【課外活動】「大人になった姿を楽しみに挑戦し続ける」ー新しい教育の形を模索する大学生ー

留学

今回の先輩大図鑑は、同志社大学生命医科学部の石川遥稀さんにインタビュー。理系学部を専攻しながら、教育の分野にとどまらず様々なチャレンジをしている遥稀さん。今でこそ活発に活動している彼ですが、「もったいない時間を過ごしている」と感じた時期もあったそうです。今回は、現在彼が行っている活動をはじめ、変わるきっかけとなった海外教育実習プログラムや、教育についてのあれこれを語っていただきました。

教育や留学に興味のある方、そして自分が変わるきっかけを探している方、必見です!

バイタリティ溢れる彼が、大学三年生の今やっていること

ーインスタで遥稀くんの活動を見守ってるんだけど、すごいたくさんの活動してるよね?

うん。色々あるんだよね。何から話せばいいかな…

株式会社MIYACOでのインターンで”Grobal Teacher Program”っていう、海外の教育実習プログラム(以下GTP)のサポートをしているよ。でも今は海外に行けないから、その代わりに色々なイベント計画してる感じかな。

あとは教育関係の事業の一つとして「10代向けの学校ワンゼロ」を5月から実施するために準備してる。個人的には、GTPの活動の一環として『夢を叶えるゾウ』のガネーシャの「ゾウさんチャレンジ」っていうのをやってる。

100日間、毎日1チャレンジを継続

ーゾウさんチャレンジ?

GTPに参加はしているもののあまり積極的に関わっていない、っていう層も巻き込みたくて始めた取り組みなんだ。『夢を叶えるゾウ』は、ガネーシャっていう象に似たインドの神様が、主人公の夢を叶えるために出した「一日でできる課題」を毎日実践していくっていう本。自分が変わることに期待しているうちはいいけど、時間が経つと「自分は変われない」という考えになって、その状態がいつまでも続いてしまう…っていう。「ガネーシャが与えた課題を実践し、身につくまで継続することが大事である。」ってことも謳ってて。

何人か100日チャレンジしたいっていう人が名乗りをあげてくれて、その人たちのメンターとして取り組んでる感じかな。

ーなるほど、GTPに関わる中で、まだ自分が「変わった」って実感できていない人たちのためにきっかけを作ったってことだね。

▲ゾウさんチャレンジの一コマ。毎日Instagramのストーリーに更新中。

自家製フィンランドサウナ

あとはLittle Youっていう本田圭佑がアンバサダー勤めてるイベントがあって。それにエントリーしてる状態。60日間で10万円使って何するかっていうものなんだけど、自分は移動式のフィンランドサウナを作ろうと思ってるんだ

ーなぜフィンランドサウナを…?

個人的に、フィンランドサウナってきつくなくてリラックスできるからかな。

フィンランドサウナとは?

フィンランドの人々は、日本人にとってのお風呂と同じような感覚で、サウナを楽しんでいます。サウナを備えた住居も珍しくなく、一説には、人口550万に対して200万を超えるサウナがあるとされます。日本では、湿度が低く温度はときに100を超える「ドライサウナ」が多いですが、フィンランド式は「ウェットサウナ」が基本。室温はドライサウナと比較すると低温で、じっくりと芯から体を温められます。サウナストーンに水をかけ、湿度を調整する行為「ロウリュ」はフィンランド式サウナの醍醐味。自分のペースで蒸気をつくりだし、全身に浴びることがフィンランドの人々にとってのサウナなのです。

出典:https://www.solosauna-tune.com/about/

様々な活動をしていく上での「自分軸」

今のチャレンジが作る「自分の将来の姿」

ーすごいね。1つのことを突き詰める人にインタビューしてきたからっていうのもあるけど、ここまでたくさんのことしてる人ってなかなか出会ったことなくて…色々な分野でチャレンジしてるけど、活動するにあたっての自分の軸って何?

全然すごくなんかないよ。まあ、自分の軸は大きく3つあって。

まず1つ目は、親とか友達とか、お世話になった人に恩返しがしたい。大学一年生の時、『メモの魔力』で自己分析してて気づいたんだよね。

2つ目は、高二の時に羽生さんと同じ尿膜管遺残っていう病気になって、生き方に対する考え方が変わったこと。めちゃくちゃお腹痛くなって手術もして。日本の平均寿命も伸びてきているし、長生きするなら健康でいたい、健康に暮らすためにもいろんなことをしようと思うようになったんだ。

3つ目は、大人になった時に笑い話ができるような経験をたくさん積んでおきたいってことかな。結構考え事をしちゃうタイプで、自分の生きている意味を寝る前に考え込んだりして。1つ目の軸は恩返しって言ったけど、「今死んだら親悲しませちゃうな、でもそれは生きる理由ではなくて死なない理由だし…」って悩んでて。尼崎に行って、脳科学の勉強をしている人に出会ったの。そこで、人間の脳は30歳まで発達するって聞いたんだよね。自分が30歳になった時の姿を楽しみに生きている感じ。人間生まれてきたからには何かしら得意なことがあるはずだと思ってる。いろんな価値観に触れてみないとそれを見つけられないってことで、チャレンジしてます。

ー大人になった自分を見据えて今チャレンジしているんだね。軸を形成するようになったきっかけとかある?

遡ると幼少期になるんだけど… 幼稚園の頃、戦争を経験したおじいちゃんの子どもの頃の話を聞いていたんだ。戦争で父親を亡くして、家の農業を手伝うために勉強ができなかったって。「頭の中にあるものは盗めない」っていう言葉を聞いて、色々と勉強するようになったんだ。戦争のエピソードを聞いて漠然と世界平和を目指すようになって。二分の一成人式でも「将来の夢は世界平和!」って言ってた。

もったいない時間を過ごしていた自分が変わるきっかけになったもの

ー今でこそ活発に活動してるけど、のんびりしてた時期とかはあったの?

大学に合格決まってから、めちゃめちゃ遊ぼうと思って。二年生に進級前の春休みにGTPに参加するまではもったいない過ごし方してたな…単位は取っていたけど。GPAは悪くなくても、何にも身についてないし。本当にもったいなと思って。だからこそ、(自分を変えるきっかけになった)GTPでもっとたくさんの人を巻き込もうと思うようになった。

彼が目指す「新しい教育」の形

海外留学×教育実習のGTP

ー理系学部での教職課程、とても大変そうだけど…

二年生に上がるタイミングで、教職の資格申請のための本登録が必要になったんだよね。周りの人から大変だって聞くから、決めきれず不安になって。バイト先の先輩に相談した時に、教育実習してみたら?ってことでGTPを教えてもらって参加したんだ。

自分はフィリピンで小学生に算数を教えた。実際の授業の前にデモンストレーションをしたんだけど、自分の授業が評価されて、賞をもらったの。自分が認めてもらっているって実感できたし、授業も楽しくて教師っていい仕事だなって思って。それで教職続けることにしたんだ。

▲GTPで、算数を教えた生徒たちと!

教育の魅力に気づくまで

ーそもそも、どうして教育に興味を持ったの?

中一の頃に総合の授業で、自分の将来の夢について考える機会があったのね。それまでは世界平和しか考えてこなかったから、具体的な職業名は思いつかなくて。調べてもよかったんだけど、「身近にいる学校の先生にインタビューして、その理由を聞いて自分も教職を志すようになったら面白いんじゃないか」と思って。普段は威厳のある先生も楽しそうに話している姿がすごい印象的だったんだよね。そこでいい仕事なんだなと思って教育に興味を持ち始めた感じかな。

ーその後で理系の学部を選んだの?

高校時代にニュートンを読んでたの。こうもりの超音波を自動運転車の情報通信に応用する記事を見て、面白いなって!想像力豊かだし、自分もそういう研究してみたいなと思ったんだ。教師にはなりたかったけど、労働環境が改善されるまでは嫌だなと思って。今の学部で勉強しつつ、中高数学の教職課程取ってる。

休学留学で、オルタナティブ教育を学ぶ

GTPを運営している会社に行って色々話をするうちに、インターンすることになったんだ。10代向けの「学校ワンゼロ」っていうプロジェクトに関わるようになったり、そのほかにも教育関係のプログラムとか出張授業にも関わらせてもらって。いろんな教育関係の人たちと関わるうちに、教育の面白さにさらに目覚めて行って。

そこで、「オルタナティブ教育」ってものを教えてもらったんだよね。主体性や多様性を重んじる教育で、自分でカリキュラムを組み立てる。例えば、建物を作る授業、料理をする授業、スポーツの授業があって、建物を作る授業のでジェットコースターを作ることになったとする。そうなると、数学と物理の知識が必要になってくる。自分で必要なものを自発的に学ぶ機会を与えるのがこの教育の特徴なんだ。そういうのってすごくワクワクするだろうし、将来を考えるきっかけにもなるんだろうなって。

▲株式会社MIYACOでのインターン風景。

ー教育の面白さってなんだと思う??

教育の面白さは生きていることの面白さを語るのと同じくらい難しくて… 教育っていうのは、生きていく上で逃れられないもので、どんな教育を受けてきたかによって進む方向が180度違ってくる。これがある意味めっちゃ怖くて。

ーなるほど。その人の生き方とか人格を形成するほどの影響力を持ってるところが、教育の怖いところでもあり面白いところ、っていうことかな。

ふと立ち止まることと、今後の目標

さっき話した脳科学の人に言われて、最近は自分が生き急いでることに気づいて。一旦踏みとどまることにしたんだ。ワンゼロもGTPもがっつりではなくて、ポイントポイントで関わってる感じ。最近はトビタテ(政府の留学支援プログラム)にオルタナティブ教育の留学で応募しようと思って、書類を待ってる感じ。今やってることと言ったらゾウさんチャレンジくらいかな…

ートビタテに応募するのは、冒頭で話してた一年の休学留学?

そう。来年の2月から、フィンランド、デンマーク、オランダ、インドネシア、ハワイのモルカイ島を回ってこようと思ってる。モルカイ島は島ぐるみで地域に根差したオルタナティブ教育してるとこ。地域の手芸が得意なおばあちゃんに手芸を教わったりっていう。

ー自分でプログラム利用して応募するのとは違って、完全に一から組み立てた留学なんだね。

トビタテでは珍しいらしいね。受かるかはわからないんだけど…

書類審査の結果、遥稀さんは書類審査に合格!現在は、面接に向けて準備しているとのことです。

ー最後に、読者の皆さんに一言お願いします!

それね、聞かれると思って考えてたんだけどね…実は特にないんだ。全体に向けてというよりは一人ひとりに向き合ってアドバイスしたいかな。この記事はどんな人が読んでるの?

ー大学生向けメディアだから、同じくらいの年代の人たちだね。おそらくこのインタビューは教育とか留学に興味のある人が読んでくれるんじゃないかなと思うけど…

連絡くれたら話す!しづらいと思うし、自分もしたことはないけど…難しいよね、こんな人(笑)

ーいや、遥稀くんらしくて面白いです。

▼遥稀さんについてもっと知りたい方はこちら!

Instagram: https://www.instagram.com/i_am_harusann/ 

Note: https://note.com/haru30220 

今回は、以前先輩大図鑑で紹介した安藤詩藍莉さん(記事はこちら)のシェアハウスで出会った友人にご協力いただきました。想像以上にたくさんのチャレンジをしていた遥稀君に圧倒されたインタビュー時間でした。噛めば噛むほど味がでる「スルメ男」の二つ名を持つ遥稀君は、ここには書き切れないほどの深みのある人物です。この記事を読んで彼に興味を持ってくださった方は、ぜひ彼のSNSやNOTEを読んでみてください。

自分が変わることに期待し続けるだけではなく、行動に移すことの大切さを身をもって示す遥稀君でした。この記事が皆様の新たなきっかけになりますように。

 

 

 

 

コメント

  1. […] […]

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