【課外活動】「人の縁」を大切に―。国内外で挑戦し続ける旅の記録

課外活動

今回の先輩大図鑑では、大学3年生のなかしんさんにインタビューしました!

彼は現在、カンボジアでのスタディーツアーの企画に関わるかたわら、長期休暇のたびに日本各地の様々な地域に足を運び、ワーキングホリデーやインターンシップに参加しています。そんな行動力あふれる彼が活動に参加するようになったきっかけから、訪問先でのエピソード、そして、彼なりの時間管理や情報収集のコツまで、たっぷり語っていただきました。

コロナ禍で海外渡航が難しくなっている今、「学外で何かしたいけど、何もできない」と感じている人も多いのでは?日本国内でアクティブに活動するなかしんさんのお話から、新たな発見があるかもしれません。

始まりは大学受験での悔しい思い

国内外で様々な活動をしてきたなかしんさん。そのきっかけは何だったのでしょう? 

実は今通っている大学が第一志望ではなかったんです。だから、大学入学当時は、高校の同級生とか、自分が行きたいと思っていた大学に進学した人たちに負けないくらい多くの経験をしたいと思っていました。 

それで、何か新しいことに挑戦したいと思っているときに、大学の掲示板でたまたまカンボジアのスタディーツアーを知って、参加を決めたんです。それまでカンボジアはおろか、海外にも行った経験がなくて。個人的な意見として、国際協力をするより前に、国内でももっと解決すべき問題がたくさんあるのではないかと思っていたので、あまり海外で何か活動することに関心もなかったんです。

でも、食わず嫌いもよくないし、スタディーツアーという「学びに行く」という形式や、他の大学の人とも交流が持てることも魅力的だなと思って、参加することにしました。

 

ー海外に行くこと自体にもあまり関心を持っていなかったということですが、スタディーツアーを通して、海外や国際協力への見方は変わりましたか?

実際、考え方は大きく変わりました。例えば、ゴミ山になってしまっているある場所を視察し、そこで生活する人々を目にしたときに、「ここに焼却炉を作れば現地の人が持つ問題が解決する」みたいな表面的な問題ではないのだな……と国際協力の奥深さと同時に自分の無力感も抱きました。

また、現地の人々の格差を目の当たりにしたのも印象的です。現地に行くからこそわかることがあるんだと強く思った経験でした。

その時は自覚していなかったけど、今になってカンボジアでの経験がその後につながっていると思うことも多いです。参加者の他の大学生たちにもいい刺激をもらえたのかな。

他の国際協力系のイベントにも参加するようになったり、より課外活動に積極的になりました。今では、企画する側としてそのツアーに関わり続けていますよ。

カンボジアにて仲間たちとの1枚

日本中を旅して「働く」

ーその後、なかしんさんは視点を国内に戻し、日本全国の様々な地域でインターンシップなどに参加するようになったそうです。

ずっと地方創生に興味があって、大学の学部選びの基準にもしていました。大学の入学前に課題図書が提示されていて、その中に『僕たちは島で、未来を見ることにした』(株式会社巡の輪・木楽舎)という本に出会いました。

そこで、島根県にある離島の海士町(あまちょう)という場所を知ることになります。海士町は小さい島なんですが、町を元気にしたいという強い思いを持った人が多く、たくさんの人を惹きつけている島です。

僕はそれまで、自分の生まれ育った町に特に強い思い入れを持っていたわけでもなかったし、将来のビジョンもはっきりしていなかったけれど、その本を読んで、「地方暮らしも面白そうだな」とか、「海士町に行ってみたい」と思うようになりました。

実際にそれを実行に移したのは2年生のゴールデンウィークで、海士町に10日間のワーキングホリデーに行きました。

その時は、シェアハウスに滞在しながら、観光客向けの宿泊施設などで掃除・洗濯・ベットメイクなどのお仕事をしました。

 

この海士町での経験の後、長期休みのたびに他の地域でもインターンシップやワーキングホリデーなどに参加するようになって、個人的な旅行も含めて東北から九州まで色んな地域を訪れました。

旅行のような短期間だと自分は「ゲスト」で終わってしまいますよね。でも少し長めに滞在すると、そこにいる人たちともっと対等な立場でお話しできるようになったり、旅行では見えて来ない課題点も見えてきたりするんです。それがとても魅力的だなと思います。

大学1~3年生の間に訪れた思い出の場所

ー自分に縁もゆかりもない場所に飛び込んで生活するのはとても楽しそうですが、その一方で疲れたり、ストレスを感じたりすることはありませんか?

僕の場合、それはあまり感じていません。他にも参加している学生がいたことや、受け入れ先の人にとても恵まれていたことが大きいと思います。

インターンシップなどを実施している地域は、受け入れに積極的な場所が多いので、外から来た人たちのことも温かく受け入れてくださる人が多いと思います。 

あとは、仕事以外の時間を一緒に過ごすこともとても大事だと思っています。

仕事だけの関係だと、お互いのことがよくわからないまま終わってしまうけれど、仕事後の時間に一緒にご飯を食べたりお酒を飲んだりする時間で仲を深められるので、その時間はけっこう重要です。

念願の海士町に訪問!

「使えるものは使おう!」―時間管理と情報収集のコツ

ー忙しい大学生活を送っていると思いますが、時間の使い方で気を付けていることはありますか?

僕はやりたいことにどんどん手を出してしまうので、今でも予定が重なってしまってお断りせざるを得なくなってしまうことも…。時間管理は永遠の課題です(笑)。

でも、時間管理で僕がいつも念頭においているのは優先度かなと思います。授業で単位を取ることは大切だから、基本的には授業を優先します。

あとは「自分がいないといけない」「自分がいることでちょっとよくなる」「自分がいなくても何とかなる」のどれに当てはまるかな?と考えて、自分が必要とされている場所をより優先したり、自分の意欲の強さも判断の基準になっていると思います。

 

ー優先度の基準を自分の中に持っておくことは、時間管理に役立ちそうです。今、学外で何かしたいけど、どうやって情報を得たらいいかわからないと思っている人も多いかもしれません。なかしんさんはどのように情報を集めていますか?

人との縁がとても大きいなと思います。例えば、気になった人はFacebookやTwitterなどのSNSでフォローするのですが、その人がフォローしている団体やシェアしてくれるイベントも興味の対象になることが多いです。

僕の場合は、自分と関心が近い大学の先生をフォローしていて、その先生がシェアしているイベントは自分も興味があることが多かったりします。そのイベントには予定が合わなくても、主催団体をフォローしてみるだけで、自然と情報が集まってくるようになりますよ。 

大学の掲示版も見落としがちだけど、けっこう良い情報が転がっています。実際、カンボジアのスタディーツアーとか、他の活動でも掲示板で見かけて参加したものは多いです。大学の授業のゲストスピーカーの方に話しかけに行って、つながったこともありますよ。大学生は大学から得られる情報も多いので、使えるものは使おう!っていう精神です(笑)

 

ーSNSや大学からの情報をうまくキャッチして自分のものにしているなかしんさん。今日から私たちも実行できそうです。

今オンライン授業で学校の掲示板を見る機会は減ってしまっているかもしれませんが、大学からのメールやWebサイトを意識してチェックしてみるといいかもしれませんね。

 

ー読者の皆さんには、興味があることを見つけてもためらってしまい、なかなか一歩を踏み出せないという学生も多いのではないでしょうか?最後に、そんな学生へのアドバイスをお願いします。

とりあえず一度何かに参加してみることがおすすめです。1回乗り越えれば、心理的なハードルも低くなるし、勢いがつくのではないかなと思います。

あとは、学生が多く集まるイベントを選んでみるのもいいかもしれませんね。自分と似たような立場の人が多いと入っていきやすいと思います。最初の経験が次の挑戦につながるきっかけになるかもしれません!

長崎県の新上五島町にて。きれいな海の前でジャンプ!

なかしんさんの落ち着いた口調の裏に、活動を心から楽しんでいる様子や、彼のあふれる好奇心をひしひしと感じる約1時間のインタビューでした。国内外で、年齢もバックグラウンドも異なる多くの人々と出会い、様々な経験をしてきた彼が、どんな道を歩んでいくのかとても楽しみです。

大学生活で何をするかは自分次第。「何かしたい」ともやもやしているなら、まず何か行動を起こしてみてください。「SNSをフォローする」「掲示板をいつもより丁寧に見てみる」といった小さな行動が、素敵な経験との出会いにあなたを導いてくれるかもしれません。

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