがある。結局1年間オンライン授業だったから大学に行く回数も少なくて、図書館にも頻繁には行けなかったりしたじゃん。そういう時に文献の収集はどうしてた?

さき:私も最初はどうすればいいのかわからなくて、正直唖然とするばかりだったな…しばらくして、大学の図書館から郵送で本を借りられるようになって、ようやく動き始めた感じ。その時は、前に読んでもう一度読みたいと思ってた本をまず借りて確認したかな。

らんぼ私はGoogle ScholarCiNiiJ-stageみたいなネットで論文を検索するシステムもかなり使ってたな~。結構たくさん関連する論文が出てくるから、色々見て参考にしてた。

さき:私も、ネットも結構使った!卒論だけじゃなくて、普通のレポートを書くときも、普段は図書館で本を何冊かパラパラ見ながら内容を考えたりしていたのね。でもそれができなかったから、ネットで関連する論文とかを調べて書く内容を考えたりしてた。

らんぼ:私は地元に結構大きい図書館があって、そこもかなり通ったよ!あまり難しい本はないけど、学術書もそこそこあったから便利だった。2人は大学以外の図書館も使ったりした?

あや:私の地元の図書館は全然学術書置いてなくて、行かなかったかな~。

さき:私もそうだった。

あや:でも、国会図書館は何度か行ってた!なんでもあるし、本を持ち出すことは出来ないけどコピーならできる。東京周辺の人でなかなかアクセスできない文献があるって人は行ってみるといいと思う!

※国立国会図書館は、新型コロナウイルスの影響で入館人数の制限を行っています(2021年2月25日現在)。足を運ぶ際は、公式ホームページをご確認ください。

国会図書館 

※国立国会図書館は、新型コロナウイルスの影響で入館人数の制限を行っています(2021年2月25日現在)。足を運ぶ際は、公式ホームページをご確認ください。

らんぼ:確かにそれはいいかも!2人は、本を買ったりはした?

さきあや:買った!

らんぼ:可能なら、よく使う教科書的なものは買ってもいいかもって思った。私も数冊買ったりした。教科書的な本は関連文献とかもたくさん載ってて、文献探しの役に立つのも多いし!

さき:これまるごと一冊関連するわ!みたいな本は何度も見たくて買っちゃった。それも一つの手段だよね。

らんぼ:あや、メルカリで買ってなかった?

あや:買った!めっちゃ早く届いて助かったよ(笑)

らんぼ:教科書的な本なら、古本とかで出てるのも多いと思うから、探してみれば通販で結構安く買えるかもね。高度な学術書は難しいかもだけど。

丁寧なメモと情報共有のすすめ

さき:今までのメモとかあったけど、どれも中途半端で(笑)それは後悔した。読んだ本のキーワードとか簡単にメモは取っていたんだけど、いざ図書館が使えないってなった時に、そのメモだと情報が足りなかったんだよね。読んだ本の概要とか大事な部分の要約とか、もっと丁寧に書いておけばよかったなって思った。手元に本がなくても参考にできるようにしっかりメモを残しとくのは本当に大事だね。

らんぼ:郵送貸出だと、本を手に取って見れないじゃん?本の名前もうろ覚えでも表紙を見ればわかったりするけど、郵送貸出だと本の名前で検索しなきゃいけないから、上手く探せないってこともあった。本の名前メモしとくのめっちゃ大事だね!

さき:本棚を見られない分、検索の仕方を工夫したよ。図書館では本棚を見ると関連文献がずらっと並んでたりするけど、今はあまり足を運べないから、そうやって関連文献を偶然見つけるってことができないじゃん。これまでは検索システムをこんなにちゃんと活用したことなかったんだけど、似てるけど少し違う言葉で何度も検索してみたり、関連の本を探せるようなシステムになってたりすることに気付いたからそれを利用したりして工夫してた。

あや:あと、研究内容が近い友達と読んだ本を共有しあうのも文献探すのに役立った!

らんぼ:わかる!近いテーマの人と一緒に勉強するのってこういう時にすごく有効なんだなって感じた。

さき:自分で検索してるだけだと、大事な文献がもっと他にあるかもとか不安になるじゃん。だからどういう本読んだかとか教え合えたのはすごく助かった!

らんぼ:自由に図書館とかに行けない今は特に、本の情報共有はかなり役立つかもね。

大事なのは「孤独にならない」こと

モチベーション維持のカギ①:人とのつながり

らんぼ:オンラインだと、家にいて、一人で黙々と書き進める感じになっちゃうじゃん。それには苦労しなかった?

さき:もともとやることに手を付けるまでに時間がかかるタイプだから、自分一人だとどうしてもネットサーフィンしちゃったりしがちなの(笑)ゼミの友達と自習する時間作ったりしてたんだけど、それはめちゃ良かった。一人で家でやるのは負担だったけど、オンラインでもつながることで自分もやろう!って気持ちになれたよ。なんなら、ゼミ仲間以外にも、地元の友達とかと会って一緒に作業したりもしてた。お互い全然違うことやってるんだけど、そういう友達に今やってること話したりすることで頭の中が整理されたりもしてた。

らんぼ:あまり遠出するのは難しいけど、近所の友達とかだったら会いやすいし、オンライン授業になってる大学も多いから、それもいいかもしれないね。あやは?

あや:私も苦手で。ゼミの友達と定期的に卒論について色々相談しあったりしていたんだけど、その時にみんなが自分のことのように一緒に考えてくれるから、頑張らないとみんなに申し訳ないなっていう気持ちがモチベーションになってた。先輩とかにも助けてもらったりしたよ。

らんぼ:私は家で1人で勉強したりするのは苦手じゃないタイプなんだけど、卒論って必ず行き詰まる時があるじゃん。ずっと卒論のことだけ考えてると、近づきすぎて逆に見えなくなるみたいな。そういう時に人と話すと頭が整理されたから、誰かに話すのはめっちゃ大事!って感じた。

さき他人の相談に乗ると、逆に、自分が気づかされることも多いよね。ずっと考えてると逆にわけわからなくなってくるから、一旦自分のことは忘れて他人と話す時間も大切かも。

らんぼ:あと、定期的にみんなと卒論の相談をしてたから、「次みんなと話すときまでに何か進めなきゃ」みたいな気持ちにもなってた(笑)

さきあや:わかる!!

さき:次までに何するかとか宣言してたもん。宣言することで自分にプレッシャーをかける感じ。

らんぼ:ゼミとか大学が同じ人でなくても、誰かしらと進捗を報告しあったりできるといいかもね。 

あや:私、違うゼミの子とラストスパートは一緒にずっとやってたよ!1人でやるのはやっぱりきつくて。 

らんぼ:オンラインでつないで大してしゃべらなくても、黙々と作業するだけでも、相手がやってるのが見えると自分も頑張れるよね。

さき作業音が聞こえるだけとかなんだけど、一人より全然進められたから、みんなにおすすめです!

モチベーション維持のカギ②:テーマ選び

あや自分の興味があるテーマを選んだっていうのもモチベーションになったかな。興味なかったら最後までできなかった!

らんぼさき:テーマ選び大事だよね! 

らんぼ:色んな制約とかあるとは思うけど、関連する本を読んだ時とか、対象となる場所に行ったとき、「わくわくする」テーマを選べたらいいよね。どんなものでも見方次第で研究対象になったりするし、自分が興味を持てるテーマを選ぶことはモチベーションにかなり影響すると思う。

変化に柔軟に対応するために

らんぼ:私もさきもあやも、卒論で計画していた学外での調査がコロナで難しくなっちゃったよね。

さき:これ、卒論終わるのか?っていう不安は本当に大きかったけど、他のゼミ生とか先生に相談しまくったな。

らんぼ:今はネットとかがで色んな情報にアクセスしやすくなっているから、私はどうにかして今手元にあるものや家にいても見られる情報を使って何かできないか模索した。

あや:先が見通せない状況だったから、私は、先生に期限を決めなさいってアドバイスをもらったよ。「〇月中に調査が実行できなかったらテーマを変更する」みたいな感じで。

らんぼ:期限を決めるのは大事だね。何もしなくても締め切りは近づいてくるし(泣)、ずっと立ち止まっているわけにはいかないからね。 

あや計画を変更せざるを得なくなってしまったときに気持ちや頭をしっかり切り替えるためにも、自分の気持ちとか関心をノートに書いておくのはおすすめ。私は自分の関心の移り変わりをノートに記録してたのね。そうすると、自分の関心の軸みたいな、変わらない部分も見えてきたり、記録しておくことで、自分の計画が実現できなくなった時の別の手札みたいなものが増えたの。何かあった時にパニックになることだったり、代替案を考えるのに時間がかかってしまうことが少しでも防げるかも。 

さき:私も色々悩んだけど、先生と相談したりしながら何パターンか代替案を考えた。もしもの時を考えておくと心が安定するよね。

後輩たちへ

らんぼ:これからコロナ禍に卒論に取り組む後輩たちに伝えたいことはある?

さき:卒論書くのって色々な面でストレスも感じてしまうから、向き合いたくないって気持ちになってしまうこともあるかもしれない。そんな時は自分の考えや悩みを周りの人に話してみて。あと、卒論はある程度コツコツ取り組むことも必要だから、計画や今取り組まなきゃいけないことを紙に書き出して、目に見える形にするのもおすすめです!

らんぼ:あと、意外と何とかなると思うよっていうのも伝えたいかな。意外とどうにかなるから、ハプニングがあっても、上手くいかない時があっても、焦りすぎなくても大丈夫だよって伝えたい。焦りすぎると冷静になれなくなったりするから。あとはさきも言ってたけど、行き詰まったら人に話してほしい。今は大学で偶然会って話すこともなくて、相談のハードルも上がってしまっているけど、みんな友達とあまり会えなくて人に飢えてる人も多いと思うし、連絡きたら嬉しいと思うよ!

今回は、卒業論文をテーマに、番外編をお送りしました。いかがだったでしょうか?先が見えない状況に対する不安をよそに、「学生」という限られた時間は無情にも過ぎ去っていきます。この記事が、そんな後輩たちの焦りや不安を少しでも和らげ、前に進むきっかけになりますように。

今春卒業を迎える4年生の皆さんをはじめ、この1年を通して皆さんが見つけた「コロナ禍で学び続ける知恵」があれば、コメントなどで是非お聞かせください。あなたの経験が、誰かの力になるかもしれません。

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