【学生起業】もっとフラットな就活を目指してー。日本の就活システム改革に挑む大学生

学生起業

今回の先輩大図鑑では日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科4年のいずみさんにインタビューさせていただきました。

いずみさんはご自身の就職活動中、日本の就活システムに問題意識を覚え就活を中止。企業と学生や求職者が気軽に出会える場所の創出に尽力されています。

彼が感じた日本の就活システムの問題とは何か。そして「場所」を作り出すことでどのように変革を起こそうとしているのか。たっぷりと語っていただきました。

学生で起業に興味がある方はもちろん、就活に疲れを感じている方、何かを決断する時に悩み過ぎてしまう方にぜひ読んでいただきたい記事です!

日本の就活システムに物申す!

就活を通して見えてきた問題

―いずみさんは現在「possib(ポッシブ)」(以下:ポッシブ)というコミュニティを作ってらっしゃるんですよね!ポッシブはどのような場所ですか?

男女や年齢関係なく、人と人が気軽に交流できる場です!人と人をつなぐ場を提供することで、無限の可能性を打ち出せると考えています。

▶possibホームページはこちらから!

 

―なぜそのような場所を作ろうと考えたのですか?

僕自身が就活をしていた時、あまりに企業の中身がわからないと感じたことからです。企業の説明会に行けば、会社がどういう仕事をしているのかはわかります。しかし、社員同士の人間関係など、人間に関わる環境のことはわかりません。それならインターンに行けばいいと思う人もいるかも知れませんが、選考があったり、時間的制約もあるのでインターンにたくさん行くのは厳しいことだと。もっと社会人の声を近くで聞けたらいいのに、そう思いました。あといま新卒社員の離職率も上がっているという問題があるじゃないですか。企業側と学生が気軽に話せる場所があれば、この課題の対策になるとも考えました。

―ご自身が就活をされている中で、日本の就活システムに問題を感じたのですね!問題意識を持つようになった具体的なきっかけはありますか?

地元で仲良い先輩がみんな年上で。飲み会などで病んでいる姿を見てきました。就職先が決まったときは、名前が知られている会社に入社できることに喜んでいた先輩たちが、仕事が合わないと言って病んでいるんです。さらに、自分自身が就活をしていたときにもこんなことがありました。

選考の休憩時間に、周囲の人に「どうしてこの会社を受けているの?」と聞いたら「とりあえず内定が欲しいから」と返す人が大半だったんです。あと、面接官の人って言葉つまるようなことたくさん聞いてくるじゃないですか。

それを答えたあと、僕から面接官に質問しまくったんですよ。そうしたら面接官の人が言葉に詰まっていて。(笑) しかも、その言葉に詰まった質問が「そもそも何がしたくてこの会社に入社しましたか?」でした。

就活生の時は返答がマニュアル化されているから答えられるけれど、入社してからその志なく働いていて意味があるのか?と思いました。学生が下手に出るのではなく、企業を選べる社会であるべきだと感じ、問題意識を持つようになりました。

日本の就活システムを変えていきたいです。そもそも若い自分たちが何がしたいか、どういうことがしたいか、そういうことがわかるようにならなきゃいけないと思います。

「僕が就活を変える場所を作るのでちょい待ち。」

―日本の就活システムに疑問を抱きながらも、大多数の学生がそのシステムに添いながら就活をしていると思います。(筆者もそのうちのひとりです…。)そんな就活生たちに、いずみさんからかけたい言葉はありますか?

「ちょい待ち」と言いたいです。僕が今作っている場所ができれば、少しはそのシステムを変えられると思っているので…!お酒を飲みながら企業と話して就活をする、それで気が合えばマッチングをする。

それでいいと思うんです。もっとフランクな感じで!新卒は会社の色に染めやすいから、日本は新卒採用に力を入れているけれど、例えばアメリカの就活のような、個人の能力を買う時代になるべきだと思うんです。

 

―いずみさんが考える就活の理想型はどんなものですか?

極端な話ですけれど、企業がバーベキューとか主催して、そこで学生と話して、気が合った子は後日面談する、とかそのくらいでいいと思います。すごく構えて行かなきゃいけないじゃないですか就活って。

あれダメだと思うんですよ。しかもマニュアル化しているから聞くこともいうこともみんな似ているし。そんな感じで人を見極められるのか?と思います。就活をしよう、それならポッシブを使おう!そう思ってもらえるようになることが理想です。

 

―いち就活生としてとても心に響きます…。どうしてみんな揃ってリクルートスーツを着て、髪型をきちんと結んで整えなきゃいけないんだ?って感じですし、形式に沿って志望動機や学生時代に頑張ったことを述べなきゃいけないんだろうって思います。就活中に問題意識を持たれたとおっしゃっていましたが、ご自身は就活を続けたのですか?

やめました。もともと夢があって、その夢のために就活しようかなという考えで。なので、正直なところ就活しても、起業してもどちらでもよかったんです。卒業後は今やっているポッシブをいち会社として、さらに本格的に取り組んでいきます。

就活をやめてコミュニティ作りへ

スピード重視で動く理由は悩まないため!?

―就活をやめてやりたいことに進んでいる姿素敵です!ポッシブを早く利用したいなぁ。いつから活動のために動き出されたのですか?

年明け前です。でもオンラインではやりたくないんですよ。画面だけだと伝えたいことが伝わらないことも多いじゃないですか。どうしてもお店として、対面でやりたい。けれど若いから銀行なども相手にしてくれなくて。そこでクラウドファンディングに挑戦しています。

▶ポッシブのクラウドファンディングはこちらからできます!みなさんぜひご協力お願いいたします!

コミュニティ作りをやろうと決めてから半年も経ってないです。自分たちの下の代(22卒、現在の大学3年生)からこの場を使って欲しいから、ものすごいスピード感で場所作りを進めています!

このスピード感で進めているのは、余計なことを考えないようにするためでもあります。深く考えると不安要素がたくさん出てきてしまう。アンケートとかとっても、どうせみんなこういう場所があったら利用したいって言うんだし!(笑)需要があるなら動くしかないと思っています。

人間ふたりいれば事業は回せる

―強気な姿勢いいですね〜!起業に向けて準備などどういうことをしてますか?

…準備ってなんですか?(笑)

 

―例えば、従業員をどれくらい雇うかとか考えなくてはいけないものだと思っていて…。

そんなに難しく考えなくていいんですよ!(笑)ちなみに今のところ従業員はそんなに雇わないです。僕と相棒の子でやっていきます。人間ふたりいれば事業はなんとか回せるんですよ!

僕たちが提供する場があれば、人材紹介の会社や、企業と学生をつなぐ会社などもいらないと考えています。それらは、仲介するからお金が発生してしまう。僕らは関与しないんです。

「場所」を提供します。企業と学生や求職者だったら、双方が直接出会える場所を提供するだけです。コミュニティづくりのような感じですね。あとは何か人と人が出会える機会を与えられるようなイベントをやったり。

 

―イベントはどんなことをしているんですか?

企業さんの広告をして人材発掘をしたり、学生団体を頑張っている人にスポットライトを当てる場を作っています。例えばクルーズの「先輩大図鑑」をサービス化したい、記事を雑誌にして発行したいと考えたとします。

大抵の大人は「何を言ってるの?」と言って協賛獲得は難しいかも知れない。だけどポッシブに来て、面白い起業家の人と出会うことで「いいじゃん!やってみなよ!」と協賛してくれるかもしれない。そういう可能性を与える、学生団体が声を大にできる場所を提供します。

▲相棒の方とのお写真

―より多くの人と出会うことで可能性って無限に広がりそうだなと思えました!そのような場所はぜひ利用したいですが、この時期だと対面ということに懸念点を感じる人もいると思います。何か対策はしていますか?

オープン時期を延期しようと思っています。今は緊急事態宣言下なので、もう少し落ち着いてからオープンさせます。あと、場所は神保町に決めていましたが、銀行に断られたためゼロからのスタートになって。まだ決まっていない状態なんです。

▶2度目ですが、ポッシブのクラウドファンディングはこちらからできます!人と人が気軽につながれる場所ができるためにも、みなさんぜひご協力お願いいたします!

様々な人のニーズに対応する工夫

―ポッシブは学生、求職者、社会人など、多くの人が利用でき、利用する目的も様々だと思います。それらにはどう対応しますか?

店内がセパレートされています。時間ごと、そしてスペース区切って目的別の対応を行う予定です。例えば「このスペースは17~19時はメーカー系の就職先を探している方、19~21時は学生団体の方」といった感じで、あとはフリーで開放します。

(趣味の話になり)趣味が同じ人で集まる企画も考えています。例えばディズニー好き集まれ!とか。SNSだと相手が分からないので友達になるにも、そこから会おうとなるにも怖かったりしますよね。そうなると意外と趣味友を作る場所ってないなと思ったのでやろうとしています。

▲コミュニティスペースのイメージ画像

 

悩むより行動しよう

自己肯定感を上げる秘訣は「できない」を削ること

―いずみさんのお話を伺っていて、「就活を辞める」など勇気ある決断をされている印象があります。その秘訣はなんですか?

小さい頃から絶対成功するという自信を持っていました。さらに留学やアルバイトなどの経験を経て自分に自信が持てました。成功する明確なビジョンはみえてないけれど、なんか成功するだろうなとは思っています。傷付く経験があっても、成功するからいいかと思っています。

あと、悩んだらその場で全部解決するようにしていますね。自信が無くなる要素を取り除くんです。例えば、僕はアメリカンフットボールをやっているんですけれど、筋力不足で負けたのならめちゃくちゃ筋トレしたり、悩んでるくらいなら即行動して解決します。自分の中から「できない」を削ることで自己肯定感を上げました。

けれど、どうしてもできないこともあるじゃないですか。僕だったら勉強はできなかったから、その分運動で頑張ろうと思いそっちを磨きました。

読者へのメッセージ

―自分の弱みを削って不安要素を無くすーー。当たり前のように聞こえて、意外と気付かないことだと思います。最後に読者のみなさんに向けてメッセージをお願いします!

直感を大切に生きて欲しいです。人生って選択の連続っていうじゃないですか。コイントスの法則というのがあって。例えば、内定を2社からいただいていたとして、どうしよう、とすごく悩んだとします。

あっちの会社はこういうところが良いけれどここが懸念点でにこっちの会社はそこは平気だけれどここが不安で…って。人間は不安が元で行動している傾向があると思うので。

だけど、悩んで決めてもコイントスで決めても、幸福度は変わらないというデータであるんですよ。なんならコイントスで決めたほうが後悔が少ない。人生うまくいっている人が多いらしい。

じゃあコイントスで全てを決めよう!という話ではなく、そのくらいのレベルで人間って考えているようで考えていないということです。だから、直感に従うことが一番じゃないのかなと思います。

適当に決めるのではない、直感で決める。僕はこれを大切にしています。

possibの活動がもっと知りたい人はこちら!

✓possibホームページURL ▶ https://possib0199.wixsite.com/spacepossib0199 

✓possibインスタグラムURL ▶ https://www.instagram.com/possib_space0199/

✓possib クラウドファンディングURL ▶ https://readyfor.jp/projects/possib0199

いかがでしたでしょうか。就活に対する問題意識を持ち、その解決のため自ら起業し働きかける。その類い稀なる行動力に勇気付けられた方もいるのではないでしょうか。

さらに、直感で動くこと、悩みすぎず動き出すことも一つの能力であり、それに長けているいずみさんだからこそ会社のために走り続けられているのだと感じました。

またインタビュー中、「クルーズさん、インタビュー相手探しにポッシブを利用してくださいよ!」と言ってくださり、とても気さくな方でした。場所の完成が待ち遠しいです!

この記事が、何か始めたいけれど一歩踏み出すことができない、そんなあなたの「手がかり」となりますように。

Writer:ぱすかる

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